女子会って男参加OKなんですか?
「いやいや、私はムカつくチャラ男を制裁したかっただけだから気にしないで」
「そういえばあの後に同じチャラ男先輩にまた絡まれたのよね。ルフランで」
「はぁっ?あの野郎はまだ懲りてなかったの?桃歌たちは大丈夫だった?」
「李里奈ちゃん、あんま女の子がはぁっ!?とか言ったらダメだよ」
怒る李里奈をタケは宥めていた。
「大丈夫だったよ。たまたまルフランで佑が働いていたから助けてくれたの」
「あぁ、佑ってそこで働いていたんだ。なら大丈夫そうね」
「あれ、そいつってもしかして神谷佑の事?」
そういえばいつの間にこのカップルはあたしたちの席に座ったのだろうか?
「そうそう。その神谷佑」
「ま、まじか……」
タケは青ざめた表情をしていた。
「なに冷や汗のよ。タケは男でしょ!いちいちビクビクしない!」
「え、え?なんで神谷くんの名前を聞いてそんな反応になっているの?」
ヒソヒソと杏ちゃんがあたしに話しかけてきた。
「うーん、これは話して良いことか悪いことなのかなぁ……」
「別にいいんじゃないの?減るものでもないし」
李里奈は呑気にコーヒーを飲んでいた。
「じゃあ、タケ!アンタが杏ちゃんに説明してあげなさいよ」
「えぇー、俺ですか?嫌でもこれを言って神谷にバレたら俺李里奈ちゃんに二度と会えない体になるよ?」
「そんときはタケがその程度の男だっただけの事よ」
「それは酷いよっっ!!!!」
なんだかんだで李里奈と彼氏さんは仲が良い感じなんだなぁ。
「お願いします!教えてください!」
お、やっぱり佑の事になると杏ちゃんは積極的ね。
「うーん、分かったよー。でも、俺も詳しい訳じゃないんだけど……」
――――
「なんか俺の話で盛り上がってるみたいだけど、何話してんの?」
聞き馴染みの声がする方に行ってみると桃歌と鳥牧さん、そして桃歌の友人の……名前は確か李里奈だっけ?あと、男1人が話していた。
俺の事を話しているみたいなので4人に声をかけた。
「か、神谷くんっっっ!!!?」
「ひぃぃぃっっっ、神谷っっっ!!!?」
「「あ、佑、いたの?」」
「なんか、4人で楽しそうだな。俺たちも混ぜてくれよ」
俺の背後からヌッとナイス筋肉の琢磨が姿を現す。
「ひゃあぁぁぁっっ!?地頭までいるーーっっ!!?」
なんか、この男面白い奴だな。
「いやー、琢磨と街中公衆電話はいくつあるのか探していて、休憩がてらここに寄ったんだよ。そしたらたまたま桃歌たちがいたってわけ」
「アンタたちはこの暑い中で何しょうもない事してるのよ……」
桃歌は呆れた感じで言った。
いやだって気になったんだから仕方がないだろ。
「話を戻すけど、なんで俺の話をしてたんだよ?」
「えーと、ほらアンタがなんでヤンキーから恐れられているのかって話よ」
「「えぇっ!?そうなの!?」」
「杏ちゃんはともかくなんで佑まで驚いているのよ……」
いや、これに関しては俺は身に覚えもない。
ラブ&ピースをモットーにしている俺がヤンキーから恐れられているなんて……。
「あぁ、俺と佑が仲良くなった時の話かぁ」
琢磨は懐かしそうな表情を浮かべていた。
「神谷くんと地頭くんが仲良くなったきっかけがヤンキーさんと関係あるのですか?」
「勿論!それがきっかけで俺はオタクという真の自分の姿に目覚めたし、佑もヤンキー界隈では伝説になったよな」
「いやいや、あの時はたまたまだろ。伝説になる事はしてないぞ」
「謙遜すんなって、アレは入学式が終わってしばらく経ったころだな」
琢磨はあの時の出来事を懐かしむ様に語り出した。