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人は見た目が9割だが、内面も大事だね!




――――



「ご迷惑をおかけしました。お客様、申し訳ございません」


 店長はチャラ男たちをバックヤードまで連行後、しばらくしたら、顔が青ざめているチャラ男たちが戻って来て深々と謝罪し、逃げるように店を出て行った。

 裏で何があったのだろう?

 現在は店長自ら謝罪をしていた。



「いやいや、むしろ助けて頂いてありがとうございます」


「おー、桃歌と鳥牧さんも大変だったなぁ」


 いつの間にか佑らあたしの隣に座っていた。


「ふー、お前なぁ、バイトとはいえうちの店員になるんだぞ。ムカついたから売り言葉に買い言葉を面と向かって言ってはダメだろう」


 まぁ、正論である。

 どこに『家に帰ってママのおっぱいでもしゃぶってな』と客に面と向かって言う奴がいるのだろうか、あたしは見たことがない。


「いやだってさぁ、初対面の女の子にあんな事聞くのはあかんだろ。ダメ、セクハラ」


 因みに佑も今日の休み時間に胸について熱く語っていたと思うのだが……、これはセクハラにあたるのでは?


「お前の言う事も分かるが、流石にはっきり言い過ぎだろ。でもまぁ、佑だから仕方ないかぁ。今度同じような事が起きたら俺を呼べよな」


「へーい、善処しまーす」


『店長ー!、佑くーん!片付けとオーダーが溜まってるから早く戻って来てー!」


 バックヤードから2人を呼ぶ声が聞こえた。

 お客さんももだいぶ増えてきたみたいで注文が溜まっているようだ。


「とりあえず、お詫びって事でこのパンケーキは無料でいいぞ。優しい神谷佑さんの奢りって事で」


「俺は奢るって言ってないんだけどな」

 

「そんなこと言うなって、可愛い子たちに奢れるんだから喜べよ!」


 高らかに笑う店長と不満そうな佑は仕事に戻って行った。


「えっと、本当にこれ大丈夫かな?」


「大丈夫だよ。佑はあんな感じだけど『別にいいよ』って奢ってくれそうだし」


 奢ってくれた佑に感謝し、目の前にあるパンケーキを楽しむ


「ところでさっきの話の続きなんだけど、杏ちゃんは佑の事が気になるの?」


「ぐふぅっ!!」


 杏ちゃんは盛大にむせた。


「な何でそんなこと聞くの?」


「いやー、佑に彼女がいるか聞いてきたから、てっきり気になっているのかなって」


 自分で言うのも何だが、さっきの杏ちゃんが佑に見る視線は私が爽太くんを見る感じと非常に似ていた。


「いやいやー、クラスの友達が噂では神谷くんが教室で堂々とアニメやエ○ゲとか下ネタの話をしているって聞いてたから絶対に関わらない方がいいよって聞いていたから、実際に会ったらそんなことなかったからびっくりしちゃって……。彼女がいるから女の子に優しいのかな……って」


「え、佑に彼女がいるのか詳しくは知らないけど、杏ちゃんの友達が言っていることは大概合ってるよ」


 実際に今日も胸の話を堂々として、女性陣をドン引きさせてたし。


「そうなの?昼休みに会った時、全然そんな感じしなかったよ?」


「そういえば、佑が不思議な出会い方をしたって言っていたけど、どんな出会い方をしたの?」


「えっと……それはですね……」


 杏ちゃんから佑との出会うまでの経緯を聞いた。




――――



「なるほどねー、それは不思議な出会い方だわ」


「えっと……桃歌ちゃんは学校でコスプレしてたら引いちゃうよね?」


「まぁ、引きはしないけど杏ちゃんも中々なチャレンジャーだなぁって思っただけで、別にあたしもアニメや漫画好きだしコスプレもやってみたいなぁって思う時はあるし」


 コスプレとかしたら爽太くんは喜んでくれるかな?


「そうなの!!絶対に一緒にコスプレしようよ!!」


 杏ちゃんの圧が非常に強かった。


「話を戻すけど、佑は普段は馬鹿な感じだけど、いざというときはかなり頼りになるのよね」


「分かる分かる!!カッコよかったなぁ……」


 やっぱ、佑こと好きなんじゃないのかな?


「普段からあんな感じだったらいいのにね。まぁ、馬鹿な事やってこその佑だとは思うけど」


「……もしかして、桃歌ちゃん、神谷くんの事好き?」


 杏ちゃんは真剣な面持ちで尋ねてきた。


「うん、好きだけど、杏ちゃんが思っている好きではないよ」


「そうなの?」


「けど、佑には幸せになって欲しいと思ってる。佑に好きな人がいたら全力で応援したいし、それと、これは佑とのこれまで幼なじみとして付き合ってきたからこそ気づくことだけど」


 あたしにはこれだけには自信がある事が一つだけある。

 それは……。


「佑のことを良く言う人に悪い奴はいない、逆に悪く言う奴にろくな奴はいないって思う。だから、杏ちゃんはいい子なんだなぁって思うよ」


「そうなんだ。なんか照れるなぁ」


「だから、杏ちゃんが佑の事が好きなら応援したいって思うよ」


「えっ、ちょ…………!!」


「あ、でも、もしかしたら、佑が好きな人いるかも?」


 ふと、最近の佑が明らかに様子がおかしくなる事が何度もあった事を思い出した。


「えっ、本当!?どんな人!?」


 杏ちゃん……圧がだいぶ怖いよ?


「えと、うちのクラスで清楚な感じでね。名前は――――」


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