杏ちゃんは可愛いよー!
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「はぁ、なんか憂鬱だ」
時は経ち月曜日、つまり鳥牧さんと遊びに行く日だ。
一応、多少はしっかりした感じでいこうと思っていたが……
【神谷くんはいつも通りの感じできてねー!】
こんなメールが来たのだ。
とは言っても、髪はぐらいは切ってくればよかったな。
俺の髪が肩まで伸びており、正直邪魔だ。
いっその事、坊主頭にしてやろうかと考えている程だ。
まぁ、散髪に行く時間があれば、アニメや漫画見ているのだが。
本当なら楽しみである鳥牧さんとのデートも佐の爆弾発言により、意気消沈しているのである。
まさか、アイツが高嶺さんの事が好きだなんてな。
「あ、神谷くーん!」
待ち合わせ場所で待っていると鳥牧さんが現れた。
スカートに肩が出ている服……この服なんて名前なんだろう?
とりあえず、オシャレな感じである。
「ごめんね、待ったかな?」
「今来たところだから大丈夫よー。因みにどこに遊びに行く?」
「とりあえず、私たちの共通点はオタク。ということグッズ巡りをしましょう!」
とりあえず、グッズ巡りをする事になった。
まぁ、普通の男女でデートする所ではない気がするのだがな……
――――
「はわわわぁー!!神谷くん見てください!!リョースケくんの限定フィギュアですよ!!めっちゃカッコいい!!」
俺は大興奮の鳥牧さんと一緒にいた。
リョースケとは腐女子界隈では人気の【ダンクの王様】というバスケ漫画の主人公である。
確か小柄ながらもダンクを決めるカッコ良さとクールな性格が人気だとか。
俺も原作は読んでいるので大体内容は知っている。
「あー、このフィギュア欲しいなぁー。でも、買ったらお小遣いが無くなっちゃうー」
この限定リョースケフィギュアの値段はなんと3万円。
かっこいい感じに『買ってあげようか?』と言いたいのだが、これを買ってあげたら俺のバイト代が消し飛んでしまうので、残念ながら買ってあげる事は出来ない。
「あ、ごめんなさい。私だけ盛り上がってしまって……。神谷くんはあまり興味がないよね?」
「いやいや、俺も原作読んでるしリョースケ好きだからカッコいいと思うよ」
実際に腐女子界隈だけでなく普通に人気漫画なので、内容も男同士の友情が熱くて面白いのだ。
「そうなの!?神谷くんは誰を推してるの?」
「俺はリョースケも好きだけどアシベが好きだなぁ。何か俺様な感じで」
「アシベも良いよね!!俺様って感じだけど実はめっちゃ仲間想いだし!!」
ダンクの王様で盛り上がる鳥牧さん。
やっぱり、鳥牧さんは可愛いなぁ。
「あ、私ばかり見たいもの見て申し訳ないし、神谷くんも何か見たいものある?」
「あー、俺は鳥牧さんが見たいものがみうかなぁ。俺の知らないジャンルも知りたいし。何より鳥牧さん見てるの可愛いし」
「可愛いっっ!!!?」
あ、やべっ、口を滑らせて思っていた事を喋ってしまった。
これは……セクハラになるのかな?
「そ、そんな煽てても何も出てきませんよ!?」
と、顔を真っ赤にする鳥牧さんなのである。
その後も鳥牧さんとグッズ巡りを……というか鳥牧さんによるBLの講座が始まり、新しい世界を知る事ができた。
まぁ、BLも悪くないかな……腐男子になる訳じゃないけど。




