神凪さんちの本家と分家
神凪の分家には、美凪と神木が存在する。
理一のおじいちゃん兄弟がそれぞれの当主となった、らしい。
神凪は神社に納める鍛治の家系。
神木は神社の神主の家系。
美凪は神社の守護の家系。
神木が本家でもおかしくはないのだが、理一のおじいちゃんが長男で鍛治師だったため、神凪が本家となったらしい。
長男が神主になって神木を本家にって話もあったらしいが、まったく神主にむいてなかったらしい。
鍛治師って無口の頑固親父ってイメージよね。
理一もそんな感じだし。
逆に神主さんって、人当たりのよい柔らかい感じのイメージよね。
うん、真逆ね。
それは向いてないわね。
で、本家とか跡取りとか揉めるかと思ったけど、まるで揉めることもなくて、だったら神凪を本家にすればいいと理一のおじいちゃんの弟達は、それで問題なしってあっさり決まったらしい。
聞いた時にそんなんでいいの?って思ったけど。
で、神凪が本家で神木と美凪が分家となっている。
本家分家と言っているけれど、同じ神凪の敷地内で暮らしているので、子供同士は従兄弟であり幼馴染であったりする。
それは親世代も同じだよね。
理一のところには、瑠理が美凪から嫁いできてるし。
理は、神木から婿養子として連理と結婚してるし。
美凪の分家で実働部隊みたいな美作には、灯理が嫁いでいる。
理一の妹は、理一の親友の一に嫁いでいるので、一も分家扱いになっていたりする。
遥翔のところね。
だから、理哉や理律とパーティを組んでいる。
なんだかんだと、神凪一族は繋がりながら共存共栄しているようだ。
『ねぇアレド?』
『どうしました?リオール様』
『魔力の実をみんな食べるじゃない?きっと』
『食べるでしょうね』
『ひと月くらいしたらみんな10億くらいになるじゃない?私その時に一回食べるのやめたらみんなの魔力量の方が多くならないかしら?』
『なりますね』
『そしたら、隠蔽とか偽装とかしなくてよくならない?』
『職業と称号だけは、外せませんよ?』
あーそうだった。
職業に大賢者あるんだった。
称号に転生者ってあるんだっけ、それは隠蔽しないとダメね。
『職業ふたつある人いないのかしらね?』
『今のところ検索にはひっかからないですね』
『いないのかな?』
『最初のふたつもちとして名乗りをあげてみます?』
『いやよ、めだちたくないし、さわがれたくないわよ』
『では、おとなしく隠蔽しておきましょう』
わかったわよー。隠しとくわよ。
『あと気になってるんだけど』
『なんでしょう?』
『神凪の敷地内で暮らしてる人って、魔力の実食べるわよね?従業員の人とかって食べるかしら?』
『食べるのはまずいですか?』
『マズくはないかもだけど、魔力総量増えたらすごーい長生きになっちゃわない?』
『…なりますね』
『リオールでさえ、魔力量10億で300年以上生きてたのよ?簡単に100億越えしそうなのよ?みんな長命になるなんて思ってないわよね?』
『ですね。リオール様が魔力量増えたら長生きになるかもって言うのは、なんか違いますしね。ここは困った時のティルちゃんじゃないですか?』
『お願いするしかないかな?すっごい増える前に自分で選択してもらった方がいいわよね』
『ですね、リオール様はダンジョンマスターなので寿命関係ないですけどね』
あっ、そうだった。
私ダンジョンマスターだったわ。
『みんなが長生きしてくれると、私のある意味不死が悪目立ちしなくなるけれどね』
ティルにお願いして、魔力量が多いと長命になる可能性と魔力量10億とかあったら人生3回分くらい生きる可能性を伝えてもらったら、なぜかみんな魔力量は最低でも10億は必要ねと増やす選択をした。
なんで?
私はみんなとずっといられるなら嬉しいけど、置いていかれ続けるのは、結構堪えるのよね。
 




