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大賢者リオールは楽しみたい!  作者: トーヤ


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クソ虫がわいてきた〜麗

果梨(かりん)のメディアへの露出が増えてきた。

ティルイーリオの動画がかなりの反響だ。

若い子はバズってる!って言うんだったかしら?


まぁ、それはいいわ。


とりあえずすごい話題になってるってことよ。


「社長、アポ無しで予想の人物がやってきました」

「ありがとう。果梨には事務所に来ない様に伝えて」

「承知しました」

「お願いね」


そろそろだとは思ってたのよ。

果梨の前に所属していた芸能事務所の社長が乗り込んでくるだろうことは。


こちらはすべて瑕疵がないように対応済みだ。

あちらが何を言ってこようと関係ない。

うちに正当性はある。


ただこの社長、クソなので何があるかわからない。

理芳(りおう)に護衛を飛ばしてもらおう。

お願いして、すぐに護衛2人が転移で現れた。

こんなことは、予想済みで打ち合わせ済みよ。

レコーディング開始。



バンっと事務所のドアが開けられて、(くだん)の社長が乗り込んできた。


「なんですか?あなたは。どちら様?不法侵入で警察呼びますよ?」

「うるさい、この泥棒がっ!!」


泥棒ときましたか。


「はっ?なんのお話でしょうか?そもそもあなたどちら様ですか?いきなり人の事務所に来て、あげく泥棒と?名誉毀損で訴えますよ?」


さっきから何度も聞けばいいのかしらね?


「泥棒に泥棒と言って何が悪いんだ」


あれ?こいつクソじゃなくてバカなのかしら?


「私を泥棒とおっしゃるからには、私が何かを盗ったと?」

「うちのタレントだ」


まぁよくもぬけぬけとっ。


「タレントですか?」

「そうだ、この仁科(にしな)果梨(かりん)はうちのタレントだ」


事務所に飾ってある果梨のパネルポスターを指差している。


「さっきからうちのタレントって言ってますけど、あなたはどちら様なんですかね?」


一回も名乗ってないですよ?クソ社長?


「俺を知らんのか!」


なんで、誰もがあんたみたいなおっさんを知ってるのが当然みたいな顔してんのよ?


「知りませんけど?どちら様なんでしょうか?」

「…大河原プロダクションの社長の大河原(おおかわら)だ」


やっと名乗りやがりましたね。


「あーあの」


クソ事務所のと口から出したかったわ。

堪えた、堪えたわよ。

褒めて欲しいわ。


「わかったか、だったらさっさとうちのタレントを返せ。弱小事務所はこれだから」

「確かにうちには3人しかタレントいないですから弱小と言われれば、まぁそうですねとしかいえないですけどね?」


3人のために立ち上げた事務所ですからね?


「わかってるなら、さっさと仁科果梨を返してもらおうか」


ダンっと、足で床を踏む。

床抜けたらどうしてくれるんですかね?


「そう言われましても、うちのタレントに仁科果梨という子はいないので返せないのですが」


えぇ、仁科果梨はいませんよ?


「そんなわけないだろ!この流れてる動画の女が仁科果梨だ」

「違いますよ?別の子とお間違えでは?」

「そんなはずはない!」

「そう言われましても、この子神凪果梨と言うのですけど?」


結婚してますからねぇ。


「何?」

「あなたがお探しなのは仁科果梨さんなのでしょう?うちの子は神凪果梨なので別人でしょう?もうよろしいですか?忙しいのでお帰りいただけますか?」


出口を示してあげる。


「ふざけるなっっっ」


血管切れますよ?

そんなに顔真っ赤にして怒ったりしたら。

頭から湯気出そうね?

まぁそうよね。

これで納得するくらいなら、最初から乗り込んでなんて来ないわよね。


「ふざけてなどいませんが?」


ふざけてるのは、自分だと気づけよ?


「さっさと仁科果梨を返さなければ、こんな弱小事務所なんか仕事できない様にしてやるからな」

「脅しですか?」


そんな脅し効くわけないじゃない?


「ふんっ、強がってられるのも今のうちだからなっ、おぼえとけよっ」

「そちら様も覚えておいてくださいね」


あーやっと帰った。

本当にムカつくおっさんね。

2度と顔も見たくないわね。


塩まいてやろうかしら!?



それからしばらく、大河原プロダクションからの嫌がらせが続き、その証拠も着々と集めて、こちらに好意的なメディア関係者にこんな嫌がらせを受けてると愚痴る。


瞬く間に拡散される。


それと並行して、警察へ恐喝や嫌がらせの相談に向かい被害届をだす。

その際、レコーディング映像や、果梨が残していたボイスレコーダーも提出。


それには枕営業の強要、断ったら出来損ないだのデカい胸しか取り柄がないだの、それで仕事とってこいだの聞くに耐えない暴言の数々。

そんなことも出来ないならクビだ!と一喝され、果梨は了承し退所の手続きを行なったところまでちゃんとボイスレコーダーには残っていた。


よく録音していた。偉いぞ、果梨。


動いてくれた警察が叩けば叩いただけ埃が出まくり、タレントからの内部告発もありクソ社長大河原は逮捕された。


大河原プロダクションはキレイに跡形もなく消滅した。

悪いことはしちゃダメよね。



余談ではあるけれど、果梨と同じ様な目に遭っていた子をうちの事務所で何人か引き取った。

あっマネージャーの子もね。

渡りに船でしょ?


もちろん理結(りゆう)の鑑定と真偽をクリアした子だけだけれど。

やりたい希望の仕事を楽しんでやってもらえたらいいと思うのよ。


それが1番でしょ?

やりたくないことはやらなくていい。


そんな事務所を目指していこうかな。

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