やっと19階層〜虹樹
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光理が理人からマップの範囲広げるためのスキルを教えてもらったとかで、理織にお願いして探知、探索、感覚鋭敏のスキルオーブを作ってもらったんだそうだ。
それをレベルMAXにしたら、半径10キロまでマップ作成の範囲広がったらしい。
半径10キロって、すごくないか?
で、昨日18階層の転移装置を見つけられたから、登録して今日は一気に18階層まで飛んできたのさ。
珍しく1階層の転移装置のところに、誰もいなかったんだよ。
いたら、15階層に飛んでから、ここに飛ぶ予定だったんだけど。
で、19階層への階段を捜索中。
主に光理が、マップで。
光理以外、そうゆう作業むいてねぇのよ、俺たち。
致命的に、脳筋の血筋だからなぁ。
自分で言ってても残念すぎるけどな。
「あっ、階段じゃなくて宝箱みつけたかも?」
「どっちだ?」
「左の道沿いの左に曲がる道の2キロくらい先かな?」
半径10キロでも、まだ階層の全体像が見えてこないってどんだけ広いんだよ?
「ダンジョンって、自転車とかバイクとかで移動できねぇのかな?」
あまりに広くて歩くのがちょっと面倒になってた俺は、ポロッと口走ってしまった。
一気にみんなが俺を振り返って、
「なんでもっと早く言わないんだ」
と、異口同音で叫ばれた。
えっ?俺のせいなの?
今日は帰って、移動手段調達するんだってさ。
18階層の転移装置から1階層まで一気に飛んだよ。
バイクは音がうるさいから、魔物を刺激する可能性と、免許なしがいたから却下となった。
で、自転車か電動自転車かでもめた。
結局、静音性の高い電動自転車で決定した。
各自インベントリに電動自転車を収納し、いざ18階層へ。
結局、全員インベントリ取得したんだよな。
すげぇ便利。
誰もいないことを確認してから、もちろん光理がマップでだけどな。
けど、ダンジョン内って電化製品?って使えるのか?
スマホとかムリだよな?
結果として電動としては機能しなかった。
その日は、しかたないからただの自転車として使ったさ。
電動自転車を走らせる。電動は機能してねぇけどな。
いやーそれでも、移動が楽チンだな、おい。
2キロ先の宝箱まで、10分とか15分くらいか?歩くと30分くらいか?
いーね、早く移動できるな。
これってマップ作成も時間短縮になるんじゃないか?
「宝箱その先左」
「了解」
「光理、行き止まりだ」
「ちょっと待って、鑑定するから…隠し部屋みたい、どこかに魔石みたいなものない?魔力流すと扉開くみたい」
「罠は?」
「鑑定には出てない」
どこだ?魔石?魔力視使ってみるか!
おっ?あれか?
「琉樹の右手の上あたりにあるやつじゃないか?」
「これか?」
「魔力流してみてくれ」
親父の言葉に琉樹が魔力を流すと、ゴゴゴゴと言って扉が開いた。
「入って大丈夫みたい」
光理が鑑定したようだ。
宝箱は…あれか!
「宝箱に罠は?」
「開けたら、矢が飛んでくるみたい」
「じゃあお母さん、剣で開けるから虹樹は盾で矢受けといて」
「はいよ」
俺はインベントリから盾を取り出す。
アダマンタイトの盾だぜ?すごくねぇ?
理音が作ったやつ。
剣聖だから基本剣しか使わないけど、念のため作ってもらったんだよな。
ちゃんと代金は払ってるからな?
「虹樹?もういいわよ?」
「えっ?矢出た?」
「5本くらい当たってたけど?」
「マジで?全然衝撃とかなかったんだけど?」
「そうなの?」
「うん、まったく。で、何入ってたんだ?」
「それがさー、兄貴これなんだけど」
宝箱を覗きながら琉樹が困った顔してる。
えっ?なんだよ?
俺も宝箱を覗く。
「はっ!?タマゴ!?」
卵ってなんだよ?なんの卵だよ?
「鑑定には、フェニックスのタマゴって出てるんだけど…」
「「「「フェニックス!?」」」」
フェニックスって、あの?不死鳥の?
マジで?
「どうするよ?見なかったことにして置いていくか?」
俺がそう言うと、タマゴがものすごい勢いで振動した。
えっ?
生きてるのか?
