表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

第4章 仲間との出会い

翌朝、リオは早めに目覚めた。体の痛みは予想以上に軽く、むしろ昨日より体が軽く感じる。


「これも運のおかげかな」


朝食を済ませ、広場に向かう。昨日と同じく、レオンと他の見習いたちが集まっていた。


「おはようございます」


リオが挨拶をすると、レオンが頷いた。


「よし、今日は基本の剣術だ。まずは木刀を持て」


それぞれが木刀を手に取る。リオの手に渡った木刀は、サイズがちょうど良く、重さも絶妙だった。


「二人組になって、基本の動きを練習しろ」


レオンがそう言うと、見習いたちはペアを作り始めた。リオはどうしようかと迷っていると、


「ねえ、一緒にやらない?」


明るい声が聞こえた。振り返ると、金髪の少女が笑顔で立っていた。


「あ、うん。お願いします」


「私はエマ。よろしくね、リオ」


どうやら、昨日の自己紹介を覚えていてくれたようだ。


二人は向かい合って立ち、レオンの指示に従って動きの練習を始めた。


最初は互いに遠慮がちだったが、徐々にリズムが生まれてきた。リオの動きは素人離れしていて、エマを驚かせた。


「すごいね、リオ。昨日まで剣を握ったことないんでしょ?」


「うん、でも何となく体が覚えていくみたいで...」


実際、リオ自身も驚いていた。レオンが見せる動きが、まるで以前から知っていたかのように自然に体に入ってくる。


「羨ましいな。私なんて、まだぎこちなくて...」


エマが少し落ち込んだ様子を見せる。


「大丈夫だよ。一緒に頑張ろう」


リオが励ますと、エマは笑顔を取り戻した。


練習の合間に、二人は自己紹介を交わした。エマは王都から来た商人の娘で、騎士に憧れて見習いになったという。


「リオはどうして騎士を目指したの?」


「えっと...」


リオは言葉に詰まった。転生してきたばかりで、自分の背景すらよく分かっていない。


「実は、よく覚えてないんだ。でも、何かのために強くならなきゃいけない気がして...」


エマは不思議そうな顔をしたが、それ以上は追及しなかった。


「そっか。じゃあ、一緒に強くなろうね」


エマが差し出した手を、リオはしっかりと握り返した。


その日の練習が終わると、レオンが全員を集めた。


「明日からは、朝の走り込みと基礎トレーニングの後、午前中は剣術の練習だ。午後からは魔法の基礎を学ぶ」


魔法。その言葉にリオは身を乗り出した。ここは魔法の存在する世界なのだ。


「楽しみだね」エマが囁いた。


リオも頷く。剣も魔法も未知の領域だが、不思議と恐れは感じなかった。むしろ、これから始まる新しい挑戦に胸が躍る。


「よーし、明日も頑張ろう!」


エマの元気な声に、リオも「うん!」と元気よく返事をした。


二人は別れ際に約束をした。明日の朝、広場で待ち合わせて一緒に走ることに。


部屋に戻ったリオは、今日一日を振り返った。剣の練習で見せた意外な才能。そして何より、エマという新しい友人ができたこと。


(運がいいのか、それとも...)


考えていると、また例の半透明の窓が現れた。


『スキル:運 Lv2』


いつの間にか、スキルのレベルが上がっている。


「へえ...」


リオは小さく笑った。明日はどんな一日になるのだろう。期待に胸を膨らませながら、少年は再び深い眠りについたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