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大賢者リオールは楽しみたい!  作者: トーヤ


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神凪一族緊急招集4-2

「違うわよ?次が本題なんだけど」

「「「「「はっ!?」」」」」


連理(れんり)の一言で、場は騒然となった。

えっ?

次が本題って、あと残ってるのは転移のイヤーカフじゃないの?

あれが本題なの?

理理(りのり)とか理哉(りなり)とか理人(りひと)のが本題でよくないかしらね?

(さとる)が、イヤーカフをふたつ取り出して、テーブルに置いた。


「これはまだ試作段階のベータ版としておきますね」

「で、これは何?」

「転移の魔導具のイヤーカフですね」

「「「「「はぁっ!?!?」」」」」

「転移!?」


連理と理が頷く。


笑理(えみり)、鑑定お願い」

「…確かに転移の魔導具になってる」

「詳細は僕が説明しますね」


そう言って理は、石無しの方を指して、


「こっちが、転移スキルと同じように転移先にあらかじめマーカーを設置しておくタイプですね。設置したマーカーは変更不可です。あえて変更不可ですね。転移の度に魔力が500消費されます。売り出すならこちらですね。今の段階で改良点はいくつかあります。まず、魔力消費を無しにもできますが、無しにするべきかどうか。マーカーをこっそり設置されて犯罪に利用されると困るので、設置許可の有無で許可があればマーカーは青色、無許可ならマーカーは赤色にするなどの対策が必要。赤いマーカーを除去するような魔導具が必要かも知れませんね。今の段階で、これだけの課題があります」

「理いいか?なぜ魔力消費無しではダメなんだ?」


理芳(りおう)の問いに理は、


「悪用される懸念があるからですかね、無制限で転移出来るべきではないかなと…魔力消費500が妥当かはわかりませんが」

「なるほど、了解した」

「マーカーの色は今のままだと透明ということか?」


優理(ゆうり)が次に質問する。


「そうです、魔力を見える人にしか設置されていることがわからないでしょうね」

「確かにそれは、犯罪を助長しそうだな」

「対策は必要ね」


優理も灯理(あかり)も納得したようだ。


「売り出すなら、その辺は詰めないとダメだな」


売るなら理芳がメインで動くはずだから、その辺は頑張ってもらおう。

やっぱり大人は、危機管理みたいなものが間違いなく出来るようだ。

よかった。

無許可マーカー除去する魔導具つくるなら、設置した人のイヤーカフ使えないようにできたりしたらいいのにね。

そして、2度と買えないようにしてほしいね。

悪いことする人には売りたくないね。


「とりあえずもう一つの説明もしちゃいますね。こっちは売り出す予定はありません。使用者は神凪(かんなぎ)の関係者のみに限定する予定です」

「理さん、スペックが違うんですか?」


理結(りゆう)が質問してる。


「そうなんだ、まずこっちは魔宝石が付いていて、この対になる魔宝石のあるところに飛べます。これも魔力消費500ですが魔力消費無しのものを今、理人(りひと)がつけています」


みんなの視線が理人に向く。

理人は、自分の耳のイヤーカフを示す。


「イヤーカフと魔宝石に同時に魔力を流すことで使用者登録をします。これで落としても盗まれても魔力登録した人しか使えません。魔宝石は移動出来るので、売るつもりはありません。実はあえて性能を落としています。どこにでも飛べますが、あえて魔宝石の場所へ飛ぶようにしてます」


えー?何で知ってるの?


『私、どこにでも飛べるって言ってないわよね?』

『言ってませんが、魔法陣渡しているので解析したらわかるのでは?』

『あっ』


そうかー、そうだよね。

そこまで考えてなかったわ。


『リオール様ですからしかたないですよね』

『どういう意味よ?』

『ご家族に対しては、ポンコツ度が増します』


ヒドくないかな?

ポンコツって、そんなことなくない?


『増す?って普段からポンコツってこと?』

『ご自覚はない、と?』


ないけど?


