夏はコスプレっしょ!
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「いやー、楽しかったなぁ」
メイド喫茶後はカラオケでアニソンを歌いまくり。
気がつけば夕方になっており、実に楽しい休日であった。
「皆さん、歌上手ですね。私オンチだから……」
「いやいやー!高嶺さんも上手だったよ!」
気づけば鳥牧さんは爽ちゃん、久志、琢磨とも普通に話す事ができていた。
初めは辿々しかったのになぁ。
「私、実は男の人苦手だったんですよ。でも、神谷くんたちとなら普通に話せますよ」
「なら、もう敬語で話さなくても大丈夫だよ。後、いい加減下の名前で呼んでくれ!」
鳥牧さんに下の名前で呼ぶ様に伝えているが、一向に変えようとしない。
何故なのだろう?
「じゃあ、今日で敬語は止めるね!でも、下の名前で呼ぶのは来る時にするね!」
「何故に!?」
え、実は俺、鳥牧さんに嫌われてるの?
『なぁなぁ、久志、何で鳥牧さんは佑って呼ばないんだろうな?』
『はぁ、そんな事も分からないのかこの筋肉は』
『佑の鈍感……』
『え、待って!俺も何でか分からないんだけど!』
あちらは4人でなんか盛り上がってるし。
「あ、そういえば、さっきのメイド喫茶で話してたけど、今年の夏にここにいる6人でコスプレすることに決まったからな!」
「何それ!?聞いてないんだけど!!」
知らないのは当たり前。
俺と爽ちゃん、鳥牧さんで勝手に決めた事だからな。
「コスプレかぁ、ネットで見た事はあるけど、やってみるのは初めてだから楽しみだなぁ」
「おっ!これは夏までにしっかりバルクアップしとかないとな!」
予想通り久志と琢磨はウキウキ気分である。
「無理無理!!コスプレするって恥ずかしい!!」
こちらも予想通りで照れ屋な桃歌は全力で拒否していた。
「えー、ももちゃんのコスプレ見たかったのになぁー」
爽ちゃんは残念そうな表情である。
「うっ……爽太くんが見たいなら……あたし、頑張る。けど、コスプレっていってもどうすればいいか分からないわよ?」
「それなら大丈夫。ここにはコスプレの先輩がいらっしゃるので」
「あはは、私でよかったらコスプレを作ったり、やり方を教えるよ」
そう、鳥牧さんはコスプレ経験者である。
何を隠そう、みんなでコスプレしようと言い出したのは鳥牧さんなのである。
「まじか!鳥牧さんすげーっ!!」
「鳥牧さん、マジサイコー!!」
久志と琢磨からは歓喜の嵐であった。
「まぁ、流石に6人分作るのは大変だから、ちょっとは手伝ってもらいけどね」
「よっしゃ、今年の夏休みは楽しみだぜ!」
その他にも色々夏休みで遊ぶ予定を立てて、俺たちは解散することになった。
今年の夏休みは楽しみだぜ!!