新宿ダンジョン25階層〜虹樹
リアクション1,900突破です。
ありがとうございますm(_ _)m
嬉しいです(^o^)
新宿ダンジョンは階層を進むにつれ、段々広くなっている。
さすがに大規模ダンジョンだな。
神凪ダンジョンみたいに、1発でマップ作成はできないらしい。
転移装置と下への階段がだいたい反対側にあるのもどうにかならないか?
転移装置への登録は必須だし。
初回は階段降りないと下の階層にいけないし。
しかも25階層に着いたら湿地帯だしよぉー。
自転車乗って進めねぇーじゃん。
「ハナヒメ、ホントにここのボスだったのか?」
こんなジメジメなところにフェニックス?
ありえなくないか?
「妾がボスの時は火山地帯だったぇ?」
火山地帯?
「あーボスが変わったから環境も変わったのか?」
「たぶん、そうだぇ」
しかし、ハナヒメと契約した19階層から25階層に来るまでに1年近くかかったな。
転移装置で移動してた割には、進みが遅かったかもな。
ヤミー用の肉狩ったりしてたしなぁ。
ほとんどはティールブルーの家畜化した魔物で足りてるんだけど、たまに期間限定とかで新宿ダンジョンの魔物を提供したりするんだよ。
そうすると、俺たちがここに狩りに来るしかないわけだ。
神凪には新宿ダンジョンに潜ってるヤツは俺たち以外にいないんだよ。
で、今日は久々に純粋に攻略のみで潜っている。
ヤミーの狩りのノルマはない。
いいね。
自由に動こうぜ?
「光理、転移装置はどっちかわかるか?」
「まだマップに表示されてない」
「マジかー、この辺に魔物は?」
「ビッグフロッグ、ポイズンフロッグ、クロコダイル、マーシュスパイダー、スカイホーク、キングフィッシャーがこの辺にいる」
色々いやがるな。
「カエルとワニとクモとタカとなんだ?」
「カワセミの魔物」
「鳥系の魔物もいるとなると、スケボー型の飛翔魔導具で飛んでいくのも危ないかしらね?」
お袋はもっともなことを言う。
「標的になりそうだな」
「ヒカリ、千里眼つかうだぇ?」
「あっ、そうか。ハナヒメありがと」
「光理、千里眼?」
「そう、50キロ先くらいまで見えるんだよ。これで階段が探せれば、転移装置は逆方向じゃない?」
ドヤってるけど、ホントにそうか?
「いや待て、ここ25階層だから、ボス倒さないと出ないんじゃないか?」
20階層とかもボス倒してからじゃなかったか?
「あっ、そうかも?」
だろ?
「なら、ボス倒さないと現れないんじゃないか?転移装置も階段もボス部屋の奥なんじゃないのか?」
たぶん琉樹の意見が正解なんだろう。
「ボス部屋って探せるのか?」
出来るのか?
「魔力の大きいところ探せばいけるかも?」
光理は、全方向にぐるっと視線を向ける。
目が光っててちょっと怖いぞ?
「あっ、いたかも」
「いたってボスがか?ボス部屋じゃなくて?」
「うん、でもなんか変かも?」
光理が首を傾げてる。
「何がだ?ボスはなんだ?」
「ボスはたぶん、デッカイ蜘蛛で上半身女の人が乗ってる感じ?の魔物」
「…アラクネか!?」
「アラクネって言うの?」
アラクネかよ、めっちゃ糸を操るんじゃなかったか?
罠だらけなんじゃねぇの?
「光理?で何が変なの?」
お袋が疑問を投げかける。
「そのアラクネ?の前に人が5人くらいいる」
「戦闘中か?」
「違うと思う。アラクネに背を向けてる。守ってる?」
「アラクネをか!?」
「そういうふうに見える」
「千里眼で見たものスクショできるか?」
光理は頷いて、俺たちにスクショを見せる。
「コイツらって行方不明になってるやつらじゃねぇか?」
琉樹が反応する。
「知ってんのか?」
「兄貴知らない?たぶんこいつら荒神ってパーティだ。1ヶ月くらい前に戻って来なくて行方不明扱いになってる奴らだと思う」
それがなんだって、アラクネの前に?
「虹兄さん、アラクネからあの人たちに魔力延びて繋がってるみたい」
はぁ!?
「操られてんのか?」
おいちょっと待てよ?
「そいつら生きてんの…か?」
操られてんなら、解放しないとダメだろ!?
