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雨に打たれたい日もあるさ。


「濡れたー!!」


 本日は土砂降りの雨である。

 最低限の体力がある俺だが、雨の中をずっと走るのは流石に堪えるので、公園の屋根があるところで休憩する事にした。

 初夏を迎えてはいるが、流石に濡れると寒い。


「あーあー、今頃佐と高嶺さんは2人で仲良く帰っているんだろうな」


 2人が仲良く歩いているとこを想像したら、今の俺の現状が虚しくなる。

 雨、早くやまないかなぁー!


「あ、神谷くん?」


 雨宿りをしていたら、鳥牧さんがやってきた。

 そして、ずぶ濡れであった。


「おー、鳥牧さん奇遇だね。傘忘れちゃったの?」


「あはは、今日は大丈夫だろうと思っていたけど、結果は土砂降りでした」


 鳥牧さんは少し舌を出し微笑む。

 うん、可愛いな。


「神谷くんも傘を忘れたのですか?」


「あー、持ってきたけど、弟が忘れたみたいだから貸した」


 まぁ、佐に貸したのは事実だからな。


「確か双子で弟の佐くんでしたよね?こんな土砂降りの中傘を貸すなんて神谷くんは優しいですね」


 鳥牧さんは優しいなぁ…… と癒されていたが大変なことに気づいた。


 鳥牧さんのシャツの部分が濡れて透けていたのである。

 それもはっきりピンク色が見えており、俗にいうブラ透けである。


「えっと、鳥牧さん?とりあえずこれ着て」


 俺は着ていたブレザーを差し出した。


「え、ありがとうございます」


 鳥牧さんは差し出した俺のブレザーを羽織った。

 が、肝心の胸元は隠せていなかった。

 それほどに鳥牧さんは巨乳なのだ。

 ……なんか、変な妄想してごめんなさい。変態なもので……


「急な話ですけど、桃歌ちゃんから聞きましたけど、その……高嶺さんの事が好きなんですか?」


「ぶっはっ……!?」


 唐突に何を言い出すのだろうか?

 思わず吹き出してしまった。


「本当に急な話だね。俺ビックリしちゃったよ」


「ごめんなさい、でも、桃歌ちゃんから聞いて気になって……」


 桃歌の奴め……


「えーと、好きというよりも気になっているっていうのが正しいのかな?まだ初恋まだだしな」


「そう……なんですか」


『じゃあまだチャンスはあるかも』


 なんか小声で言った気がするけど気のせいかな?


「ところで神谷くんはアニメが好きなんですよね?今期の夏アニメで気になるものありますか?」


「おー、それ聞いてくる?話せば長くなるよ」


「望むところです。私もオタ知識には自信ありますよ!」


 と、恋バナよりもオタトークで盛り上がり、時間が過ぎていった……





――――


「お、雨止んできたな」


 話に夢中になっていたらいつの間にか雨が止んでいた。


「なんか名残惜しいですけど、そろそろ帰りましょうか。とその前に」


 鳥牧さんはカバンからスマホを取り出した。


「連絡先交換しませんか?また、神谷さんとオタトークで盛り上がりたいですし」


「いいよー!俺、家族と桃歌以外の女の子と連絡先交換するの初めてだー」


「え、そうなんですか?なんか嬉しいですね」


 満面の笑みを浮かべながらスマホをいじる。

 鳥牧さんは可愛いし優しいから色んな男から連絡先を聞かれているんだろうなー。


「よし、これでいつでもオタトークできますね」


「いつでも連絡お待ちしてますよー!」


 俺にとって初めての異性のオタ友ができた瞬間である。

 いやー、沈んでいた気持ちが一気に晴れた気がするわ!

 




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