1/11
第1章 突然の転生
高校3年生の佐藤遼は、いつもの様に放課後のバイトへ向かう途中だった。信号が青に変わるのを待っていると、突然後ろから誰かに強く押された気がした。
「え?」
振り返る間もなく、遼の体は道路へと投げ出された。次の瞬間、大型トラックのクラクションと、タイヤの軋む音が耳に飛び込んできた。
「うわあああっ!」
目の前に迫るトラックのヘッドライト。避ける間もなく、遼の意識は闇に飲み込まれた。
...
気がつくと、遼は真っ白な空間にいた。
「ここは...天国?」
呟いた声が虚空に吸い込まれていく。
突如、目の前に巨大なホログラムのような画面が現れた。
『異世界転生システム起動中...』
「え?異世界転生?まさか本当にあるの?」
驚く遼をよそに、画面は次々と変化していく。
『適性スキル診断中...』
『診断完了』
『付与スキル:運』
「運...?それだけ?」
遼が首を傾げていると、新たな文字が浮かび上がった。
『転生先世界:魔法剣技の世界 ファンタジア』
『転生準備完了』
『3』
『2』
『1』
『転生開始』
「ちょっと待って!説明が...」
遼の声も空しく、意識は再び闇に落ちていった。