その魔力断ち切ったら死ぬとかじゃねぇよな?
「助けにいかねばならんな」
親父が珍しく決断の言葉を発する。
いつも無口過ぎんだよ。
「そうね、蜘蛛は殲滅しないとね?」
あっ、お袋蜘蛛きらいだったな。
とりあえず、外に連絡しとくか。
便利だよな、この魔導具のテレパ。
ダンジョン内はスマホとか使えないしな。
テレパで、俺は理人を呼び出す。
『理人、聞こえるか?』
『どうしたの?虹樹兄ちゃん』
『今、新宿ダンジョンの25階層で行方不明のパーティ荒神を発見した。が、どうもボスモンスターに操られてるっぽいんだ。魔力で繋がれてる。その魔力の糸を切った時にどうなるかわからねぇ。今の時点で生きてるかも不明だ』
『えっ!?マジで?切った時点で生きてればエリクサーでなんとかならないかな?』
『エリクサー一本しかねぇ』
『複写できない?』
『あっそうか、そうだな。もしエリクサーでもダメなら理理にお願いするかもしれない』
『わかった。俺もリノとギルドで待機しておく。何かあったらまた連絡して。ギルマスに荒神のこと伝えとく』
『頼んだ』
「理人に荒神のことギルマスに伝えてもらうように頼んだ」
「なら、アラクネ倒して、荒神助けましょうね」
お袋のりが軽いんだよ。
「光理、複写スキルあったか?」
「あるよ?」
「悪いけど、エリクサー複写しといてくれ。アイツら生きてればエリクサーでなんとかなんだろ」
生きてればな。
「でも…」
言いたいことはわかる。
が、生きてるとおもわねぇとやってらんねぇだろ?
「頼む」
「…わかった」
俺は光理にエリクサーを渡しておく。
「さてと、アラクネはここからどのくらい先にいる?」
「15キロくらい、あっちの方向」
光理が11時の方向を示した。
「スケボー型の魔導具で行くのが早いんだがな」
「標的になるって言ってなかった?」
「あっ、コレ結界ついてるの忘れてた」
はぁ!?
「結界ついてる!?」
「理織が言ってたの思い出した」
琉樹もっと早く思い出せよ。
ってか、理織はまたやらかしてんのか!?
「よし、なら行くぞ」
それぞれにスケボー取り出して乗る。
みんな練習したんだぜ?
特にお袋と光理がな。
アラクネから少し離れたところでもわかるくらいの魔力が充満している。
「光理、アイツら鑑定できるか?」
「待って、見てみる。…生きてはいるみたい。状態異常 マリオネットになってる」
案の定操られてるってことだな。
「あの魔力の糸見たいの切るだけで、解放できんのか?」
琉樹の言う通りなら、簡単だけどそうはいかないだろうな。
「待て、あの繋がってる魔力の糸の他にも背中側で何か繋がってるっぽい」
俺の魔力視がなんか捉えてる。
あれはなんだ?
ちっさいクモか!?
「光理、アイツらの背中に小さいクモいねぇか?鑑定できるか?」
「えっ?背中?あっ、マリオネットスパイダーだって、操ってるのアラクネじゃなくて、あの小さいやつみたい」
マジかよ。
「鑑定で倒し方とか弱点とかわかるか?」
「ごめん、そこまではわかんない」
なら、わかりそうなのに聞くしかねぇな。
『理織、聞こえるか?』
『どうしたの?こうにい』
『マリオネットスパイダーの倒し方わかるか?』
『マリオネットスパイダー?えっ!?マリオネットスパイダー!?誰かに寄生してる?何匹?』
『行方不明になってる探索者パーティが操られてる。たぶん5匹』
『近くにアラクネいる?』
『いるぞ』
『あーじゃあ、アラクネとマリオネットスパイダー同時に倒さないとダメ』
『マジか…方法はあるか?』
『アラクネとマリオネットスパイダーまとめて凍らせるのがいいんだけど、出来る?』
『探索者パーティも凍らないか?』
『凍った魔力の糸を壊しちゃえば、探索者の人だけ解凍しても問題ないけど』
『解凍なんてどーやんだよ』
無茶言うなよ。
『じゃあ、ひかねえの結界で探索者囲うのとアラクネとマリオネットスパイダー凍らすの同時にできる?』
『ダメだったらどうなる?』
『…1発で決めて?』
おーい、マジかよ。
『ちょっと相談する。ありがとな』
『はいです。ガンバって!』
「理織が、アラクネとマリオネットスパイダー同時に倒さないとダメだって言ってる」
「マジで!?」
