神凪一族緊急招集11〜理結
はっ！？
また理織かっ！！！
この間エリクサーの素材とか転生者とか大賢者とかダンジョンリオランドとかで、俺たちの度肝を抜いたのに、またなんかあんのか！？
大量の各種ポーションがある？
でも理人の作ったポーションの方が性能は上？
あぁ、聖水使ってない？魔力水で作ってあると。
なるほど？
で、理人がこれを研究してる最中だと？
それは期待しようじゃないか。
この廉価版ポーションどうするかって？
各１万本くらいずつあるだと？
俺は思わず、理織の頭を鷲掴みにするところだったぞ。
危ない危ない。
低ランカー用にするか？
化粧水もある？
これもティルイーリオの方が上だと？
世界樹も聖水も精霊がかかわっていないと？
なるほど？
えっ？低価格版として、今は高くて買えない人に売れると思う？
あーそういうこと？
でも、なくなったら終わりになるんじゃないの？
限定で出すか、売れ具合みて複写する？
なるほど。
ティルイーリオ本来の化粧水に影響ない程度にやりますかね。
「で、理人？これってどういうことよ？」
「毛生え薬と減量ポーション？」
そうじゃねぇよっ。
「この写真マジか！？」
毛生え薬と一緒に置かれた2枚の写真を指す。
「あーうん。俺の友達なんだけど、病気で髪抜け落ちちゃってさ、病気自体はエリクサーで治ったんだけど髪だけは生えてこなくてさ。実験で使ってもらったら、この通り」
マジかよー。
「てか、ちょっと待て！エリクサー使ったのか？」
「ダメだった？余命1ヶ月って言われてたから、友達もダメ元で飲んだんだ。そしたら完全に治ったよ。髪の毛以外は」
「で、毛生え薬も試してみたと？」
「そう」
この効果なら間違いなく争奪戦になっちゃうだろう！？
「これ作れるのか？」
「むりー」
理織が首を横に振る。
「なんでだ？」
「素材ない」
ドラゴンのウロコは出てくるのに？
それよりも貴重な素材なのか？
「その素材はなんだ？」
「んー？増殖スライムの核」
はっ！？
「スライム！？」
「そだよ？」
スライムがドラゴンのウロコより貴重なのか？
えっ！？マジで？ウソだろ？
「ダンジョンのオプションにもないのか？」
「？」
なんでクビ傾げてんだ？
「ダンジョンで魔物召喚できるんだろ？その増殖スライム？は配置できねぇの？」
「あー？確認してなかった。けど、いたとしても1匹ずつ隔離して管理しないと大惨事になるからあまりやりたくない」
「どういうことだ？」
すげぇ、嫌そうな顔してるけど。
「増殖スライムは自分に取り込んだものをどんどん増やすスライムなの。だから増殖スライムが増殖スライムを取り込んだらどんどん増えていく。魔力の実の魔力みたい、いやもっとな感じで？」
マジかよ。
それは嫌なことを聞いちゃった感がすごいな。
別の方法ないのか？
「じゃあ、理織の魔法で増殖スライムの核だけ作れないのか？それか同じ効果の実とか？タネとか？」
すごいビックリした顔してるぞ？
「思いつきもしなかった！」
ってか、考えることすらしてないだろ？
毛生え薬とか絶対興味ないだろ？
「ちょっと考えてみてくれ」
「わかったー、ついでに減量ポーションの素材も考えるー」
「こっちも素材ないのか？」
「ないー、脂溶の実と脂肪吸収スライムの核」
またスライムかよっ。
ってか、そんなスライムいるのかよ。
「それも考えてくれ。どっちも売れるヤツだから」
「こんなの売れるのー？」
うわっ、理織1000％くらい興味ないな、こりゃ。
「売れるわ、バカ売れだ。1人ひとつとかの制限付きになるくらいに売れる」
「あー理結兄、毛生え薬はティルイーリオじゃなくて、ギィルシューリオってブランド名で出すらしい。ティルイーリオのショップにおっちゃん入るのはハードル高すぎる」
確かに、それはムリだわ。
別にショップが必要だな。
「ギィルシューリオ？連理さん命名かな？」
「あら、どうしてわかったのかしら？」
わからいでかっ。
「ティルイーリオも連理さんって聞いてたし」
「まぁそうよね？」
「とりあえず理織は、タネか実かつくってくれよ？それに売り上げかかってるぞ」
えええぇぇ！？
って不満そうな声出してるんじゃないよ。
ちゃんとスイーツは用意するから。
あぁそう、なら頑張ってくれるのかよっ。
ドカンとお取り寄せしてやるよ。
任せとけ。
あれ？他の人は？
えっ！？とっくに解散した？
俺案件だから、みんな引き上げただと！？
ひどくねぇか？
親父もいなくなってるってどうなのよ？
神凪コーポレーション化粧品部門、別ブランド立ち上げだぞ？
ギィルシューリオで忙しくさせてやるからな！
ホント理織頼むよ。
