7,プロローグーーTSしたよ……いや、ごめん
ダンジョン攻略が終わり、数日の休学許可をもらった。
って事で、とりあえずTSポーション呑みますか……。
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武蔵小五郎@TSするZE@
SNS始めました。
ついでに報酬のTSポーション使うので、ハンター活動休止します。
あと名前も変わるかも。
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てことで女の子になったよ!
体が小さくなり、腕も足も細くなった。体の感覚が大きく変わって……そのせいでベットから動けなくなった。
―――TSポーションには発毛効果があった。
一日で髪が長くなり肩にかかる。スマホで見る自分の顔も小さくなっていて普通に美人だ。
まるで別人と言いたい容姿だが、妹に似ているところもあり、私が女性として生まれていたらこんな感じかなと嬉しくなった。
トワ:
おめでとうだけど、いつも相談してってお母さんに言われてるじゃん。何考えてんの
こーちゃん:
ごめん、何も考えてなかった
トワ:
私が同じ高校受験するからよかったけど……って学校説明会一緒に行けるんだよね?
こーちゃん:
たぶん?
トワ:
もー、ベットから動けないって何なのよ。
この時期じゃなきゃ来れなかったんだからね。合鍵も作っておいてよかったよ、ほんと
こーちゃん:
めっちゃ美人になったから見に来て。
自慢出来なくてツライ
トワ:
この馬鹿姉は……
TSポーションの効果は把握していたけど、まるで自分の体が自分のじゃないみたいに体を動かせない。
何とか手だけを動かして妹と連絡を取ったけど、今日はベットから動けそうにない。
妹が学校説明会に来るからよかったけど、最悪親を呼ぶしかなかったかもしれない。
妹には迷惑かけるけど、その分買い物に付き合う予定だから大丈夫。
あまり帰郷しないし妹とは3年以上会ってないから、多分見た目も変わってるんだろうなぁ……。
昔は魔法少女のコスプレしてたのに、多分今だと大人の女性が着るような服を選ぶんだろう。
家族と一緒に過ごせなかったのは少し残念に思っているけど、これからはいっぱい一緒に居られるから昔の分も取り戻すくらい可愛がるつもりである。
まあ、その一歩目が私の介護なんだけど……。
姉としての面目丸つぶれである。
それからだいたい半日が過ぎ、妹が駅に着いたと連絡がきた。
学校を休んでまで姉の介護にくる妹が健気でかわいい。普通のの兄弟姉妹だと喧嘩とかも多いらしいけど、私の場合妹ともどう接すればいいのか分からず、喧嘩するほどの仲でも無かった。
まあ、それも過去の話。
今や馬鹿姉と妹は呼ぶ。
トワ:
駅に着いた。道わかんない。
馬鹿姉教えて
こーちゃん:
その手に持っている機械を使いなさい。
住所は分かってるでしょ?
トワ:
ここの道不親切なの!看板ばっかで読むのも苦労するし……って、出口間違えてた。
あ、おいしそうなカフェあったから寄ってくね!
こーちゃん:
待って妹よ。私ちょっと大変かも。
出来ればすぐに来て欲しいな……。お腹が
トワ:
……すぐ行く
オムツ履いてないの?
こーちゃん:
浮かれてて……
トワ:
馬鹿姉は世話が焼ける
◇
と、まあ私の尊厳の危機はどうにか回避して、妹が家に遊びに来たよ。
カフェには今度一緒に行く約束をした。
もちろん全費用は私が持つ。
これでも貯金はかなりあるし、追加報酬も貰ったから。
それに売れば80億クラスのダイヤモンドがあるからね。
いざとなったらこれを売ろう。
私が3位になった事で【呪われたダイヤ】を手に入れる事が出来た。……おいおい、目立たないって目標どこにいったのよ。
身代わり人形で良かったのに、とは口が裂けても言えない。他のハンターには申し訳なくなるくらいのドロップ運だったようだ。
「このダイヤ売れば一生遊んで暮らせるよ!」
「売っちゃだめだよ。そのダイヤ呪われてるんだから」
見た目透明なダイヤモンドなのに、黒いオーラを放っている。
このオーラは見た人を魅了の効果があり、耐性の無い人は洗脳される危険もある代物だ。
今は魅了の効果を軽減するガラスケースに入れられているけど、このケースが無いと外にも運べない代物だ。
このガラスケースも特別製で、開けるには政府の管理下の特別な施設に行かなくてはならない。
そんな代物だが、これはハンターにとってかなり強力なアイテムになる。
特別なアイテム【錬金薬】と【霊薬】を使う事で、ダイヤの呪いが解けて指輪に変わるのだ。
「ハンターってすごい稼げるんだね。80億だよ80億、0いっぱいだよ!」
「その分出費も大きいからね。それにハンターを続けるなら技能書もいっぱい買わないとだし。私は運が良かったけど、ダンジョンの中で命を落とす事もあるから」
「……うん、知ってる。お兄がいっぱい怪我してたのも。病院に運ばれたって聞いた時はほんとに心配だった」
「もう3年以上前の事じゃん」
「無理しないでね、お姉ちゃん」
「分かってる」
目的も達成したんだし、もう無理をするつもりもない。
