スキルオーブ
理理が進学した高校が、頭の良い人達が通う学校なんだって。
理理は、将来職業やギフトを生かしてお医者さんになりたいんだって。
だからその学校に入ったんだけど、ちょっと理理の学力がギリギリで苦戦してるみたい。
最近いつも疲れた顔してる。
で、妹としては姉を応援したいよね。
『アレド、スキルオーブ作ろう!』
『突然なんです?』
『理理、最近ヤバそうだから、なんか補助になるようなスキルオーブ渡してみようかと』
『なるほど、理理様ちょっと頑張りすぎで倒れそうですね』
『だから私のスキルからオーブ作ろうかなって。勉強とかに役立つスキルあったかしら?』
『そうですね、言語理解、集中力上昇、完全理解、完全記憶、速読、多言語マスター、理解力上昇とかですかね?』
とりあえずそれ全部作っとくか。
スキルオーブを作る魔法自体は、すでに作成済み。
ただ誰にもお披露目してないだけ。
『作っても理理、素直に受け取ってくれないわよね?』
『ですね、連理様たちに相談するべきでは?』
『そうね、理理以外の人たちが欲しがりそうなスキルオーブ作って、それを取ってもらってるところに理理登場だと、オーブ使ってくれそうじゃない?』
『その辺も含めて相談ですね』
「パパ、ママ相談」
「どうした?今度は何を作ったのかな?」
あれ?バレてる?
「りのねえに、スキルオーブ作った」
「あー、渡しても素直に使ってくれなさそうだと?」
「はいです」
「どんなスキルオーブ?スキルはランダムなのかしら?」
「パパ鑑定して」
とりあえず3つほど出してみる。
「今のリノには必要なスキルかも。言語理解と集中力上昇と理解力上昇のスキルだね。まだあるよな?」
バレてるなぁ。
残りのオーブを出す。
「これもリノにあるといいな。完全理解、完全記憶、速読、多言語マスターか。俺も欲しい」
「パパママの欲しいオーブ作る、りひにい、りなねえの欲しいオーブも作る。順番に選んだ風でりのねえにも選んでもらう。どう?」
「みんなもオーブ選ぶなら理理も参加するわね」
「あとね、予想。スキルツリー、なくても、オーブで取れる。欲しいスキル、ポイントたりないのは、オーブでスキル取ったら、必要スキルポイント減る、思う」
「えっ?そうなの?あー確認はしてないのね?」
「はいです」
「試しにどれか取得してみようかな?リオここの使ってもまた作れるのかな?」
「はいです」
「じゃあ、スキルツリーにない言語理解にしてみよう。オーブに魔力流せばいいのかな?」
「はいです」
理が、言語理解のオーブを持って魔力を流す。
オーブは光って、理の中に取り込まれていった。
「理さん、どぉ?」
「スキルに追加された。スキルツリーも現れた。レベル上げるスキルポイントも他のと変わらない感じだな」
「理織、ママ鑑定のオーブ欲しいな」
「鑑定?」
「ママ魔力属性鑑定ギフト持ってるのに、スキルポイントで鑑定取ろうとするとレベル1で300,000必要なのよ。なんでかしらね?」
えっ!?30万!?
それは、ちょっと手を出しにくいね。
ならオーブで取った方がいいね。
鑑定のスキルオーブ作成。
「はいです」
連理もスキルオーブに魔力を流すと、オーブは光って連理の中に取り込まれた。
「わーすごーい!!鑑定スキル取れた!レベル10まで上げるのに30万でいけるようになったわよ!」
それはすごいね。
「リオの予想当たってたね」
「はいです」
「とりあえず、理人と理哉に根回ししたいわね」
「いや、むしろ何も言わない方がリノも普通に参加するんじゃないかな?」
そうかも?
とりあえずオーブの数とスキルの種類増やしてから、3人を呼ぶことにした。
「みんなー、ちょっと来てー、理織がまたやらかしたわ」
ちょっと!?
