再会〜理編
リアクション500突破です。
ありがとうございます。
珍しく理結と笑理も家にいたので、3人でお菓子食いながらお茶していた。
突然、お袋が人を抱えて転移してきた。
お茶を吹き出さなかった俺を褒めて欲しい。
いきなり転移されると、びっくりするな。
これは、いないところに飛ばないとダメだ。
大騒ぎになる。
って言うか、誰を抱えてきたんだ?
「お袋、なんか問題か?」
「ただいまー、別に誰かに追われてるとかじゃないわよ?」
いつも通りの口調にとりあえず、ホッとする。
「ならなんで?」
転移という単語は濁した。
誰だかわかんねぇからな。
「ちょっと急ぎで話したいことあったのよ」
お袋が連れてきた女性を理結が指差して言った。
「あっ、グラビアアイドルの仁科果梨!?」
グラビアアイドル?
それより、仁科果梨?
顔をよく見てわかった。
「おまえ、ニコだろ?キレイになったな!」
ニコはビックリした顔をして、訊いてきた。
「覚えてるの?」
「そりゃ覚えてるよ、俺の初恋だもん」
「「「「えっ!?」」」」
俺以外が全員驚いたようだ。
なんでだ?
ニコ、可愛かったぞ?
ニコが号泣してる、なんでだ?
どうした!?
とりあえず、座ってお茶飲んで落ち着いたところで、お袋がニコを連れ帰ってきた理由を語った。
と言っても、食べたものを吐かなくてもいいの?という問いだけを聞いて飛んで帰宅したらしい。
ニコの事情は、まるでわからない。
「ごめんな、ニコ。お袋が強引に連れてきたんだろ?」
ニコはふるふると頭を横に振る。
「心配してくれたの、嬉しかったから。もしよかったら、話し聞いてくれるかな?ずっと誰にも話せなかったから、聞いて欲しい」
俺たちは、お袋だけを残して部屋を出るつもりだったんだが、ニコがそう言うならと一緒に話を聞くことにした。
ニコは、ボソボソと色々なことを話してくれた。
小さい頃、デブとかブスとか言われて悔しかったこと。
痩せてモデルになろうと思ったこと。
なぜかグラビアアイドルをやることになったこと。
胸をさわられたりするセクハラを受けたこと。
仕事のためにどこかのお偉いさんの相手をして来いと言われたこと。
断ったら仕事がなくなったこと。
ストレスで食べ続けて、吐く、を繰り返す摂食障害だと診断されたこと。
芸能界を引退したこと。
ニコはそう言って俯いた。
俺はブチ切れそうになってたけど、がんばって抑えてたさ。
殴り込みに行く勢いだ。
「かりんちゃんは、もうモデルとかキャンペーンガールとかは興味ない?」
お袋?
あんな嫌な思いしたのに、何を言ってるんだ?
「変な人がいないなら、写真撮られたりすること自体は好きです」
あーそうなんだ?
「なら、神凪専属になったらいーんじゃねぇーの?」
俺がそう言うと、ニコはビックリしたみたいで、えっ!?と目を丸くした。
「そうよねーお母さんもそう思ってたの!ティルイーリオとかのポスターにかりんちゃんいたら華やかじゃない?」
「そうね!きっと目を引くと思う」
笑理も賛成と。
「理結はどう思う?」
「俺はいいと思うよ、全身ティルイーリオ製品使ってもらってキラキラになって、アホたちを見返したらいーと思う」
わかってるな、理結。
「いーね、俺も賛成」
「じゃあ、理芳さんに言って、芸能部門作ってもらいましょう!」
「えっ!?えっ!?えっ!?」
ニコ、目を白黒させてんなよ?
「ニコは結婚してるのか?」
ちょっと聞いてみる。
「…してないです」
マジで!?
「彼氏は?」
確認は必要だろ?
「…いないです」
よし!!!!
「ニコ、俺と結婚してください」
勢いだけど、言った。
「はい」
えっ?マジで?
「えー!?理編でいいの?かりんちゃんホントにいいの!?」
お袋?それなんかひどくない?
「理編、神凪コーポレーションの後継じゃないよ?」
笑理、今それ必要なのか?
はっ、必要かも?
「俺、職人だから会社継ぐのは理結なんだけど、それでもいいのかな?」
「はい、理編くんがいいです。初恋が叶うこともあるんですね」
えっ!?
「「「えぇーー!?初恋同士!?」」」
あのあとお袋が、理理にニコを診断してもらって、摂食障害の因子をオールクリアしてもらった。
これで食べ過ぎも吐きグセも無くなるに違いない。
婚約者になったから、魔力の話をして魔力の実を食べるかニコに決めてもらった。
俺と同じ魔力量になるくらいまでは食べると言ってくれた。
えっ?魔法とか魔力のことよくわかんない?
小学校で習ったこと以上のことは、知らない?
なるほど?
理織たちと魔法学校通うか?
そういえば、職業とギフトはなんだ?
職業がマルチタレント?万能な才能ってこと?なんでもできるんじゃねぇの?
ギフトは、超直感!?
なんか両方ともすげぇな。
どんなことできるのか、気になるところだな。
魔法とかは時間かけて、覚えていこうぜ。
時間はたっぷりあるからな。
末長くよろしくな。




