自動マップ作成と魔力視取りました〜光理
新宿ダンジョンに隠し部屋があったこと、転移装置が入り口の1階と5の倍数階以外にもあることが判明して、自動マップ作成スキルと転移装置のどこかにあるタッチパネルを探すのに魔力視スキルをパーティのだれが取るかでもめた。
いや、揉めてないかな。
唯一の後衛職の私が取る一択だったみたい。
いや、いいんだけどね?
私以外は、剣豪の父と剣姫の母と剣聖の上の兄と魔法剣士の下の兄の前衛しかいないし。
全員で突っ込んで行くから、いつもヒヤヒヤする。
そんな人たちにマップ作れってムリな話なわけで。
転移装置のタッチパネルも探せなかったしね。
たぶんみんな向いてない。
だからマップは私が作るよ。
今日は、16階層を回る予定。
自動マップ作成起動。
理人から聞いてたマップの作成範囲は半径1キロだったんだけど、私は半径3キロいけてる。
なんで?
他のスキルが作用してるのかな?
索敵とかかな?
気配察知?気配感知?
どれもまだレベル3とかなんだけど、レベルあげたら半径の範囲広がったりして?
やってみちゃう?
とりあえず索敵かな?
レベルMAXいけるね。
ぴこーん!
あっ、半径4.1キロになった。
気配察知もいってみる?
レベルMAX。
ぴこーん!
半径5.2キロになった。
じゃあ、気配感知も?
レベルMAX。
ぴこーん!
これもかー!
半径6.3キロになった。
直径12キロ!?
これはかなり、カバーできるんじゃない?
確か、赤マークが魔物よね。あと敵意のある人もだったわね。
青マークは敵意のない人。人だけなのかな?
緑マークは薬草って言ってたわよね。
黄マークが転移装置って言ってた。
だいたい12キロが表示されているマップの左下、つまり現在地から左側の斜め後ろ?に黄色のマークがみえている。
見つけちゃった。
17階に降りる階段は右奥だから、対局ね。
「転移装置見つけちゃったけど、行ってみる?」
「はっ!?」
「今、15階層から降りてきたところじゃんか」
虹兄さんと琉兄さんに突っ込まれた。
「マップに表示されたから」
マップの表示範囲広げたから。
「光理、どっち?」
「あっち」
と、斜め後ろを指差す。
「あっち!?」
「17階層の階段と逆かー」
「それは行くことない方向だな。行って魔力登録してくるか」
「そうね。連理からの変な依頼もあるしね」
連理さんから、魔物倒したら消える前にインベントリに入れてきてって言われてるのよね。
インベントリのスキルはオーブでもらった。
案の定私が取得した。
あと解体の追加スキルも。
消える前に魔物をインベントリに入れたら消えないでドロップにならずに丸ごと手に入るんだって。
よくわからなかったのだけど、ブルとかのお肉が手に入るってことみたい。
神凪のボアとかディアとかで検証済みなんだって。
ボアもディアもすっごく美味しかったんだって。
だからブルとかカウとかコッコとかターキーとか持って帰ってきてって連理さんが。
理織が大喜びするからって。
そう言われたら、持ち帰らないわけにはいかないじゃない?
ちなみにインベントリはレベルMAXにすると無限収納になるって言うから、レベルMAXにしたわよ。
インベントリに入れた魔物を解体スキルで解体すると、部位ごとにまとめられて、キレイに解体してくれるんだって。
皮とか魔石とか牙とかも。
普段ドロップするものも手に入るんだって。
丸儲けね。
理織にお肉持っていかないとね。
そんな話もしながら、みんなはサクサク魔物を倒しているから、私はインベントリに収納係よ。
消える前に入れなくちゃ!
「あっ、そこ左、壁じゃなくて幻影みたい。隠し部屋ね」
最初に父さんが壁に消えていった。
全員壁の幻影を通り抜けたところに、転移装置が設置されていた。
やっぱり5の倍数階以外は隠し部屋に転移装置あるみたいね。
魔力視をつかうと、転移装置の上にタッチパネルは存在した。
「タッチパネルは上だわ」
「光理、魔力操作で魔力伸ばしてあれに触れるか?」
虹兄さんが言うように、やってみる。
うん、出来そうかな。
魔力で触ったら手元にタッチパネル来たわ。
おーすごい。
「やっぱり各階層に転移装置はあるみたい」
「マジか!」
「5の倍数階以外の移動も楽になるな」
「見つけて登録してからの話よ」
「とりあえず、私たちは、1.5.10.15.16で移動できるようになったよ」
私がそう言うと、帰るか?みたいな雰囲気になった。
「えっ帰るの?出来れば17階層に降りる階段まで行って、マップ作りたいんだけど」
「あっ、それも目的だったよな」
「いきなり転移装置見つけたとかいうから、すっかり忘れてたぜ」
「そうよね、マップ作りましょう」
「よし行くか」
「あっ、出たとこに魔物いるわ」
「あいよー」
軽いわね、虹兄さん。
壁の幻影から1歩出て、剣を振ったら終わってた。
「光理、インベントリ」
そうだった。
収納。
ブルーブラックブル?ってこんな魔物今までいた?
隠し部屋の近くには、いつもと違う魔物がいるのかな?
「今の魔物、ブルーブラックブルっていうみたいなんだけど見たことある」
「ないな。隠し部屋対応の魔物か?」
「どうなのかな?わかんないことは後回しにして、気になる色のマークが出てるところあるんだけど、行ってみていい?」
「気になる色って何色だよ」
「金色?」
「宝箱じゃねぇーの?」
「なのかな?」
「いってみよーぜ、いいよな?親父」
「行くべきだろ」
「どっちだ?光理」
私は金色のマークの方向を指す。
インベントリの中の魔物を増やしながら、1時間ほどで金色マークに到着した。
「あれみたい」
「この間の宝箱は罠あったから、鑑定してくれねぇ?」
「罠はないみたいだけど、違和感あるかも」
「ミミックか?」
「ミミックって何?」
「宝箱とかに擬態した魔物だな」
擬態?もう一度鑑定する。
「うん、ミミックってでた。一撃で倒せば、宝箱になるみたい」
「おっしゃー俺やっていい?」
琉兄さんは名乗りをあげる。
「どうぞ?」
琉兄さんは、アダマンタイトの双剣を一閃して、ミミックを倒すと、宝箱が出た。
「琉樹、何入ってる?」
「あっ、またカードだ」
「またスキルカードか?光理どうだ?」
「スキルカードはスキルカードだけど、攻撃魔法スキルカードみたい」
「この間より、こっちの方がまだ使ってみようかなって思えるかもな」
「ギルドのオークションにかけるか?って話だったか?」
「俺らスキルカードとか必要ないもんなー理織のオーブあるから」
「だな、スキルカード売れたお金で色んなスイーツお取り寄せすっか!」
「それいーね。今回も結構作ってもらってるしね」
「肉持って帰らないとな、肉」
「じゃあ帰らないとな。さっきのとこ戻るか?17階層の転移装置探してから帰るか?」
結局私たちは17階層の隠し部屋と転移装置を見つけて、転移装置で1階層まで戻った。
理織はブルとカウの肉に大喜びして、連理さんからは、冷蔵庫に入らないからとボアとディアの肉を渡された。
物々交換?
ボアもディアも美味しかったよ。




