秘密1〜笑理
その日、私は今まで見たことのないステータスを目の当たりにした。
名前の後ろにカッコ書きで別の名前が表示されていたのだ。
しかもカッコ書きは封印されてるみたい。
これってどうゆうことなの?
もしかして、アニメやライトノベルで今流行りの転生者?
そんなことがありえるの?
封印状態ってことは、本人は前世を自覚してない場合もあるってことよね?
本人には、ステータス見えていない可能性もある?
とりあえず、連理さんたちには、伝えておかないとダメよね。
「理織のステータスどうだったかしら?」
今日3歳になって初めてのダンジョンで職業とギフトがもらえて、ステータスが表示されるようになる。
気になるよね。
一応本人からは職業とギフトの申告はあったから、わかってはいるけれど。
「そのことでお話があります」
そう言うと、連理さんが何かを察した様だった。
「ステータスに何かあったのね?」
私は頷いて、ひとつ深呼吸をしてから告げた。
「理織ちゃん、転生者のようなのです」
「はっ!?」
理人が、目も口も大きくあけて、固まってしまった。
「転生…者?」
連理さんも、うまく言葉が出てこないみたい。
「はい」
「なぜ、そう思ったのかな?」
理さんも困惑って顔をしてる。
それはそうよね。
いきなりそんなこと言われたら…
「名前の後にもうひとつ名前があったんです。神凪 理織(リオール ディレナ)と」
「えっ!?」
「ただカッコ書きは封印されてるみたいで、理織ちゃんが自覚しているかどうかは、わかりません。それと称号も封印されてましたが、【異世界フェリーラザからの転生者】とありました」
「えっ!?異世界?」
連理さん目がこぼれますよ。
「ホントに転生者なのかな?」
理さんしっかりして。
「でも、リオはリオでしょ?」
理哉はいい子ね。
「そ、うよね」
「転生者が前世の記憶あるとは限らないよね?」
理理がコテンと首を傾げる。
「記憶があっても、そのリオール?含めて理織なんだから、それがリオってことでいーだろ?うちの可愛い末姫にはかわりねぇよ」
理人カッコいいね。
「私の方でもたまにステータス確認して、変化があればお伝えしますね」
そう言ったら、全員からお願いします。と頭を下げられた。
えーーー?それはやめてくださいっ。
ある時、理織ちゃんのステータスに変化があった。
自覚してるんだね。
ものすごく隠蔽と偽装が施されたステータスになっていた。
って言うか、スキルの数多くない?
しかもレベル10のMAXまで取得してるの?それで、レベル2とかに偽装してるの?
でもその数のスキルは、3歳児は持ってないと思うよ?
あっ、よく見たら職業にもカッコ書きあるじゃないのよ。
大賢者?
リオールさん?は大賢者だったのかな?
あっ、スキルにも大賢者パックってまとめて封印されてるのがある。
多すぎて表示しきれてないの?
大賢者だからものすごくスキル持ってたのかも?
理織ちゃん、一生懸命隠そうとしてるけど私には見えちゃってるんだよ。
ごめんね。
自覚してることと、隠そうとしてることと、たくさんスキル持ってることは、連理さんたちには共有しちゃうから。
いつか隠さなくても良くなりますように。