ハローベイビー〜理編
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ニコが入院した。
いや、予定通りの入院なんだが、それでも心配なものは仕方ないだろう?
1人なら生まれるのは秋頃の予定なのだが、
さすがに5人だと28週以下で産まれる?産む?そうだ。
そんなわけで夏真っ盛りなわけなんだよな。
妊婦に夏の暑さは辛いだろうし、そもそも立つのも座るのも大変そうだ。
お腹に5人も赤ちゃんいるんだぞ?
しかもすこぶる5人とも元気で、ニコのお腹の形が変わるほど動いているのがわかる。
いや、ニコのお腹大丈夫なのか?
破れたりしないのか?
そんな心配も必要なくらいだ。
俺は毎日3時間くらいおきに、ニコのお腹に魔力を流していた。
最初の頃よりもかなり魔力を持っていかれる量が増えている。
だから、理織は魔力の実を食べろって言ってたんだな。
3時間で回復する量よりも多く魔力を持っていかれてたからな。
これは、理織に聞いてなかったら、ニコがヤバかったぞ。
理織には感謝だな。
で、病室には付き添いで居座るつもりだったんだが、看護師さんに放り出された。
いや、魔力をあげないといけないことを1から説明して、なんとか理解してもらった。
昼間病院にいるのは、問題ないだろうけど夜中はどうするのか?
病院は夜中も入れてくれるのか?
なんだったら、転移してくるけどな。
その辺は診察の時に、先生に聞いてくれと言われてしまった。
ニコを車椅子に乗せて、診察に向かう。
呼ばれて診察室に入ると、女医さんだった。
元々別の産院に通っていたのだが、
5つ子の帝王切開ならこちらの病院の方がいいと勧められ転院したのだ。
先生は、俺たちとカルテを見ながら、
「果梨さんはタレントさんのようですが、帝王切開でよろしいのでしょうか?」
「はい、問題ないです。その方が母体にも子供にも負担が少ないとの話を聞きましたが」
ニコがそう言うと、
「そうですね、ですが傷痕が残ってしまいますが」
あー、そっちの心配をしてくれたのか。
「大丈夫です。エリクサーがありますし」
俺は、傷痕は消せることを告げる。
「エリクサー…あっ神凪さんですものね」
ニコと顔を見合わせて、首を傾げた。
「えっと、どういう?」
「あら、ごめんなさいね。
以前余命1か月の患者さんがエリクサーで完治して退院して行ったと、
内科の方で話題になっていたことがありまして…」
あー、理人の友達だったか?
この病院だったのか。
「藤枝くんですか?」
「あら?ご存知ですか?」
あれ?ニコも知ってる?
「はい、同じ事務所の後輩です」
あー、そう言えば、ギィルシューリオの広告塔やってたな。
「そうでしたか。エリクサーとは本当にすごいものですよね」
もっと手軽に手に入れば…とぶつぶつ言ってるが、それ今必要か?
「先生、今それは必要な話題ですか?」
エリクサーが欲しいなら、親父か理結と話してくれ。
「理編くん。そんな言い方はダメだよ?」
ニコに注意された。
「すみません」
「こちらこそ、すみません。では帝王切開で話を進めますね」
「はい、よろしくお願いします」
手術日までの流れなど細かいことを説明してもらう。
5つ子は小さく生まれるのでNICUに入るのが普通のようだ。
体重が2000gを超えないと退院できないらしい。
5つ子は平均1000g前後で生まれるようだ。
小さいよな?
俺と笑理は双子で2500gくらいだったらしいしな。
理結は普通に3500gくらいだったらしい。
そう考えると1000gは小さいよな。
それはNICUは必要なことなのだろう。
「何か質問はありますか?」
あるよ。
手術日までの質問があるよ。
「先程、看護師さんにもお話ししたのですが、
魔力量の多い夫婦の子供は生まれる前から魔力量が多いらしく、
母体の魔力を吸収しながら育っているようなのです。
それで妊娠がわかってから、
ずっと私が3時間置きにお腹の子供達に、魔力を流していました。
それをしないと彼女の魔力がなくなり倒れてしまうのです。
ですので、手術日まではそれを続けなければ、
彼女も子供も危なくなる可能性が高いのです」
「ちょっと待ってください。今までそのような事例はありません」
「それはそうでしょう。今までは魔力があると言ってもたかが知れていました。
魔力の実のことはご存知ですか?
今後は増えてくる可能性がありますよ?
子供が1人なら問題ないかもしれませんが、
双子以上であれば、知らなければ妊娠初期で倒れますよ。間違いなく」
先生はなんてことなの!と呟いて固まってしまった。
うーん、どうするよ?
「あの先生?」
「あっ、すみません」
「ですので、夜中も魔力を流しに来なければならないのですが、病院は夜中の出入りは可能性ですか?」
「それは…ちょっと難しいと思います」
だよなぁ。
「では、転移で彼女の部屋に直接飛んで、魔力を流して転移で帰ると言うのをお許しいただけませんか?」
「転移…ですか?」
「転移の魔導具はご存知ないですか?」
俺は転移の魔導具の説明をする。
もちろん一般に売り出してるほうのイヤーカフの性能だけどな。
「ですので、マーカーを設置する許可をいただければと思うのですが。
もちろん退院する時には、マーカーは剥がして行きます」
「わかりました。果梨さんの病室にマーカーの設置を許可いたします」
「「ありがとうございます」」
俺とニコの声が重なった。
とりあえず魔力のことは、これで良し。
3日後、無事に5人とも産まれた。
やっぱり体重は1000gほどしかなかったので、予定通りNICUへと入ることになった。
ニコの予感通り、男の子の3つ子と女の子の双子だった。
考えていた名前の通り、男の子は理藍、理琉、理龍。
女の子は理梨、理恋。
ら行で決めた。
産まれた翌日に親父とお袋が、こっそり赤ちゃんを覗きに来ていた。
理結も覗きに来ていて、驚いた。
来たついでに子供を鑑定してもらった。
魔力が足りているかとか、体調は問題ないかくらいだけどな。
さすがにステータスは見れないしな。
問題なさそうとは、言ってたけど。
いや、俺も鑑定スキルはあるけどな。
使い慣れてるのは、理結の方だしな。
確認だよ、確認。
笑理の鑑定が確実だろうけど、笑理もそれどころじゃない。
笑理の方は、双子なのでまだお腹の中で育てられる。
だから大きくなるにつれ、俺たち並みに魔力を持っていかれてるようだ。
シノが笑理のお腹に魔力を流してる。
双子は37週以下なんだと。
10週近く違うんだな。
笑理の子供は、NICUに入る可能性はかなり低いだろう。
NICUにいる子供たちに、直接授乳することは出来ないが、
搾乳した母乳を飲ませることは出来るのだそうだ。
5人分必要なんだよな?
足りるのか?
どのくらい出るか最初はわからないとのこと。
でも、もし足りなければ複写するのはありじゃないか?
そのくらいの裏技は必要だよな?
ニコの負担が少ないのが1番だからな。
搾乳は、しすぎてもしなさすぎてもダメらしい。
どっちも病気になる可能性があるらしいので、そこは気をつけないとダメだな。
難しいな。
ニコの車椅子を押して、NICUを覗きに行くとふみゃふみゃ泣いてる我が子が目に入った。
日々顔がハッキリしてくる。
「可愛いな」
「可愛いね」
ニコが優しい笑顔で見つめている。
早く抱っこしたいよな。
りらん、りりん、りるん、りれん、りろん。
ハローベイビー。
早くパパとママのところにおいで!
待ってるよ。
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トーヤのテンションがあがります(笑)
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