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昼ごはんはアイドル弁当?



――――


『これで午前の競技は全て終了となります。生徒の皆さんは午後に備えてゆっくり休憩して午後の競技に備えてください』


「よっしゃ、昼メシだっ!!」


 午前の競技が終了し、昼食の時間になった。

 爽ちゃんは家族に連れて行かれた為、俺、久志、琢磨と食べることにしたのだが……。


「ゆーくーん!はいっ、お弁当だよ!」


 斐芽に『お昼ご飯は準備しなくても大丈夫だよ〜』と言われて何も準備してなかったけど、斐芽がまさか弁当を作ってくれてるとは……。


「さて、ゆーくん、あちらで話をしましょうねー」


「そうだねー、あっちで一緒に食べようねー」


 と、久志と琢磨が腕をがっちり首をがっちり回され連行される事になった。


 そんな訳で現在屋上に来ている。

 

 勿論、うちの高校の屋上は周囲のフェンスが高い為、屋上で弁当を食べる事ができる。


 俺たち以外にも何人か集まって食べているようだ。


「佑っ!!どういう事だ!!あやちーに愛妻弁当を作ってもらうなんて」


 斐芽は妻じゃねぇ、ただのいとこだよ。


「くぅー、羨ましい!!俺なんて自作の弁当なんだぜ!!」


 琢磨が取り出したのはどか弁で中身は唐揚げ、卵焼きなどと王道の食材が入っていた。

 見かけによらず、料理がうまいな。


「僕なんて両親が朝から忙しかったから、さっき出前で頼んだ鰻重なんだぞ!!」


 体育祭の日に出前なんて頼むなよ!

 てか、鰻重の方が良くないか?


「さーて、あやちーはどんな弁当を作ったんだい?僕たちに見せておくれ」


「久志、気持ち悪いぞ……」


 斐芽から受け取ったいつもの俺の弁当の蓋を開けると……。


「「おぉっっ!!!?」」


 王道の卵焼き、タコさんウィンナーなどのザ・女の子って感じで色とりどりの中身である。


「おー、これ美味しそうだな!」


 確かに男なら琢磨の弁当、美味しい弁当なら久志の鰻重だが、斐芽の弁当には2人の弁当を超えた物があった。


「「羨ましいぃぃっ!!」」


「ふっふっふ、それでは頂きまーす!」


 羨ましがる2人を横目にまずは卵焼きを一口……。


「ど、どうなんだ?やっぱ愛の味がするのか?」



「…………はっ!!今意識が飛んだぞ」


「うぉ、意識が飛ぶほど美味いのか?」


「意識が飛ぶほど……激甘だ……」


「「はぁっ?」」


 試しに他のおかずに手をつけてみるも激甘である。

 間違えの無いようもう一度言うが、激ウマではなく激甘だ。

 何もかも甘い味しかしない。


「はぁ、あやちーも女の子だから味付けは甘めの方が好きに決まっているだろ……」


「じゃあ、試しに食ってみろよ!」


 2人が斐芽弁当の味見をする。


 そして、2人は固まってしまった。


「佑、つまりあやちーはお前に甘いって事だよ……」


「なぁに、愛があればどんな物でも食べられるさ!」


 2人は俺の肩を叩く。

 つまり、2人もこの弁当はヤバいと思ったのだろう。

 これ全部食べたら血糖値が爆上がりだぞ。


「……2人とも、現役アイドルの作った弁当だぞ」


「あー、僕には鰻重があるから大丈夫だよ!」


「おぉ、俺も自分で作った弁当があるから大丈夫。てか、佑はそれしか食べる物ないだろ?」


「…………俺の辞書にお残しという言葉はないっ!!!」


 せっかく斐芽が朝早く作ってくれた弁当、俺はそれに対し完食するのが礼儀だ!!


 俺は弁当を掻き込んでいった。



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