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白は清楚な美少女に良く似合う。



――――


 時は遡り入学式より数日後の話である。

 桜が散り、葉桜になっていき、少し寂しい気持ちになっていた。

 いつも通りの通学路を歩いていた時に春一番のごとく強風が吹いた。


『きゃあ……!』


 小さな悲鳴が前から聞こえた。

 しかし、それ以上に目についたものがあった。

 ……それは【白のパンツ】である。それもモロ見えであった。


「……見ました?」


 スカートを押さえつつこちらを振り返ってきたのは何とも可憐な美少女であった。

 恥ずかしかったのか赤面している様子である。


「えっと……何のこと?」


 本当は脳内に真っ白なパンツが焼き付いているが、見ていないていでいる事にした。

 流石にバッチリ見えました!って言ったらビンタが飛んできそうだし。


「な、何でもありません!って、あなた、何処かで会いませんでした?」


 何やら美少女様はこちらに近づいてきた。


「いやー、流石に初対面だと思うよ。君みたいな美少女忘れるわけないし」


 俺の記憶を辿っても全く覚えていない。

 というか、こんな美少女と会ったら忘れるわけないと思う。


「あ、もしかして、佐くんのお兄さんですか?顔がそっくりだし」


「そだよー。という事は3組の人?」


 因みに佐は3組で隣のクラスである。


「やっぱりー!双子だから顔そっくりですね!」


 満面な笑みを浮かべてくる美少女。

 私立の男子校出身であった俺の心はいとも簡単に射止めるには造作もなかった。

 

「あ、今更なんですけど、私は高嶺桜子といいます。あなたのお名前は?」


「え、佑だけど……。後、タメだから敬語じゃなくても大丈夫だよ」


「佑くんか、これからもよろしくね!」


 彼女がそう言うと同時に強い風が吹き、桜の花びらが舞い散り、彼女のスカートが舞い上がる。

 やはりまごう事のない、白色で彼女に良く似合っている……と思う俺はやはり変態か?


「……見た?」


「……うん」


 今度は流石に誤魔化しきれない。


「見た事は忘れてー!」


 彼女は走り去っていった。





――――


 これが高嶺さんとの出会い……なのだが。


「白パンツがきっかけではないんだよね……」


「佑ちゃん、いきなりパンツのこと語ってどうしたの?」


「そうか、佑は白のおパンツが好きなのかい?僕は青の縞パンが好きだよ」


「おう、俺はイチゴパンツが好きだ!」


 久志と琢磨は自分の好きなパンツをカミングアウトしていた。

 現実にそんなパンツ履く女子はいるのか?


「パンツの好みの話はしてねぇよ!しかも、俺が好きなのは淡いピンク色のパンツだ!」


 勿論、白パンツがきっかけで高嶺さんが気になりだしたのではない。

 その後も俺に偏見なく声をかけてくれたり、笑顔を見せてくれたりと、オタクではない清楚な美少女からそんな事されたら気にならないわけがない。


「因みに俺はクマさんパンツが好きだよ」



『ねぇ、聞いた?爽太くんはクマさんパンツが好きなんだって』


『私クマさんパンツ持ってないなぁ。今日買ってこようかしら』


 相変わらず、残念なイケメンの爽太である。

 いや、クマさんパンツいいとは思うがな……、そんな趣味だがモテる爽ちゃんは凄いと正直に思う。

 

「あ、佑の好きな高嶺さんが来たよ」


 因みにこれは気になっているというより困った事があるのだが……てか、これがあるから高嶺さんの事が好きと思わないようにしているわけで……


「佑くーん!また相談があるのだけど、大丈夫?」


 天真爛漫の笑顔で高嶺さんが俺を呼ぶ。


「えと……また行っちゃう感じかい?」


 久志が少し心配そうな表情をしていた。


「まぁ、行くっきゃないでしょ」


 あんな天真爛漫な表情で呼ばれたら行くしかないでしょ……

 てか、そうすぐで朝礼始まっちゃうよ?


 

 

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