だいたい歓迎会にはケーキが出て来そう。
――――
「ようやく片付いたーっ!」
荷物の整理をする事数時間。
ある程度まで片づける事ができた。
「おー、ありがとー!流石ゆーくんだ!」
気がつけば日も暮れていた。
女性の荷物の量には驚くばかりだな。
「おーい、佑ー!斐芽ー!ご飯だぞー!」
いつの間にか帰って来ていた佐がやって来た。
「お前……帰って来てるんだったら手伝えよ」
「帰って来たらストレッチをしてるから手伝う暇はない」
お前、斐芽に嫌われるぞ?
「あ、たーくん、久しぶりだねー。元気だった?」
「元気だぞ」
「…………」
「…………」
斐芽と佐の会話終了のお知らせ。
昔から斐芽と佐は話が合わない感じだ。
仲が悪いとかではなく、昔から俺がいないと場がもたないのだ。
今め『ゆーくんなんか話してよー』と斐芽は目線を送っている。
「まぁ、とりあえず夕食ができたんなら食べにいこうぜ」
「そ、そうだね!」
――――
「ではでは、斐芽ちゃんが神谷家にやって来たお祝いとして……」
「「「「かんぱーい!!」」」」
本日の夕食は斐芽の歓迎会を兼ねている為いつもより豪華だ。
「わー、美味しそうだなぁー!」
斐芽の大好物のハンバーグやからあげ、チキンライスなどなどが並んでいた。
あとは食後はケーキもあるらしい。
「斐芽ちゃん、遠慮しないでいっぱい食べてね!」
おかんは斐芽が来てとても嬉しそうである。
「はーい、いただきまーす!」
「うーん、うちは男だらけだから斐芽ちゃんがいるだけで本当に癒されるわー」
「まぁ、女の子がいるだけでなんか違うよな」
「そうか?あんま変わらん気がするが……」
走る事しか考えてない男には分からん事だよ。
「やっぱりアイドルって大変なのか?」
「うーん、大変じゃないって言えば嘘になっちゃうけど、みんなの笑顔が見られるから楽しいよー!」
「そんなもんなのか、ところで斐芽はいつの間にアイドルになったんだ?」
割と前から気になっていた事である。
「え、ゆーくんが昔『歌って踊るのが好きならアイドル目指したら』って言ったじゃーん!」
「え、そんな事言ったけ?」
確かに昔から斐芽は歌ったり、踊ったりするのが好きだった気がするが、俺がそんな事言った記憶はないな。
「言ったよー!それがあったから中学の時にオーディションを受けてアイドルになったんだよー!」
やばい、全く覚えていない……。
「佑は自分が言った事も覚えてないなんてねぇ、親の顔を見てみたいわぁ」
「いつも鏡で見てるだろ!」
「そうそう、夏芽ちゃんは元気?」
「うん、お姉ちゃん元気だよー。脇役だけどドラマの出演が決まりそうだって!」
夏芽とは斐芽の姉である。
斐芽は天然系であるが、夏芽こと夏姉はしっかり者であり、昔から俺たち双子の世話をよくしてくれたもんだ。
今は確か女優の卵なんだっけ?
「私もお姉ちゃんみたいな演技できるようになりたいなぁ」
「でも、斐芽は歌やダンスは上手いだろ?この間見た時は斐芽はこんなに歌やダンス上手かったんだーって思ったぞ」
「えへへっ、ゆーくん褒めて褒めてー」
斐芽は大変嬉しそうな感じで喜んでいた。
「でも、斐芽ちゃんも大変ね。今週の土日も東京に行くんでしょ?体を大事にしなさいね!」
「はーい、靖子さん心配してくれてありがとー!」
その後もアイドル事情や昔話にふけて、夜を明かしていった。