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兄より優れた弟はいないはず?



 そんなわけで俺が唯一、佑に勝てるであろう走る事。


 その結果がこれなのだから俺の落胆する気持ちは他の人には分かるまい。


「また頑張ろうよ佐くん!今日で陸上人生が終わるわけじゃないよ!」


 桜子に励ましてもらって正直に嬉しい。

 たが、桜子は佑の事が好きなんだろ?

 最近色々佑に相談しているみたいだし、それに佑は嫌な顔せず何でも相談に乗ってくれる。


 この点でも俺が佑に嫉妬している点でもある。


「そうだな。帰ったらさらに練習を増やす事にしよう」


「いやいや、これ以上練習したら佐くん怪我しちゃうよ?まずはゆっくり体を休めて、それから練習だよ!」


 桜子はそう言っているが、俺には走る事しか取り柄がない。

 走る事を止めたら俺は俺でなくなるからな。


 そう自分に言い聞かせていると、噂の奴からメールが届いた。


【佐お疲れ様さん!結果はどうだった?】


 そう、佑からである。


 【ビリだった】


 【そっか、まぁ、まだ1年だし来年は優勝だろうな!】


 ……コイツは全く俺の心情が分かっていないらしいな。


 【仮に佑が走ったら1位になれたか?】


 思わず本音をメールに書いてしまった。

 でも、佑なら1年生で優勝する事が出来るはずだ。


 【何を言ってんだ?お前より遅い俺が優勝出来るわけねぇだろ!1年生でインターハイの決勝にいって天狗になったのか?】


 ……怒られてしまった。


「ほら、佐くん、先生がお疲れ様会するみたいだから早くみんなのところにいこうよ!」


 桜子が手を差し出してきた。

 これは握っても大事なのか?


「分かった。とりあえず俺は焼き肉が食べたい」


 差し出された手を握ると桜子は何か顔が赤くなっている様であるが、熱があるのか?





――――


「ったく、佐の奴は何考えているのやら」


 コスプレイベントを楽しみ帰宅。

 余韻に浸かっていたのだが、佐の試合結果が気になり、メールしてみたのだが、何やら結果が悪く落ち込んでいだらしい。


 しかも、俺が走ったら1位になれたか?とか聞いてきたし、何を考えているんだ?

 俺が走ったら息切れで何周も周回遅れになるのがオチだろ。


 アイツは昔から俺に対抗心むき出しだもんなー。

 よく兄より優れた弟はいないとかいうけど、多分うちの場合は俺よりも佐の方が優れてると思う。


 だって、アイツは1年生の中で爽ちゃんに次いでモテるし、一つのことにしっかり努力してるからなぁ。


 俺みたいに特に何もしないで風見鶏みたいにフラフラしてないもんなー。


 まぁ、そんな事よりもまだ見ていないアニメの続きでもみるかな。


「佑ーっ!!ごはんよー!!」


 ……まずは夕食でも頂きましょう。

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