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神凪ダンジョンへ行こう!

「ママ、神凪ダンジョンみんなで行きたいけど、6人だけでいっていいの?」

ギルドで登録を済ませたから、やっとダンジョンに行けることになったわ。

けど、子供だけでいいのかしら?

「あら、ダメよ。誰か大人の付き添い必要よ」

案の定そんな返事が返された。

だよね。

「誰か行ってくれる人いる?」

「そうねぇ、とりあえず理人に聞いてみましょうか」

いつも理人駆り出されるけど、ポーション作り大丈夫なのかしら?

連理はスマホで、理人に連絡している。

「わかったわ、じゃあお願い」

そんな言葉だけが聞こえたけど、どうなった?

「ママ?」

「理人、今理音と一緒にいるから2人で付き添ってくれるって、よかったわね」

「ホント!?ならみんなに声かけてくる!」

「いってらっしゃい、気をつけるのよー」

「わかったー」

私は、ちょいちょいっと転移で飛んで、みんなに集合をかけた。

なんかもっと簡単な連絡方法ないかしらね?

スマホはさすがに持たせてもらえないしね。

『アレド?なんか連絡方法ない?』

『そうですね、念話はどのくらいの距離届くんでしたか?』

『どうだろう?気にしたことなかった。基本アレドとティルくらいだけだし、念話するの』

『ですよね。スマホみたいな魔導具はどうでしょう?6人だけ繋がるようなものは?』

『なるほど、考えてみよう。でも今はダンジョンよ!』

『やっとですね、5年待ちましたものね』

『楽しみーー』


神凪ダンジョン入り口の蔵まで行くと、理人と理音が待っていた。

「りひにい、りおにい。ありがと」

「みんなは?」

「もうくると思う」

「おーきたきた」

「「「「「こんにちわ!」」」」」

「はい、こんにちは」

「元気だな、初ダンジョンだもんな?」

「はい!」

ワクワクしてるね。楽しそうでなによりだけど。

「ちょっと説明するぞ?」

みんなで、はいって返事する。

「10歳になるまでは1階層にしか入ることができないのは聞いたか?」

「登録したとき聞いたよー」

輝理がそう言って頷く。

「だいたいGランクの魔物のいる階層では、薬草の採取や鉱物の採掘、スライムの討伐がほとんどだ。神凪ダンジョンの1階層はそんな感じだ」

「で、ダンジョンに入る前に確認するぞ。秋は魔法剣士、嵐は格闘家、蘭はパティシエ、輝理と煌理が魔術師、理織が魔導錬金術師だな?」

みんなが頷く。

「この間、スライム倒した時は、秋と嵐が木刀で双子と蘭が魔法で倒したんだったな?」

またみんなが頷く。

「今回は、魔法はなしにする。狭いところで魔法使って誰かを怪我させたら困るからな」

そうよね、慣れないうちはやめた方がいい。

「でもそしたらどうやって倒すの?」

蘭が不安そうにしている。

非戦闘職だからねぇ。

「今日は、これを使う」

理音が取り出したのは、長さ10センチくらいの金属の筒?

なにそれ?

「りおんちゃん、それなぁに?」

煌理のおっとりした声が響く。

りおんちゃんって呼んでるの?

「これは、警棒というんだ。ここをひっぱれば伸びるぞ」

おー!って男子が盛り上がってる。

嬉しいのか?

カッコいいのか、そうなのか。

「これは理さんからのプレゼントだな。危なくない武器作って渡してくれって」

「危なくない武器ってなんだよ?ってとりあえず父さんに突っ込んどくかな」

だよね。

「剣とか刀みたいに刃のないものを考えてこれにした」

「これで、スライム倒せる?」

嵐の質問に、理音が爆弾発言を落とした。

「余裕だろ!アダマンタイト製だし」

「はぁ!?アダマンタイトだぁ?理音お前何を考えてんだ!」

「だから理さんだって、理人の親父さんからアダマンタイト渡されたの」

理よ。

8歳児にアダマンタイトって…

攻略組トップだって持ってないんじゃないの?

