甘くて美味しいは正義
私は、フェリーラザにはなかった甘味とかデザートとかスイーツとか呼び方は色々あるみたいだけれど、とにかく甘いもののトリコなのです。
どーなつに、あいしゅくりーむ。
あいしゅくりーむ、食べたいって言ったら、今日はダメって言われて、しょんぼりしてたら、違うものが出てきたのです。
はじめてのものが!!!
ご飯は食べ終わったから甘いものに違いないのです。
「これ、なに?」
黄色いなにか。
連理は、プリンよー、とスプーンと一緒に渡してくれた。
「ぷりんよー?」
理理と理哉が、違うよーと笑っている。
頭をこてんと倒して、
「なにちなう?」
「プリンよーじゃなくて、プリン、って言うんだよ」
ぶりんよーじゃなかったのね。
「ぷりん?」
「そう、プリン」
理理は、こうやって食べるんだよって、スプーンで食べて見せてくれた。
「あい」
私はすぐ食べたくて、スプーンを掴んでぷりんをすくいたい。
でも全然すくえなくて、泣きそう。
そしたら理人が、あーんしてくれた。
ひとくち食べて、びっくりした。
すごくすごくすごく美味しかった。
「おいちーーー」
もっと、もっとと、理人に口を開けて食べさせてもらった。
ぷりん、なんて幸せな美味しさ。
「ぷりん、うまうま、あまあま、おいちー」
ってニコニコしてたら、頭を撫でられた。
『アレド、スキルポイントと創造魔法の変換魔法どっちを先にみんなに言うべきなのかしら?』
『まだ、どちらも時期尚早ではないかと思いますが』
『やっぱりそう?でも早くスキルポイントのことは教えたいのよね…』
そういえば、全然関係ないけど、理人の苦くないポーションはどうしたかしら?
「りひにい、うまうまぽーちょんは?」
「あーリオごめんなー、まだ治癒草が見つからなくて作れてないんだ」
「理人、治癒草って何の話だい?」
理が理人に確認している。
「この間、リオがポーション作るところ見たいって言うから、作ろうとした時に薬草がきらきらしてないって、魔力が足りないのも苦い原因かなーとか、水も魔力ないとだめなのかなーとか、考えてたらレベルが上がってさ。レシピが更新されたんだよ。で、薬草の他に、治癒草が必要で、水も魔力水に変わったんだよ。それで治癒草探してるの」
「そんな話聞いてないけど?」
連理が、なんで言わないのって理人を見てる。
言ってなかったのね。って、報告義務があるのかしら?
「忘れてた」
「父さん、鑑定使えるんだから力になれるだろう?次ダンジョン行く時、付き合うよ」
理がそういうと、
「いいの?父さん今、いそがしそうじゃん?」
「あーリオ発案の魔力を空の魔石にチャージする魔導具な。ほぼ完成だよ。リオ明日また実験しような?」
「あい」
もう出来たんだ?すごい!
実験実験!
「えー?リオがアイデア出したの?」
理理が、驚いてる。
「そうよー、寝る前に魔力出すだけなのは、もったいないって、空の魔石に入れられないかって!」
「リオ、すごいね」
「あい、もったない」
「みんな、明日時間あったら、協力してほしいんだけど、ギルドとかダンジョンか?」
理理は、
「リノ、明日ギルド行かないもん、また変なの来たから行ってやらないっ」
理哉も、
「リリとハルがテスト前だから、ダンジョン禁止にされてるから家にいるよー」
理人は、
「俺も試験勉強するから、家にはいる。実験は気分転換に呼んでほしい」
理は、よかった、じゃあ明日よろしくって。さらっといなくなろうとしてたんだろうけど、まぁムリだよね。
「理さん?ほぼ完成なら先に書類まとめておいてね?手伝いはするけど、全部はやらないわよ?」
連理の言葉に、理はコクコクと頷いた。
あれは絶対全部やってもらおうと思ってたんだろうな。
連理怒らせちゃだめなんだからね?
私は寝る前に、魔力を魔石に変換して枯渇してから、眠りについた。




