なじんできました
6月に笑理と東雲の結婚式があったわ。
ジューンブライドって言うんだって。
幸せになれるっていわれてるんだって。
ちゃんと幸せになってね。
私と双子の3人でフラワーガール務めたわ。
とても、素敵な結婚式だったわよ?
笑理は、綺麗だし。
東雲はいつも黒服なのに、今日は白くて違和感あったけど、カッコよかったわよ?
神凪関係の人は、見目が良いわよね。
そんなことより、笑理が幸せそうでなによりだったわ。
人間恐怖症?対人恐怖症?って聞いてたから、大丈夫なのかな?って思ってたから。
杞憂だったみたいね。
とても、幸せそうだもの。
引きこもりの東風も参加してたしね。
ただ、東雲の両親はいなかったけど、なにかあるのかな?
誰も気にしてないから、気にする必要のないことなんだなって理解しといたわ。
笑理が泣かなければそれでいいよね。
ギルドにレンタルしてる自動販売機は、順調に売り上げを伸ばしている、らしい。
システムや転移には今のところ問題は起きていないとのことだ。
うん、よかった。
魔力の実は、10日くらいまではみんな連続で買えるが、その後が続けられない人が多くて、文句を言う人もいるらしいけど、問題が起これば自動販売機を引き上げると理芳が宣言しているため、自動販売機がなくなると困る人たちが、問題になりそうな人を押さえ込んでいるらしい、とは全部のギルドから報告が上がっているらしい。
だって、スキルの実とか属性の実とか速度上昇の実だって、スキルポイントで取れない人には破格の値段だし。
スキルツリーに生えるだけで、スキルポイントでも取得しやすくなるんだもの。
撤去されるわけにはいかないわよね?
もちろんダイエットの実の自動販売機も。
ランクが上の上級探索者は、魔力の実をそこそこ買えるんだよね。
16日目から18日目くらいまでは買えるみたい。
16日目までいけば、6万は魔力総量は増えている。
17日目で13万、18日目なら26万が増えている。
ここまで増えれば、戦闘中に魔力切れを起こすことはないだろう。
だから、神凪関係者はおかしな魔力量なのだが、だってみんな億超えてるもの。
ただ神凪は、複写を多用するしね。
魔法学校が始まって、2ヶ月も経ったら施設から神凪の寮に移ってきた子達も、神凪に馴染んできた。と、思う。
魔法学校は、小学生が20人くらい、中学生も20人くらいで授業を受けている。
今までみんなちゃんとした魔法の教育を受けてないから、年齢はごちゃ混ぜでの授業だ。
年上だからと言って、中学生が偉そうにすることもなく真面目に勉強している。
もちろん、魔力循環しながらよ。
全員ね。
最初は、魔力循環するところから始まったのよね。
寝る前にリジェネルで枯渇させてから寝ること。
スキルポイントのこと。
魔力制御や魔力操作、魔力回路強化のこと。
リジェネルで再生した魔石が売れること。
そのために8歳以上の子達は、ギルド登録をした方がいいこと。
私たち7歳組は、引率の東雲に魔石を託して換金してもらっている。
2ヶ月が過ぎたこの日、魔力の実を食べ始めてもらおうかと理芳と相談した。
魔力の実のことを知っているか聞いてみると、あまり知られていなかった。
ギルドに行ったことのある子達は、自販機を見ていたみたいで、存在は知っているが、よくわかっていないのが現状だったわ。
そんなものなの?
大人は目の色変えてたけど。
まっ、そんな感じなので、理芳は最初に魔力の実の効果の説明から入った。
毎日連続で食べることで、魔力総量が増えていくこと。
増加の仕方は、1粒目が1、2粒目が2、3粒目が4、4粒目が8と、増加の仕方は倍になっていくことを説明していく。
で、実際ギルドで売られているのは、増加する魔力✖️100円であること。
ここからは秘密だが、神凪関係者は増加する魔力が金額であること。
ただし、今回みんなには10粒目までは無料で配給することにしたこと。
11粒目からは自分のお小遣いと相談しながら購入してもらうこと。
もちろん11粒目が1円から始まる20粒目で累計1023円使う計算だと言うこと。
この時点で魔力は100万を超していること。
25粒目では累計16383円必要なこと。
さらに魔力は3200万を超えていること。
隣でシュウが頭を抱えていた。
「シュウ、わからなかった?」
「リオリ、オレ貯めてた金が2万くらいある」
「すごいじゃない」
この2ヶ月くらいでそんなに貯めたの?
「25粒目まではいけるってことであってるか?」
「あってるよ」
うん、そこまでいけば、魔力もかなり増やせる。
「じゃあ26粒目にはいくら足りない?」
「1万3000くらいかな?」
「マジで?そんなにためらんねぇよ…」
たぶん貯まるよ?
「そんなことないよ?15粒目くらいから魔力1万超えてるから、魔石たくさん作って売ればいいんだよ」
「ホントか!?」
シュウの目が輝いた。
「ホントよ、どうしても足りなかったら貸してあげるよ」
私ものすごいお金持ちらしいから。
よく知らないけど。
「…魔石つくりまくる」
「でもなんでそんなに魔力増やしたいの?」
「だってリオリの魔力すげぇだろ?」
「あー、りおも双子たちも家族全員が規格外の数値になっちゃってるからねぇ」
元々私の果樹の樹の実だしね。
「前に雅羅せんせー言ってたよな?魔力が多いと長生きだって」
「いってたね」
「オレ、リオリと同じだけ長生きしたい」
って何よー。
ちょっと男前なこと言わないでよ。
ときめくじゃないのよぉ。
でもねぇ。
「ちょっとむずかしいかもよ?」
「何粒食った?」
そんな真剣な顔で真っ直ぐ見られたら、応えないわけにはいかないじゃない。
シュウにだけ聞こえる小声で告げた。
「34粒」
「…34!?」
シュウは叫ばないように口を手で押さえて、がっくりしている。
『アレド、金額的には絶対無理じゃない?子供の出せる金額じゃないものね』
『ですね、可能性があるとすれば』
何か方法あるの?
『すれば?』
『神凪の養子になるとか、リオール様と結婚するとかですかね?』
はいっ!?!?
『結婚!?まだ7歳ですけど!?』
『では、婚約ですかね?』
『シュウはそんなつもりじゃないかもしれないでしょ?』
あわあわしちゃうわね。
『えー!?同じだけ長生きしたい!って言われてるのに否定したら可哀想ではないですか』
『いやでも?えっ!?』
『だって秋様、理織様に一目惚れでしたよね?』
『えっ!?』
嘘でしょ!?知らないわよ?
『気づいてなかったのですか?ものすごくわかりやすかったですけど?』
『えぇーーーーーー!?』
そんなことある!?
『リオール様、ホント鈍いですよねこっち方面』
うわーーーー恥ずかしいんですけどーーー。
「リオリ大丈夫か?」
ぶんぶん頭を振ってたら心配された。
「大丈夫、大丈夫。なんかいい方法ないか考えてみるね」
「うん」
シュウは、はにかみながら頷いた。
はにかんだ顔とか可愛いからっ!