「あのバカ父さんめ。母さんにチクってやる」

あー、理ご愁傷様。

「えーと?りひにい?これはもらっていいのかな?」

苦々しい顔してるけど、理人は頷いた。

理音がひとりひとりに渡してくれる。

そこそこ重さあるね。

「それぞれ魔力流して、登録してくれ。それで他の人が使えなくなるから」

言われた通りに魔力を流す。

あれ?軽くなった?気のせい?

「りおんちゃん、かるくなったー」

輝理がそう言った。

やっぱり軽くなったよね?

そして輝理もりおんちゃんなんだね。

「おっ?気づいた?チビっ子には重いと思って軽量化付与しといた」

確かにあのままずっと持ってるのはツラかったかもね。

シュウと嵐は、警棒を振ってみている。

毎日素振りしてるだけはあるね。

いい音してる。

「それからもうひとつ、採取用のナイフも渡すぞ。これも魔力を流してくれ。そしたら自分を傷つけることはなくなるから、でも自分以外は傷つくからな。気をつけろよ」

はーい!ってみんなで良いお返事したよ。


「この間、入り口から少しのところはみんなではいったよな?」

「スライムたおしたぞ!」

嵐のドヤ顔にちょっと笑う。

理人が、そうだな、一撃だったなと肯定していた。

確かに木刀で一撃だったね、シュウもだけど。

「今日はとりあえず薬草採取をメインに1階層歩いてみるぞ」

「はーい!」

「鑑定持ってる人は?」

私だけ手をあげる。

あれ?みんな持ってないの?

「持ってないならちょうどいいな、理人が薬草の特徴を説明しながら教えてくれるぞ」

「俺かよっ」

理音、丸投げ?

「理織は、みんなの後ろをついて回れ」

「はいです」


『アレド、片っ端から鑑定しまくろうかと思うんだけど』

『いいのではないですか?面白いもの見つけてください』

面白いものって…?

『ここ、1階層よ?みんな通るんだから今更面白いものなんてないんじゃない?』

『むしろ1階層だから、みんな通り過ぎてるのでは?たぶん理人様がマップ作るのに1番詳しくみてるとは思いますが、他の人はスルーしてるのでは?』

あー、それはありえるかも。

『じゃあ、私もマップ起動して何かさがしてみようかしらね』


自動マップ作成起動。


『あっ、1階層のマップ出来あがっちゃったわ』

『ホントですね』

『アレドも確認してくれる?』

『承知しました』

薬草は全部が緑色なのよね。

種類別にマークだけでも変わらないかしら?

『リオール様、何やりました?』

『何が?』

『表示がいきなり変わりましたよ?』

えっ!?ホントだ。

『薬草ひとまとめだったから、種類別にならないかなーって思っただけなんだけど?』

まさか、そんな融通がきくとは!

それなら、マークと薬草名を表にしてくれないかしら?

『出来た!』

『リオール様自由すぎません?』

『私なの?マップが融通きかせてくれてるだけなんじゃないの?』

『リオール様のスキルですよ?』

うーん?そうなの?

スキルって誰でも同じ仕様じゃないの?

あっ、鑑定とか違うわね。

『もしかして、魔物も分類出来るんじゃないかしら?』

『出来ましたね。あっシードスライムいますよ?』

えっ!?どこ!?

『シードスライムって確か、取り込んだもののタネ作ってくれるんだったかしら?』

『そうです、捕まえましょう!確かポーションのタネとかも作りましたよね?』

あー作ったかも!?