「連れて帰れってこと?」
タマゴは前後に1度だけ揺れた。
「マジかよー」
「じゃあ、タマゴは兄貴にお願いして19階層の階段探そうぜ?」
おい待て。
よろしくねーってみんなで俺を置いていくな。俺にタマゴ押し付けていくな。
ちょっと待てーーー。
俺はタマゴをむんずと掴んで、インベントリに入れようとしたが入らなかった。
マジックバッグも同様だ。
ってことは、やっぱり生きてんのか。
しかしこれ持って移動すんのか?
仕方なく、装備の上にインベントリから取り出したパーカーを羽織ってフードの中にタマゴ放り込んでみんなを追いかけた。
おいていくんじゃねぇーーーー。
(電動)自転車移動はさすがに早い。
あっという間に19階層への階段を発見。
インベントリに(電動)自転車を収納して、階段を降りる。
「近くに転移装置あるか?」
親父が光理に確認してる。
「あるんだけど、この階層変なカタチしてる」
「変なカタチ?」
「うん、なんかドーナツみたいな円形がたくさんあって真ん中に転移装置あるみたい」
「中心に向かえばいいってことか?」
逆に楽なんじゃねぇのか?
「そうなんだけど、中心に向かうための通路?みたいなものがマップにはでてないんだ」
「はっ?なんだそりゃ」
通路ないとかありえないだろ!?
「鑑定してみるから、ちょっと待って」
光理の負担デカいか?
「魔力視で足元の石見て、正解の石の上を歩いていくと扉が開くみたい」
「じゃあ、俺の出番だな」
魔力視で見てみろと?
おー?でこれどれが正解なのよ?
「光理?○が正解なのか?OKが正解なのか?それともどれかの色が正解なのか?」
判断つかねーんだけど?
「えっ?私にもわからないけど」
マジか。鑑定でもダメなのか。
ちょっと待てよ?
「そもそも19階層ってこんなだって情報あったか?何パーティかは、20階層超えてるよな?」
「聞いたことないよな?」
琉樹も知らないか。
「どうなってるんだ?」
ぴよっ。
なんか聞こえたぞ?ぴよっ?ってなんだ?
「兄貴、頭に何のせてるんだ?」
あたま?
手を頭にやると、確かに何かある。
掴んで目の前に移動させた。
なんだこれは?
「赤いひよこ?」
どこからこんなものが!?
「あっ、その子フェニックス…」
光理が鑑定して教えてくれたぞ。
フェニックスだと!?
つまりさっきのタマゴのなかみか?
「琉樹フードの中のタマゴどうなってる?」
琉樹が俺のフードを確認する。
「殻しかないね」
マジか。
「おまえもう孵化したのか?」
ぴよーって返事してんのかそれは?
「虹兄さん、その子契約して欲しいみたい」
「契約?お前俺と契約するのか?」
ぴよーってさっきと同じ鳴き方だな。
「契約ってどうするんだ?」
「精霊と同じで名前つけてあげるんだと思う」
なるほど?
名前?不死鳥なら、火っぽい名前かとも思ったけど、全然火っぽくないんだよな。
どっちかといえば、花とか姫とかのイメージが浮かぶな。
「ハナヒメでどうだ?」
ぴよーーーー!!!
一瞬光って落ち着いた。
『可愛らしい名前だぇ、気に入っただぇ。コウキよ、よろしゅうなぇ』
「ハナヒメが喋ったのか?」
『そうやぇ?念話ぇ?』
念話。マジか。
「普通に話せるか?」
「話せるぇ」
「みんなも聞こえてるか?」
頷いてるから、聞こえてんだな。
「このタイミングで孵化したってことは、この階層の攻略に関係あったりするか?」
「妾のタマゴが顕現したから、いつもとは違う階層になってるだぇ?」
やっぱりかー。
「タマゴが顕現って、どうゆうことだ?ずっとあの宝箱に入ってたわけじゃないのか?」
隠し部屋だから、誰にも見つけてもらえなかっただけじゃないのか?
「違うだぇ。ずいぶん前に倒された時から魔力の相性のよい人間を待っていただぇ?」
魔力の相性…?
「それが俺なのか?」
「そうだぇ。で、コウキよ。妾に魔力わけてくれないかぇ?」
唐突だな。
「いいけど、魔力どうするんだ?」
何やらかす気だ?