『全然ないけど?』

『なら、それでいいですけれど、ほら話続いてますよ?』


なんなのよ、もう。


「俺たち専用なら、魔力消費無しのどこにでも飛べる方が使い勝手いいんじゃねぇの?」

「確かに、新宿ダンジョンの転移装置は今のところ5階層ごとにしか移動できないのは、ちょっと微妙なんだよな」


ダンジョン攻略組から意見飛び出す。

気持ちはわかるよ。

自由に移動出来るならしたいわよね。

でもなぁ、ちょっと心配なんだよね。

自由なのも良し悪しなんだよなぁ。


「あのー、いいですかね?」


理人が、割り込む。


「この魔宝石付きのイヤーカフのほうが、楽かもしれないです。転移先に魔宝石があると選択肢が浮かぶんで、行きたいところを選択すればいいだけなんですけど、自由だともしかしたら、飛んだ先がどこかわからないとかの事故が起こる可能性もゼロじゃないかもとか思うんですけど」

「それは、その魔導具を使ってみての意見ってことなのかい?」

「そういうことになりますかね」


理人すごい、事故の可能性に気づいてくれた。

慣れてきたら自由に飛ぶのもありだとは思うのよ。

でも最初は、魔宝石を目印に飛ぶ方がいいと思うのよね。


「理人、ちょっとそれ使ってみてもらえないか?どんな感じが見てみたい」


虹樹(こうき)が、ワクワク顔で見ている。

理人は、理と連理の方を確認してから、


「じゃあ、魔宝石ここに置いていくので、ちょっと別室から飛んできますね」


理人はまた走って、この部屋から飛び出して行った。

相変わらずフットワーク軽いわね。

数秒後に、この間と同じようにいきなり理人が現れた。


「「「「!?」」」」

「ホントにいきなり現れた」

「どこから転移したんだ?」

「リビングだよ」

「マジかよ」

「神凪ダンジョンなら、セーフティエリアに魔宝石置いておいても取られないだろうけど、新宿ダンジョンじゃそうはいかないだろ?」

「セーフティエリアに置いて、隠蔽とかしとけばいーんじゃないのか?魔力登録者以外は触れないような付与した入れ物に入れときゃいーだろ?」


優理は、隠密なだけあって、隠蔽とかの思考が簡単に出てくるようだ。

なるほどね、こっちにもセーフティエリアってあるのね。

でも他人がいる時に、転移したらマズくないかしら?

転移する時に、転移先の確認できた方が良さそうね。

あとで、理に伝えよう。


「その辺も含めて、改良の余地ありなんですよね、両方とも。で、これは僕の我儘になるんですが、ギルドに登録して石無しの方は商品としては売るのはいいですが、魔宝石の有無に関わらず魔法陣などは非公開、非売にするつもりです。犯罪防止のために他では作らせることはさせません。ダメでしょうか?」


『これはリオール様の意思を尊重してくださってますね』

『やっぱりそうよね?』


「今更だな、俺はマジックバッグもそういう扱いでよかったと思ってるけどな」


理芳は、理にそう告げた。

そうなの?

って、マジックバッグは普通に公開してるのね。


『その割には、マジックバッグ出回ってなくない?』

『作れる人いないんですよ、なんだかんだ言っても理様は魔導具作成の第一人者なんですよ』

『そーなの?』


理、すごいんだ?


『しかも、リオール様のアイデアで魔導具作ったりしてますからね、たぶん今回のもリオール様の単独名義には出来ないので、共同名義になるか、リオール様がギルド登録前なので理様だけの名義になるか、どちらにしても、次々と画期的な魔導具を作り出す天才的な扱いですよ?』


ほぉーそうなのね。


『理すごいねー』

『あーそっちの感想になるのですね?』

『へっ?』

『リオール様の功績じゃないですか』

『あー別にどうでもいいかな。私はただ作りたいもの作ってるだけだから。理とかが上手く使いたい人が使えるように調整してくれれば、理の功績でいいじゃない?』

『そんなとこもリオール様ですね』

『だって、ダンジョンに行くのと1人での実験がダメなだけで、あとは自由に遊ばせてもらってるもの。楽しいじゃない?』

『ですか?』

『そりゃそうよ。きっと変な子供なのに誰も気味悪がらないし、可愛がってくれる。すごいことじゃない?』


フェリーラザなら、捨てられてるわよ。

昔の私みたいに。

そう思ったら感謝しかないのよ。

だから、魔導具のアイデアでもなんでも、恩返しになるなら、いくらでもって感じよ?



すったもんだを繰り返した転移の魔導具は後日、両方とも納得いくものか完成し、ギルド登録時に一悶着あったらしい。

魔法陣をなぜ公開しないのかとかなんとか、理と理芳でギルマスを論破して、非公開の非売として登録してきた。

マーカー設置タイプの転移の魔導具と、マーカー強制キャンセラーは、高額にも関わらず売れているらしい。


どこかの企業のスパイが弟子入りを希望してきたり、神凪コーポレーションの面接に来てみたり、ギルドショップやウィズキャラショップに面接にきたりと、わかり易く増加して理芳と理結の仕事がやたらと増えたのは、私のせいではないと思う。

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