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燃え燃えキュン!!



「おいしくな〜れ、萌え萌えキュン!」

 

 ほとんどの女子が恥ずかしそうに美味しくなる魔法を唱えているが、斐芽は全く恥ずかしがらずに魔法を唱えている。

 流石アイドルだな、他の女子たちとは潜り抜けてきた場数が違いすぎるな。


「おいしくなーれっ!!燃え燃えキュンっっ!!!!」


 一方で琢磨は全く恥というものはなく、真面目にやっているが……お前は今から炎の魔法を使う気か?


「佑ちゃーん、3番テーブルのご主人様コーヒーおかわりだってー」


「今から作るからちょっと待ってくれー!」


 メイド喫茶というものが珍しいのか、うちのクラスは大繁盛である。

 俺はさっきまでは接客していたが、オーダーがうまく捌けていない為、今は裏方をしている。


「流石がルフランでバイトしてるから佑は手際がいいね」


 久志は最初から裏方で飲み物や料理の準備をしている。

 本人曰く、『メイド服を着るのは全然構わないが、接客より料理を作る方が好きだから裏方希望』との事。


 まぁ、久志が淹れるコーヒーや料理は絶品だからな。

 俺も負けてられないぜ!


「佑ーっ!4番テーブルに指名が入ったわよー!」


「指名って、そんな制度あったか?」


「いいから早く行きなさいよ!」


 桃歌に急かされ4番テーブルに向かった。




――――


「きゃーっ!!!!神谷くん可愛いっっ!!!!」


 俺を指名(?)したのは鳥牧さんであった。

 文化祭の時にうちのクラスに来るとは言ってはいたのだが、本当にくるとは……。


「お嬢様にご指名を頂きました佑子です。ご指名して頂き誠にありがとう申し上げます」


 一応俺がメイドという設定なので声は高めで、女の子らしい仕草で鳥牧さんの接客を行う。


「いやぁぁぁっっ!!!!佑子ちゃん尊いよーーっっ!!!!」


 鳥牧さんもう少し声のトーンを落としてくれ。

 他のお客さんがびっくりしてるでしょ。


「杏ちゃん、あんまし大きな声で叫んでると出禁になっちゃうわよ」


 桃歌は素の状態で鳥牧さんに声をかけた。


「おい、桃歌。お嬢様に対して失礼だぞ!!」


「うわっ、今まで高い声で喋っていたのに急に地声を出さないでよ。その姿で急に地声になったらびっくりするじゃない」


「はぁはぁ、佑子ちゃんの顔で神谷くんの地声……良いっ!!」


 なんか鳥牧さんの表情が怖い。


「桃歌ちゃん、佑子ちゃんをお持ち帰りしても大丈夫かな?」


「それはダメに決まってるでしょ。うちはそんなお店じゃないわよ!」


 鳥牧さんにお持ち帰りかぁ……かなり嬉しいのだが、俺はお持ち帰りされたら何をされるのだろう?


「ダメだぁ!!佑子は渡さんぞ!!」


 離れた場所からやってきたのは琢子ちゃんこと琢磨である。


「佑子をお持ち帰りするのは俺だっ!!絶対に渡さんぞ!!」


「くっ、まさかここでBL……いや、百合展開が起きるなんて……」


「いや、俺は誰にもお持ち帰りはされないぞ……」


 こんなわーわーといつものメンツでやっているが、俺の頭には佐と高嶺さんの事が頭から離れなかった。

 2人とも何してんだろうな……。

 よし、休憩時間になったら2人のクラスでも覗いてみるか。


 そして何も進展がなさそうだったら……。

 俺が高嶺さんに告白する!!!!

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