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可愛いは正義!



――――


「着替え終わりました……」


着替えると言われ、どこか別の場所で着替えるのかと思っていたが、まさかの近くの茂みで着替えを始めだした。

待ち時間の間もシュルシュルと服が擦れる音がして、無性にエロい。

『俺、ワクワクするぞ!』と言いたいとこだが、流石にそんな事は言えない。


そして目の前に現れた鳥牧さんは長い髪を二つに結び、素朴そうな見た目だが、メイク無しでも十分に可愛い。


「おぉ、鳥牧さん、可愛い……」


「はわわっ、そんなお世辞を言っても何も出てこないですよ!」


お世辞ではないのになぁ……


「えっと……さっきの何故ここでコスプレをしていたのかの件ですけど、単刀直入にいうとここで自分のコスプレを撮っていたからです」


 話を聞くと『めっちゃっ!!貴族学園!!』を見てコスプレをしたい!!って思ったらしく、衣装を作成。

 いざ、撮影となったものの次は撮影場所に困ったみたいで、スタジオを借りようにも予算はなし。

 どうしようかと悩んだ挙句、自分の高校で撮ろうと思ったらしい。


「出来るだけ人の目につかないところで撮っていたつもりなんですけど……」


「俺がノコノコやって来てしまったと……」


「お願いです!この事は先生や他の人には言わないでください。お母さんやお父さんに迷惑をかけたくないので……」


鳥牧さんは涙目で訴えてくる。


「別に他の人に言うつもりはないんだけど……。てか、何で学校でコスプレしたら鳥牧さんの両親に迷惑がかかるの?」


「え、だって、規則違反ですし……」


「いやいや、うちの校則で校内でコスプレをしたらダメだって書いてないし。鳥牧さんもただ自分のコスプレを撮っていただけで何も悪いことしてないじゃん」


 一応ポケットに入っていた生徒手帳を確認するけど、やはり校内でコスプレをしてはいけないとは書いていない。


「う、うん、それはそうなんだけど……」


 鳥牧さんは少し驚いた顔をしていた。

 俺は事実を言っただけだし、それに……


「鳥牧さんのコスプレ可愛かったし、それで文句は言われないでしょ。可愛いいは正義でしょ!」


「か、可愛いっ!???」


 今度は大層驚いた表情をされた。

 何でそんなに驚いているのだろう?


「わ、私が可愛いいだなんて、そんな……」


 鳥牧さんと話していると昼休みが終わるチャイムが鳴りだす。

 確か五時間目は英語の授業だっけ?

 担当の先生は中々厳しいから遅れたらめんどい。


「鳥牧さん、次の授業に遅れるよ!後、『めっちゃっ!!貴族学園!!』俺まだ見た事ないから今度どんな内容か教えて!」


「……うん、分かった」


 あ、せっかく来たのに飲み物買うの忘れてた。

 まぁ、飲み物を買う事より貴重な体験をしたからよしとするか。



『なんか、噂で聞いた人とは別人の気がする……』


 鳥牧さんが何か言っていたようだが、俺は急足で自分のクラスに戻った。








――――

 

「ゆーちゃん、昼休み帰ってくるの遅かったけど、どしてたの?」


 五時間目が終わり休憩の時間、爽ちゃんがこっちにやって来た。


「うーん、神秘と出会った?感じかな」


「まさか、校舎裏で地味な女の子とイチャコラしてだと言うのか!?」


 イチャコラはしてないけど、大体合っていることが怖い。

 エスパーかこの筋肉は?


「シチュエーション的に佑が声をかけて女の子が『はわわわ!』ってなって倒れて女の子のパンツが見えてしまったのだな」

 

 ……やっぱりエスパーだ。それか現場にこいつはいたのか?

 ピンクのパンツは見えたが、倒れる時は『はわわ!』じゃなくて『ぴゃゃーっ!!』だったけどな。


「流石にそんなラブコメみたいなことは……ないか?」


「何で俺に聞くんだよ」


「まぁまぁ、ゆーちゃんにも言えないことが色々あるんだよ」


 爽ちゃんが話を締めると同じぐらいのタイミングで次の事業の予鈴がなった。

 因みに久志は、休み時間も勉強してることがあり、今も問題集を手に勉強中なのである。

 その姿はまさにインテリイケメン。

 そもそも、爽ちゃんは爽やかイケメン。琢磨は強面マッチョイケメンでクセは強いが3人とも俗に言う黙っていたらイケメンなのだ。



 …………あれ、俺は?

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