連理ひどくない?それひどくない!?
「今度は何やらかした?」
理人が最初に降りてきた。
理哉と理理も、どーしたのー?と降りてきた。
「スキルオーブ作った!」
ドヤ顔して見せた。
「スキルオーブ作った!?」
「すごい?」
「すごいよ、えー?ホントに!?」
「ホントだもん」
テーブルを指差すと、20個ほど散乱している。
「うわっマジだ」
「リオがさっき持ってきたんだよ。鑑定してもスキルオーブってでるし、スキルはわからないけど」
って理が言った時に、理人がわかるって言うのを阻止するのに、ズボンのスソを引っ張った。
理人が私を見下ろしたので、小さく首を振って、人差し指でシーっとやった。
理人は、理理にチラリと視線を向けたので頷いたら、理人も小さく頷いた。
「やっぱり、なんのスキルかわかんないんだなぁ、わかれば欲しいの取れるのにな」
「でも、わからないのもくじ引きみたいで楽しそう」
理哉の言葉に、みんなが笑う。
「で、これ取得してみようってこと?」
「はいです」
「誰からいく?」
「歳の順にしようぜ、上からな」
「じゃあ僕からだね。えーとじゃあこれにしようかな。みんな選ぶまで待つ?どんどん取得する?」
「待たなくてもいいわよね?」
「だな」
「じゃあ、魔力流すよ」
オーブが光って、理の中に取り込まれた。
「お父さんなんのスキルだった?」
「睡眠だって、熟睡できるらしいよ」
「そんなスキルもあるんだ?面白いね」
「じゃあお母さんね、コレにするわ。えっ?料理スキルよ。料理作ったら、徐々に上手になるらしいわ」
「なんだよ、それ。母さん料理しないじゃん」
確かに。
あれ?料理スキルなんか混ぜたかな?
「次は俺ね。コレだ!おー集中力上昇だって。学生の時に欲しかったかなー」
「あら、それ使ってポーション作りがんばって?」
連理に笑顔で言われたら、頷くしかない。
「次はリノね。どーしよーかなー。よしコレにする。あっすごいかも。多言語マスターだって!」
「それどんなの?」
「色んな言語をマスターレベルで習得できるみたい」
「つまり?」
「外国語もペラペラ?」
「えーいーなー。それすごーい」
「じゃあリナ、次リナやっていい?」
みんなが笑いながら頷くのを見て、オーブを選ぶ。
「コレにした。おー!…?速読?って何?」
「本とかを早く読めるスキルじゃないの?」
「あっホントだ。説明にそう書いてる。必要?」
「いいスキルだと思うわよ?これを機にもっと本読んでみたらいいんじゃない?」
「えー!?」
理哉だけブーイングだわ。
「もう一個引きたい!」
理哉の一言で、再度取得が決定した。
2度目は、理哉から開始した。
理哉はアースニードルを、理理は完全理解を、理人は罠解除を、連理は料理を、理は魔力回路強化を取得した。
連理がなんでまた料理なのよーと叫んでいたのは聞かなかったことにする。
それぞれ、使えるスキルはレベルをあげたりしていた。
理理はこれで少しは、勉強楽になるといーのだけれど。
倒れそうで心配なんだもの。
翌日、笑顔で学校から帰宅した理理に、
「ホントはなんのスキルかわかってたんだって?」
と、詰め寄られた。
誰よ、バラしたのわ。
でもなぜか、ギュッて抱きしめられて、ありがとうっていわれた。
私が理理のためにやったことまでバレてるらしい。
理か連理か?
「欲しいスキルあったら、オーブ作るよ?」
「お父さんがね、完全記憶とか理解力上昇とかあったって、それ欲しいなって、あと速読もあるなら欲しいな」
「あるよ、はいです」
私は理理の手に3つオーブを乗せてあげた。
「勉強頑張るね」
「倒れたらダメよ?」
「わかってる、ありがとう!」
その後メキメキと成績を上げていったのは、別の話である。




