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そういえばそんな設定だったね。



――――


 フラグは回収された。

 見事に俺が買い出しに行く事になった。

 ていうか、何で10人以上いるのに俺がパー出してみんなチョキを出すんだよ。

 ある意味奇跡だぞ。


 時刻は放課後であるが、他の生徒も文化祭の準備があるのか、下校している生徒は少ない感じだ。


「あれ、神谷くんも買い出しに行くの?」


 目の前に現れたのは鳥牧さんである。


「おー、鳥牧さんじゃん。いかにも今から買い出しに行くんだよ。鳥牧さんも買い出し?」


「そうだよ!うちのクラスはバルーンアートの展示と実演でまだ風船が必要だから今から買いに行くんだ」


 こんなクソ暑い中で女の子に買い出しに行かせるなんて鳥牧さんのクラスの男子は何やってるんだか。


「それなら一緒に買い出しに行かない?1人で買い出しっていうのも寂しいし」


「え、いいの!?行くよーっ!!」

 

 俺の提案に鳥牧さんは大喜びであった。

 鳥牧さんも1人の買い出しは寂しかったんだな。

 




――――



「ふぅ、意外に重いなぁ」


 頼まれたのは布や飾り付けに使いそうな物、後は喫茶店という訳でコーヒー豆や紅茶の葉も買ってきた訳だが、どうせやるんだったら美味しい方が良いだろうとの事でバイト先から格安で購入した。


 ところで店長は『佑も隅におけない奴だな』と意味深なセリフを吐いていた。

 いや、俺と鳥牧さんはそんな関係じゃないからな!


「えっと、少し手伝おうか?」


 一方の鳥牧さんは風船を購入しただけで、荷物は軽い。

 本音を言えば少し手伝って欲しいのだが、男っていう生き物は女の子の前ではカッコつけたい生き物なのよ。


「あはは、俺結構力持ちだからへーきよへーき!」


「そういえば、神谷くんのクラスはメイド喫茶をするって桃歌ちゃんに聞いたんだけど」


「そうだよ。しっかり男もメイド服に着替えて給仕するんだよ」


「ぶっふぅっ!まさか神谷くんもメイド服着ちゃうの?」


 ぶっふぅっ!ってどうやって声に出したんだろうか?


「おー、勿論よ。俺がやるからには一流のメイドになってみせるぜ」


 最近はネットでメイドの作法などを勉強している。

 やるからには妥協という言葉はない。

 

「神谷くんやる気に満ち溢れているね!私も神谷くんたちのメイド姿を拝みに行こうかな」


「是非とも来てちょうだいな。美味しいコーヒーを淹れてあげるよ」


「いや、私……コーヒーは飲めないんだよね……」


 鳥牧さんにとってコーヒーはノーサンキューらしい。


「でも、神谷くんのメイド姿は楽しみだなぁ」


「えー、流石に俺は似合わんでしょ。爽ちゃんならまだしも」


 別にメイド服を着るのに全然抵抗はないのだが、似合う似合わないは別のこと。

 流石に似合わんだろ。


「神谷くんなら似合うと思うけどなぁ。想像しただけでも……」


 鳥牧さんは真っ赤に顔を染めた。


 まさか、鳥牧さんは女装子が好きなのか?

 確かにBLは好きだと聞いていたが、女装子ってどの分類にはいるんだ?


「ま、まぁ、俺にあまり過度な期待はしないでね……」


 因みに接客は基本女子の役割だ。

 男子は基本的に裏方が主な仕事である。


 メイド喫茶だと思って来た琢磨みたいなマッチョマンが注文をとりに来たら嫌だろ?


 それとも一部の層には有りなのか?


 そんな会話をしながら鳥牧さんと並んで学校に戻った。

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