神凪一族緊急招集12〜理芳
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「はぁぁぁぁ!?」
久しぶりの連理からの緊急招集に、また理織がなんかやらかしたのかと思いながら話を聞いて思わず叫んじまった。
まさか20年以上も経ってるのに、またあの男の存在を思い出すハメになるとは思わなかったぜ。
東雲が硬直している。
「しのちゃん…?」
笑理が東雲の腕を取り、心配げに見上げる。
再起動した東雲が、
「それは本当ですか?」
「とりあえず、理織が撮ってきたスクショ見てもらえる?」
理織がスクショを展開する。
鑑定
服部西天 はっとりさいてん
東雲と東風の異母弟
父親、服部恭牙 はっとりきょうが、の命令で、神凪一族に近づこうとしている
そう表示された。
マジかよ。
あのヤロウ、他にも子供を作ってるだと!?
信じられねぇな。
人の心を持たねえ犯罪者のくせに?
何か犯罪に子供を利用しようってことか?
なぜ神凪に近づく?
復讐か?
20年以上経ってるのにか?
10年前には刑務所から出てきたのも把握している。
何が目的だ?
「笑理、スクショとかレコーディングから鑑定できないか?」
俺は、もっと詳しい鑑定結果が知りたくてそう聞いた。
「わかんない、やったことないよ」
「試しにやってみろ?理織そのガキのスクショかレコーディングあるんだろ?」
「はいです」
理織は、スクショとレコーディングを表示した。
笑理は、じっと両方を見ている。
何かわかるか?
鑑定
服部西天 はっとりさいてん
父親、服部恭牙 はっとりきょうが
母親、若山さとこ わかやまさとこ
母親はすでに死亡
父親は西天を児童養護施設において、姿を消す
東雲と東風の異母弟
父親の命令で、神凪一族に近づこうとしている
理由は不明
状態異常 思考停止 与えられた命令を実行するだけの生きる人形
「ここまでしかわからない」
これだけわかるのは、すごいけどな。
「これ、どう判断する?」
俺の問いに、大樹がうめくように言う。
「生きる人形とか…」
優理は吐き捨てるように、
「あのクソはいつまで経っても碌なことしないな」
まったくだな。
「しのにい?ほんとにしのにいのお父さんなの?」
理織が不思議そうに聞く。
チビたちは、あのヤロウのこと知らないんだよな。
「東雲、簡単に説明してもいいか?」
東雲は、はいと頷いた。
「理織、他の子供たちも知っておいてくれ。
東雲と東風の父親は、結婚詐欺師でな。
東雲たちの母親を騙してたんだ。
笑理が3歳の時に鑑定した結果を口に出してしまってな、結婚詐欺師って何?って、
前に東雲の背中の傷治したの覚えてるか?
あれは父親につけられた傷だ。
逆ギレして笑理を殺そうとしたあのヤロウの剣から東雲が笑理を守ってくれた。
その代わりに切られたんだ」
東雲と笑理の手が強く握られている。
思い出すだけでハラワタが煮え繰り返る。
「そういえば、東風はどうした?」
「聞いてるよ、ちょっとこれからあのクソの足取り追うから、何日か時間ちょうだい」
東風はパソコン越しに参加していたらしい。
「わかった、そっちは任せる」
東風の専門みたいなもんだしな。
「さいてん、どうする?りおたち学校であっちゃうんだけど」
あーそうだよな。
「東雲と東風は、あのガキどうしたい?」
「あー私はノータッチで」
東風は引きこもりだしな。
「俺もアイツの関係者とは関わり合いにはなりたくはない。けど、状態異常からは解放してやりたいとも思う」
「東風はどうだ?」
「いんじゃない?そのままだと何されるかわかんないし」
だよな、なんか命令されてるみたいだしな。
その命令の内容も確認したいところだけどな。
「とりあえず様子見るしかないか。東風の結果待ちと、理織たちは向こうから接触されない限り関わるな。もし接触してきたら、誰かにテレパ繋げ。いいな?」
「「「わかった」」」
「理理、状態異常ならお前治せるよな?」
「聞いたことない異常だけど、たぶんなんとかなると思う」
理理は、ギフト3つ持ってるしな。
「もしもの時は頼むな」
「理、状態異常無効の魔導具あったよな?思考停止にも使えるようにしとけ」
「ちょっ、思考停止がどんな異常か確認しないと無理ですよ、理芳さん」
そうなのか?
なんとかしろ?
「理人、エリクサーは状態異常には効かないのか?」
「ごめん、わかんない」
「とりあえず解析しとけ」
ムチャブリーって叫んでるけど聞こえないぞ。
「とにかく色々頼んだ」
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トーヤのテンションがあがります(笑)




