第5章 魔法の修行と予期せぬ才能
翌日の午後、リオたち見習い騎士たちは初めての魔法の授業に臨んだ。教室に入ると、銀髪の美しい女性が微笑みながら彼らを迎えた。
「皆さん、こんにちは。私はルナ・シルバーリーフ。これから魔法の基礎を教えていきます」
リオはルナ先生の話に聞き入った。この世界の魔法は、自然界に存在する魔力を体内に取り込み、意志の力で形を与えて放出するものだという。
「では、実際に魔力を感じてみましょう。目を閉じて、周りの空気を感じてください」
リオは言われた通りに目を閉じ、集中した。すると、不思議なことが起こった。
周囲の空気が、まるで生き物のように揺らめいているのが感じられたのだ。
「これが...魔力?」
リオが小さくつぶやくと、ルナ先生が驚いた様子で近づいてきた。
「リオくん、あなた今、魔力が見えたの?」
「え?はい、なんだか空気が揺らめいて...」
クラス中がざわめいた。どうやらこれは珍しいことらしい。
「素晴らしいわ!」ルナ先生は目を輝かせた。「魔力を視覚化できる人は稀です。あなたには魔法の才能がありそうね」
リオは戸惑いながらも、少し誇らしい気持ちになった。
「では、次は実際に魔力を操ってみましょう。まずは、風の魔法から始めます」
ルナ先生の指導のもと、生徒たちは風を起こす練習を始めた。多くの生徒が苦戦する中、リオは驚くほど早く風を起こすことに成功した。
「すごい、リオ!」エマが驚きの声を上げる。
「いや、これは...」
リオ自身も驚いていた。確かに魔力は見えたが、それを操るのはまた別のはずだ。なのに、どういうわけか体が自然と動き、風を操ることができたのだ。
「君の才能は本物ね」ルナ先生が満足そうに頷いた。「でも、才能に驕らず、基礎をしっかり固めることが大切よ」
リオは真剣に頷いた。
授業が終わると、リオは再び半透明の窓を確認した。
『スキル:運 Lv3』
『新スキル獲得:風魔法 Lv1』
(へえ、新しいスキルまで...)
リオは複雑な思いを抱えながら、部屋に戻った。