『だからあんなにポーションあったのかしら?』

『そうですね、すっかり忘れていました。保管箱なのに思い出さないとは…』

『そうゆうこともあるわよ』

私はしょっちゅうよ。

『とりあえず理人様に話しましょう』


「りひにいー、面白いもの見つけたー捕獲したい」

理人が先頭で振り向いた。

って言うか、みんな振り向いたわね。

「何見つけたって?」

「シードスライム見つけた」

「なんだその、シードスライム?って?」

しらないか…

「えーとね、取り込んだもののタネを作ってくれるスライム」

「取り込んだもの?」

「たとえば、薬草取り込んだら、薬草のタネを作ってくれる。面白いのがポーションを取り込んだらポーションのタネを作ってくれるの」

「はっ!?マジで?」

「うん、りおのインベントリのポーションはシードスライムのタネから出来たポーションだったのを思い出した」

すっかり忘れてたよね、なんであんなにポーションあるのかと思ってたわー。

錬金した記憶もなかったしねぇ。

「もしかして、エリクサーとか毛生え薬とかもタネできちゃうのか?」

気づいちゃった?

「たぶん出来る。シードスライムと契約して魔力あげてスライムのレベル上げてあげたら、作れるようになると思う」

「そんな面白いスライムいるのか、捕獲したいけど、初ダンジョン組連れてるしな。後日にするか」

「「「えぇー!?そのスライム見たい見たい見たい!!!!」」」

理人と理音は顔を見合わせて、ため息をついた。

「リオ、シードスライムは近くにいるのか?」

マップのスクショを撮って、この辺とマップを示す。

「あ?なんでリオのマップと俺のマップは表示が違うんだ?」

「種類別にならないかなと思ったらマーク分けされた」

「マジかよ!?マジだ!!」

さっそくやってみたようだ。

「ここからだと30分くらい歩くことになるぞ?行くのか?」

ちょっとみんな迷ってる。

往復1時間とかになっちゃうものね。

「捕獲したら見せるから、りおにいとここで採取してるか、先に帰っててもいいよ?りおはりひにいと行ってくるから」

私と理人だけなら、理人連れて転移出来る。

チビっ子にはまだ転移のスキルは伝えていない。

どこに飛んだかわからなくなったら嫌だし。

「俺も行きたいけど、役に立たなそうだから理音さんとこっちにいる」

シュウがそう言うと、他のみんなもそれに従った。

シュウがリーダーかな?

「じゃあ、理音。みんなのこと頼むな」

「りょーかいだよ。入り口付近にいるよ。じゃあみんな、少し移動しようか」

はーい!って返事と重なって、

「リオリ、気をつけろよ?」

シュウの声が聞こえた。

「わかったー」

私は頷いて、手を振った。

シュウは、手を振り返してみんなのところへ戻っていった。

みんなが、見えなくなったところで、

「りひにい、転移で行こう」

「リオ、自由に転移出来るのか?」

頷くと、苦笑った理人に

「俺も連れて行けるのか?」

「うん、手繋いで?」

手を伸ばすと繋いでくれたので、シードスライムのところへ転移した。

相変わらず変な色のスライムね。

「これか?」

頷くと、

「何色って言えばいいのか、透き通った木目?」

「理人様、的確な例えですね」

「アレドか、なんとも言えない微妙なスライムだなぁ」

ねっ?

「どうやって捕獲するんだ?」

「契約?」

「あー契約するって言ってたな、リオするか?」

「りひにいお願い」

俺かよって言いながら、スライムに魔力送ってる。

契約ってそれでいいんだっけ?

私、意思のある子としか契約したことないんじゃない?

そんなこと思ってたら、シードスライムが光った。

契約出来たらしい。

「1種類のタネしかできないのか?」

「どうだったかな?アレドわかる?」

「色々作れるはずですが…アナさんの鑑定にはどう出てますか?」

「薬草以外ざっくりしか表示されないので、シードスライム、取り込んだもののタネを作るとしかわからないのです」

マジで?

「りひにい、ほんとにポーション特化なんだね」

「だなぁ」

理人も苦笑いだわ。

「他にシードスライムいないみたいだし、転移で戻る?」

「だな、あとはみんなで1階の転移装置登録して帰ろうか」

「そーだねー、みんなから少し離れたところに飛ぶね」

理人と手を繋いで、入り口付近に飛んだ。

みんなに、変な色と言われたシードスライムがちょっと可哀想になった。

あっ、全然採取してないし、スライムも倒してないなぁ。

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