放っておけないのは性分なの?
私は帰宅後、連理にクラスメイトの話をした。
鑑定して、知った情報も伝えた。
「そう、理織はその2人も一緒に魔法の授業をうけさせたいのね?」
「児童養護施設?で教えてもらってるならそれでいいかもだけど、ただ魔力循環してるだけならもったいないかなって」
難しいのかしら?
『神凪の敷地内にあまり部外者をいれたくないのでは?』
『あーそうか、授業するなら雅羅のところか家になっちゃうのよね』
「2人には、その話したの?」
連理に聞かれて、気づいた。
「してないよ?ってまだ話ししたことない」
うん、話してないね。
勝手に私がもったいないなって思っただけだったわ。
「えっ!?それなのに授業受けさせたいの?」
連理は驚いたようだった。
あっそうか仲良くなったらから、だと思ったのかな?
「だってクラスで、りおと双子以外で魔力循環できるの、その2人だけだったんだもん」
2人しかいない方が驚きだったけど…
「でも、その子両親のカタキとか取ろうとしないかしら?」
「ダメなの?」
「ダメよ、人殺しなんて」
「あー違くて、罰うけさせるの。えみねえならしょーばつ?みれるんだよね?」
『気持ち的には、好きなようにしてもいいとは思うけどね、フェリーラザだと日常茶飯事だったしね』
『こちらみたいに法律とかちゃんとしてませんでしたからねぇ』
『確かに』
「うーん、少し時間くれる?理芳兄さんとも相談してみるから。魔力があるのに教育を受けられない子の受け入れができないか神凪として何かできないか相談してみるから」
「はいです、ありがとです」
とりあえず、大人に任せるのがいいわよね。
明日学校行ったら、あの2人ちゃんと鑑定してみようかしら。
バックグラウンドしか見てなかったのよ。
バックグラウンドが衝撃すぎたのよ。
職業とかギフトはなんだったのよ?
スキルとかも確認したいわよね。
『リオール様って、相変わらず魔力のある不憫な子放っておけないですよね』
『?どういうこと?』
私なんかやったかしら?
『ジェラール様も魔力あったから、子猫拾うみたいに連れて帰ってきてましたよ?』
『あー、確かにジェラールは魔力すごかったのよ。小汚さもすごかったけど。あの子今頃どうしてるのかしらね?』
かつての弟子を思い出す。
『リオール様の代わりに愚王たちをボコボコにしてくれてるといいですね』
ジェラールはそんなことしないでしょうね。
『あの世界は、放置してても滅亡するわよ』
魔物を対処できるとは思えないしね。
ジェラールが魔物を倒していたら別だけど。
あの子はやらないでしょうね。
『もうないかもですね』
確かにね、私がいなくなってから7年経ってるしね。
いや、時間軸は違うのかもしれないけど。
『今世では、さすがに理織が子供拾ってくるわけにはいかないしねぇ』
『子供拾わないでくださいね?ジェラール様みたいに拾って育ててたら、こちらでは犯罪ですから』
そうよねぇ。
そもそも子供が子供拾うって、どんな状況なのよ。
翌日、学校で早速2人を鑑定したわよ。
海棠秋の職業は魔法剣士だった。
神凪にいるわよね?魔法剣士。
『琉樹様と理律様ですね』
ギフトは魔法攻撃無効。
えっ?魔法攻撃効かないの?すごくない?
スキルは、魔力操作がレベル3と魔力制御がレベル3ね。
それしかないの?
スキルポイントは?表示されてない。
『アレド、スキルポイント項目がないわ』
『年明けに公表されたのに、教えられてないのでしょうか?』
『わからないわ』
天木蘭は職業がパティシエだったわ。
パティシエよ?スイーツ作る人よ?ぜひうちの料理人に弟子入りするべきでは!?
しかもギフトが、製作スイーツ魔力回復付与よ?
スイーツ作ったら、魔力回復が付与されたスイーツになるのよ?
すごい人材では!?
スキルは、魔力操作がレベル2と魔力制御もレベル2、他に料理がありレベル4だった。
どうも施設で、料理をしているらしい。
こちらもスキルポイントは表示されてない。
やっぱり2人ともうちに来るべきなのでは!?
海棠秋は、先輩魔法剣士に教えてもらって、来年ギルドに登録したら私とパーティ組めばよくないかしら?
天木蘭は私のためにスイーツ作ってくれたらよくないかしら?
『自己中発言ですか?嫌われますよ?』
『だって、来年はやっと8歳よ?ギルドに登録できるのよ?ダンジョンに入れるのよ?1人じゃダメって言われるのわかってるから、仲間探しておかないと、でしょ?輝理と煌理は探索者になるかわからないし』
『そうですね、光理様もですがおっとりしてますしね』
光理は探索者だけど。
パーティメンバーが、みんな近接戦闘の剣バカばかりだから、いつもヒヤヒヤハラハラするって言ってたわね。
『あっ、私って戦闘職ですらないけど、パーティ組んでもらえるのかしら?』
『あーどうでしょうね?』
『それならやっぱり、あの2人は確保するべきではーーーーー!?』
 