琉樹も驚いた。
「マジで、同時に凍らせるのがいいって」
「凍らせる!?」
俺らに氷魔法使えるのいたか?そういえば…
「凍ったら魔力の糸を壊しちゃえばいいって、で解凍できるなら、探索者ごと凍らせるのもありらしいぞ。できないなら光理の結界で探索者囲うのと同時に凍らせろってさ」
「できるのか?そんなこと」
「解凍?お湯かければいいのかしらね?それとも火であぶるのかしら?」
どっちも火傷案件じゃねぇかよ。
エリクサー間に合えば治るだろうけど。
「光理は結界いけそうか?」
「難しいこと言わないでよ、背中のクモは結界の外ってことでしょ!?どうやってやるのよ」
だよなぁ。
『こうにい!』
『理織か?なんか良い案でもあるか?』
『ネムネムのポーション持ってない?複写してアラクネとマリオネットスパイダーに同時にかけたら、寝るから倒せると思う。探索者にかかっても寝るだけだから害はないと思う』
『わかった、サンキュー』
「理織からネムネムポーション使えって」
「あっ、熟睡しちゃうアレか!」
「それなら、探索者にかかっても問題ないだろうって」
「寝るだけだもんな」
「よし!それで行こうぜ!」
ネムネムポーションをMAX複写する。
余ったらインベントリに入れとけば良い。
みんなに10本くらいずつ渡しておく。
あとはもう少し近づいて、ポーション投げまくるだけだ。
それでアラクネとマリオネットスパイダーが眠れば魔力の糸をぶった斬ればいい。
俺と琉樹以外はこっそりとアラクネ達のサイドに移動し、俺と琉樹でアラクネ達の気を引く。
1発目は、光理の結界で作ったボールの中にネムネムポーションを5本分入れて、アラクネ達の上空に飛ばした。
それで光理が結界を解くと、ネムネムポーションが奴らに降り注いだ。
これだけでは、やはり眠らないようだ。
俺たちは、続けてポーションを投げつけた。
何本投げたのか、突然アラクネがズシーンとすごい音を立てて倒れた。
たぶんマリオネットスパイダーも寝ているはずだ。
「光理、アラクネとマリオネットスパイダーの状態は?」
「熟睡になった」
「よっしゃ、魔力の糸切るぞ、アイツらの状態は?」
「まだマリオネット状態」
「切ったら、再度鑑定してくれ。エリクサー飲ませるぞ」
親父とお袋はいつの間にかアラクネを倒しに行っている。
ずりぃな、おい。
琉樹が、マリオネットスパイダーを潰して回ってる。
俺にもやらせろっつうの。
もう全部潰した!?
だーもういいっ。
俺は荒神にエリクサーを飲ませて回った。
「餓死寸前と衰弱と熟睡にかわったよ」
「よし、これでつれて帰ればいいな」
アラクネの討伐も終わったようで、転移装置の部屋が現れた。
アラクネとマリオネットスパイダーからドロップした魔石と最高級品の蜘蛛の糸、スパイダーシルクをインベントリに放り込み、転移装置に登録してから、荒神を担いで1階層へと戻った。
人を担いでても転移できるのか?
コイツらも登録してあったのか?
よくわかんねぇけど、戻ってきた。
飛ぶ前に理人に今から1階層戻る連絡を入れておいたから、ギルマスとかもいんだろ。
荒神は、治癒室に運ばれて行ったし、大丈夫だろ?
ギルマスには、25階層のボスモンスターのレコーディングを見せたし、もう俺ら帰っていいよな?
『理人もありがとな』
『虹樹兄ちゃん、もしリオにヘルプ出してたらケーキ買ってあげてね?リノも治癒室で待機してたからね?よろしく』
あーそうだった。
がっつり理織に世話になってるじゃねぇかよ。
『りょーかいだ。ケーキな!理理もケーキでいいか?理人は日本酒か?』
『クボタが希望』
あははは、美味いよな。
さてと、理織と理理のケーキ買って、理人の日本酒買ってから帰ろうぜ。
あー疲れたな、なんか。
後日、ギルマスに呼ばれていくと、復活した荒神の面々に盛大にお礼を言われ、エリクサーと助けてもらった代金を払うと言われて困ったのはまた別の話だ。
エリクサーっていくらなんだよ?
お読みいただきありがとうございます!
もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m
トーヤのテンションがあがります(笑)




