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宴の後始末



ーーーー


「いやー、ひどい目にあったなホント」


 しかし、風紀委員や先生たちも厳しいよな。

 おっ〇いって叫んだだけで生徒指導室に連行して説教するなんてな。


「まったくだよ。絶対僕たちを確保した男たちも絶対おっ〇い好きなはずなのにね」


「しかし、メイド姿で説教されるなんてシュールな光景だったよな」


 体育館から抜け出してすぐに確保された為、俺たちはメイド姿で生徒指導室に連行されたのである。

 先生の中でも笑いをこらえている人も何人かいたぐらいだしな。


「いやー、みんな本当に良かったよ!めっちゃモテ隊サイコー!」


 先生たちに説教を受けていたにも関わらず爽ちゃんは上機嫌であった。


「コラっ!!お喋りばかりしてないでチャキチャキ手を動かすんだ!!」


「えー、ちゃんと手を動かしながら喋ってるからいいじゃん」


 今回の件は流石にお咎めなしとはいかなかったみたいで、罰として校内のゴミ拾いをする事になった。

 勿論、メイド服から制服に着替えている。


 その際に桃歌とすれ違い……


『あんたバカね……』


 と呆れた表情で言われた。

 まぁ、バカな事したとは思ってはいるが、後悔はない。

 何故なら会場は盛り上がっていたのだから。


「おい、神谷兄!!ボーっとしてないで手を動かすんだ。まだゴミ拾いは終わってないぞ」


 再び七三に注意を受ける。

 というかなんでコイツまで一緒にゴミ拾いしてるんだ?


「しかし、佑はよかったのかい?」


 久志は不意に声をかけてきた。


「よかったって何の事だよ?」


「佑は高嶺さんのこと好きなんだろ?なのに佐に塩を贈るようなことして……このままだと佐と高嶺さん付き合っちゃうよ?」


 久志が言う事はごもっともである。

 けど、俺は……。


「いいんだよ。佐と高嶺さんが幸せならな……」


「佑……」


「……神谷兄、これをやろう」


 七三が取り出したのは缶コーヒーだった。


「か、勘違いするなよ。本当はココアを買おうとしたけど間違えてコーヒーを買ってしまって、いらないからお前にやるだけだからな!」


 意外と七三って優しいんだな。

 俺たちの監視とはいえゴミ拾いも一緒にやってくれているし。


「あー、しっかし、もうすぐで文化祭も終わりかぁ。なんか寂しいよな」


「確かにそうだね……文化祭限定のめっちゃモテ隊もこれで解散だよね」


「えー!!解散しちゃうの!?まだまだ続けようよー!!俺寂しいよ」


 一応、本日付で文化祭限定で結成しためっちゃモテ隊は解散となる。

 久志と琢磨は感情に浸っているが、爽ちゃんはまだ続けたいらしい。


「……風紀委員の僕としてはこのまま解散してほしいがな」


 まぁ、今日のような事があるなら、そら風紀委員としてはこのまま解散してほしいよな。


「だが、僕個人としては続けてほしいと思う」


「え、七三もやっぱおっ○いが好きなのか?」


「ち、違う!!あの曲はともかく、他の曲は体育館にいる全員が聞き入っていたのは事実だ。僕もその中の1人だ。破廉恥な事をしないのなら是非とも続けほしいと思っているよ」


「なら、解散するしかないな」


「そうだね。解散しかないね」


「しゃーないな」


 俺たちとしては【みんなが大好きなもの】は名曲で本当はフルで歌いたかったのだ。

 それを歌うなというなら解散も致し方なしだよな。


「なっ……君たちはあんな破廉恥な歌を歌って恥ずかしいとは思わないのか!?」


「いいか、七三。好きなものが恥ずかしくて口に出来ない事こそ自分の気持ちを押し殺す事なんだ。本当に好きなら気持ち押し殺すんじゃなくて、大声で叫ぶべきなんだ」


「その行動が他の人に迷惑をかけるのだ!!少しは見直したと思っていだが、やはり神谷兄は問題児だな」


 七三は呆れ果てているが、他3人は大きく頷いていた。

 そうだよな、俺たちは好きなものには正直でいたいよな!


 俺の脳裏には高嶺さんの笑顔がよぎった。


 ……正直でいたいよな。


 そうこうしているうちに文化祭も佳境に入り、後夜祭が始まろうとしていた。


 

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