「前に倒された時に散ってしもうた妾の魔力を回収するだぇ。回収の魔法に魔力必要だぇ」
なるほど。
「回収したらどうなるんだ?」
「成長するだぇ」
えぇー?しばらくその赤いひよこでよくねぇ?
「しばらくそのサイズでいないか?」
「なぜだぇ?」
「そのサイズ可愛いじゃん?」
なっ?ってみんなを振り向いたら、うんうん頷いてた。
家と言うか、神凪関係者は、小さくて可愛いもの大好きだぞ?
理織とか輝理とか煌理とか、精霊とかな。
だからハナヒメも小さいほうが、間違いなく愛でられるぞ?
「そうかぇ?なら少しの間だけだぇ?」
「わかった」
指で頭を撫でると嬉しそうに目を細めた。
可愛いな、おい。
「ところで、この階層ってどうやって移動するんだ?ハナヒメならわかるんだろ?」
「妾の魔力回収したら、元に戻るだぇ」
あっそうなの?
なら、魔力渡してしまおう。
「ハナヒメ魔力はどのくらい必要だ?」
100億は超えてるからいくらでもいーけどな。
「すこし多いがいいかぇ?」
多いのか?
まったぶん大丈夫だろ。
「大丈夫だぞ?」
「10万ほどもらえるかぇ?」
多くねぇよな?
あっ、普通に考えたら多いのか。
「そんなもんでいいのか?好きに持っていってくれ?」
ハナヒメは、へっ?って顔をして、
「いいのかぇ?」
あっそうか。
俺たちの魔力総量がどれくらいかわかってないからな。
「いいぜ、全然余裕だから」
「ホントかぇ?ならもらうだぇ」
魔力が10万と少し減ったところで止まった。
10万減っても大したことないな。
ハナヒメが、何か詠唱なのか?を唱えると、全方位から赤い魔力がハナヒメに向かって集まってきた。
これがハナヒメの魔力なのか?
すげぇ綺麗な色してるな。
しばらく見ていた。
って、いつまで集まってくるんだ?どんだけ魔力散ったんだよ。
えっ?他の階層のも集まってきてる?
「元々25階層にいただぇ。だからそのあたりまでは拡散してるだぇ」
「ハナヒメの魔力回収しても、ダンジョン的には問題ないのか?」
「大丈夫だぇ?妾は25階層のボスモンスターだっただけだぇ」
「「「「「えっ!?!?」」」」」
「ボスモンスターだったのに俺と契約して大丈夫だったのか!?」
「大丈夫だぇ?今は別のモンスターがボスやってるだぇ」
そうなのか、それならいいのか…?
「兄貴、たぶんこれ、神凪のみんなに報告案件だと思うぞ?」
琉樹が小声で俺に呟く。
「やっぱり?」
「そろそろ、魔力の回収終わるだぇ。階層組み替えられる前の100数えるくらいの間にあそこまで急ぐだぇ?」
えっ?100秒あればいけるよな?
「全員、(電動)自転車用意。あそこまで突っ切るぞ。ハナヒメ走り出していい合図くれ」
「わかっただぇ」
みんな(電動)自転車に乗ってスタンバイだ。
ハナヒメは俺の胸ポケットに入っている。
みんなハナヒメの合図待ちだ。
「今だぇ!走るだぇ」
一気に加速して、転移装置まで1分かからずに到着した。
「は、はやいだぇ…」
ハナヒメが驚いていた。
そして、19階層はいつもと同じ階層に組み替えが終わったらしい。
俺たちは、転移装置の前にいるが、四方が壁だ。
隠し部屋の中のようだ。
とりあえず、転移装置に登録は忘れない。
次回からはこの階層に飛べる。
20階層への階段の位置は、光理のマップに表示されたので、今日はここで1階層へと戻ることにした。
フェニックスと契約したことは、ギルドに報告いるのか?
ハナヒメには、隠れてもらい帰宅を優先した。
なんかすげぇ疲れた気がする。
疲れた原因のハナヒメだが、癒しとして充分な働きをしている。
撫でるだけで癒されるのは、すごいな。
これからもしばらくはひよこサイズでよろしくな。
もちろん、(電動)自転車を魔石か魔力で動く様に改造してもらうのは忘れなかったぞ?
理さん、急ぎで5台も改造させてすんません。
(電動)自転車改め魔導自転車に変更だ。
お読みいただきありがとうございます!
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トーヤのテンションがあがります(笑)