カンナギエージェント〜麗
神凪コーポレーションの事業部門に新規に芸能部門が追加された。
芸能事務所としての登録は、カンナギエージェントにしたらしい。
そしてなぜか私、美凪 麗が社長らしい。
なんで!?
今、所属のタレントが女性しかいないから、社長も同性の方がいいだろうって、従兄の理芳に押し付けられた。
自分の妹が3人もいるのに、何で私?
って、優理も灯理も連理も向いてないわ。
社長とか致命的に向いてなかったわ。
優理は隠密特化の魔術師で暗殺者みたいな情報屋みたいなことをして楽しんでるし。
灯理は戦闘狂で脳筋の剣姫だし。
連理は面倒なことは理芳に丸投げが得意だしね。
知ってるわよ、ティルイーリオも丸投げしたらしいじゃない。
そんな妹たちには、任せられないのはわかる。
わかるけど、なんで私なのよ?
美凪は神凪の分家だし?
ステータス関係や魔導具関係ではかなりお世話になってるけど。
本当はわかってるわよ、私の職業がネゴシエーターでギフトが適性判定だからよね?
「人たらしのお前にしか頼めない」
って、理芳の言い方!
人たらしって聞こえ悪くない?
「わかったわよ、やるわよ。でも経理とか事務員は用意してよね?」
「了解した。まだ3人しかタレントいねぇけどな。あとで紹介するから」
「わかったわ」
で、紹介されてみたら、灯理の娘の双子の輝理と煌理と元グラビアアイドルの仁科果梨だった。
仁科果梨とは、どんな繋がりかと思えば理編の婚約者だそうだ。
小学校が同じだったらしい。
結婚式は来年なんだって。
果梨はグラビアアイドルはもうイヤとのこと。セクハラされたり、枕営業させられそうになったりで、もうこりごりだそうだ。
そんな目にあったなら、イヤにもなるわ。
元々やりたかったモデルがやりたいそうだ。
なるほど。
背も高いし映えるわね。
双子は、探索者の子供用装備のモデルをやるのがメインらしい。
紬の制作した装備ね。
ホントに何でもかんでも、一族で回そうとしてるわね。
「あれ?ちびっ子もう1人いたわよね?」
「「りおり?」」
そうそう、連理の娘。
「理織は、やらないの?」
「「めだつのやーって」」
「そうなのね」
子供なら喜んでやりそうなのにね?
まぁいいわ。
とりあえずこの3人とは、別に裏方が必要よね。
一族だけでなんて、芸能事務所はそうも言ってられないわね。
「メイクとかヘアメイクとか衣装担当とか探すところからかしらね。出来ればカメラマンとかも欲しいわね。人足りなすぎるわ」
うっかりぼやいたら、果梨が知り合いのメイクに声かけてみるって。
ティルイーリオを薦めてくれた人らしいから、引き抜けるかもね?
そこは私の交渉しだいね。
カンナギの専属になってもらわないとダメだしね、色々と。
神凪は秘密が多すぎるのよ。
「ヘアメイクとかは知り合いいるかしら?」
「私には当てがないです」
「そっか、こっちでも探してみるわ」
「人の採用は問題ないが、面接時には理結を同席させてくれ。鑑定もあるし、ギフトの真偽もある。どこかのスパイとかだと困るからな」
「あーそうゆう心配もあるのね。わかったわ。面接には理結にもお願いするわ」
「この2人紹介しとくぜ。書類仕事してくれる長沢 更紗と、経理仕事をしてくれる彩田アリスだ」
「長沢更紗です。よろしくお願いします」
「彩田アリスです。よろしくお願いします」
「カンナギエージェントの社長、美凪麗です。よろしくお願いしますね」
それぞれと握手を交わした。
適性判定は問題ないと感じている。
大丈夫そうだ。
「タレントはまだ3人、メイクやヘアメイク、衣装担当は探してる最中よ。これから少しずつ人が増えていくと思うから、頼りにしてるわよ」
「「はい!」」
若いっていいわね。20代真ん中から後半くらいかしらね?
私も魔力総量増やして、若さ保って頑張らないとね!