あの頃はほんとに命を捨てるつもりでゲートに入ってたから。1ランク上のダンジョンに荷物持ちで付いて行って危険な目にもいっぱいあった。
もう危険な事はしない……と言いたいところだけど。
立てない私の代わりに妹がご飯を作ってくれたんだけど、ご飯を作ってる途中に私が立てるようになり、一緒にご飯を作る事にした。
本能ってすごいね。ご飯の臭いを嗅いだら、急に体が動くようになったんだ。
「もう動けるし、明日買い物行こっか」
「そうだね。私買いたい服あるし、お姉も服無いでしょ?……って、お姉の服無くない?」
うん、無いね。
さすがに男性の一人暮らしで女性の下着を持ってたらいろいろ疑われるし、服もそんな感じ。
今着てるのはジャージだ。
持ってる服は無地の服ばかりだから、女性が着ても可笑しな服じゃないけど、妹の服と比べたらどこか野暮ったい服ばかりだ。
おかしい、都会に住んでる私より妹の方がオシャレなんて。
「サイズいくつ?」
「知らない」
「結構大きそうに見えるんだけど……ブラ無いと擦れない?」
「寝てたからわかんない。あ、でも呼吸するときに少し窮屈かも」
「……はぁ、とりあえず下着と服買いに行こっか」
◇
妹と買い物に行く。
その言葉だけで気分がうきうきである。
「この姉が何でも買ってやるぞ」
「はいはい。お金持ちアピールはいいから」
と、軽く流されるが私は本気である。
これまでの分と思って諦めてほしい。
「諦めてほしいって、毎年いくつもプレゼント届いてるんだけど?」
「あれはあれ、これはこれ」
「買いすぎるとまたお母さんに怒られるよ」
確かに無駄な出費は怒られるけど、私の服も買うんだし大丈夫大丈夫。
それに私の部屋に置いとくし問題ない。
「必要経費で通す」
「まあお姉ちゃんが稼いだお金だし文句は言わないだろうけど……せめて自分の服に使ってよ」
「なら私はトワの服を選ぶから、トワは私の服ね」
「下着は自分で選んでね」
よし、せっかくだし妹にもおそろいの下着を買ってプレゼントしよう。
木曜日の昼と言う事もあって、店内に人足は少ない。
女性になっても高身長の私なら問題ないが、妹が店内で少し目立つ。妹が可愛いという事もあるんだろうけど、平日の昼間に上に見ても高校生の女子が買い物に来ていたら客や店員も困るだろう。
妹は気にしていないが、私はなんだか視線に敏感になったようで落ちつかない。
「……見られてない?」
「見られてるけど普通だよ。女の子はいろんなところで見られるから、お姉もいつかなれるよ」
「そういうもん?……あ、これ可愛い、トワに合うと思うな」
「……それで何着目?試着するのも大変なんだけど」
「家ですればよくない?」
「馬鹿姉は……女の子は気に入った服を着るの。流行りとかもあるけど、まず自分に似合うかを見るの。衝動買いして1回しか着ないなんて、服への冒涜だからね」
そんな怒らんでも……いや、ごめんって。
「でもトワの部屋に服飾ってなかった?あのハンターブランドの……」
「あれはグッズだから別なの」
「えー、でもあれってこの服の10倍はしたよ」
持っている服は3000~5000円前後、妹の買ったブランドの服は5万円以上していた。
ダンジョン産の素材で作られていて質は高いが、それでも5万円は高い。まあ、買い与えてるのは私なんだけど……。
妹にお願いされるとつい買っちゃう。
でも、高いの買うと両親に怒られる。こういうのは特別な日にプレゼントしないと特別感が無くなっちゃうらしい。
「お姉も変わったね。前はもっと可愛い服選んでたのに」
「あれはトワが欲しそうにしてたから選んでただけで、私の趣味じゃないよ」
「……へ、へぇ~」
「もしかして、もっとヒラヒラした服がいいの?分かった、こっちの魔法少女コスに―――」
「ふ、普通のでいいから」
前は買ってもらった服を妹に着せてたのだ。
私が着ても似合わないし、似合わない事にがっかりするのが嫌だったから。そうなると私が欲しい服より妹に合う妹が欲しい服を選ぶようになるのだ。
昔の妹的には私の趣味で選んだ服がたまたま好きな服だったのだろう。
あれは妹が好きな魔法少女の……え、黒歴史?
……いや、ごめんって。
女主人公のステータス
武蔵夏輝 女 身長175㎝ 体重65㎏
趣味 妹と一緒にオシャレ。可愛い服を着るのも着せるのも好き
特技 記憶力
技能
【化神バルバトス】 (強化済み)
効果1:パッシブ
攻撃力と防御力はこの2つの合計になる。
効果2:パッシブ
全ステータス3倍
効果3:発動:召喚――バルバトス
バルバトスを召喚する。
―――バルバトス。全長10m、腕は2本で巨大な剣を持って召喚される。
効果4:発動:ゼロカウンター
触れたモノのベクトルを操作する。
効果5:発動:降臨――バルバトス
全ステータス3倍、攻撃と防御+6倍。全状態異常耐性【特】、剣補正【特】、魔剣召喚【ヘルスレイヴ(破壊不可)】を得る。
(隠し効果)降臨――技能は1つまで保有できる。英雄の加護を得られなくなる。
【神格化】
効果1:パッシブ
全ステータス3倍。
効果2:パッシブ
五感強化。第六感獲得。
※限定的な未来視はできません。
効果3:パッシブ
全状態異常耐性【上】 状態異常を80%で防ぐ。
効果4:パッシブ
リジェネ【上】 傷を回復する。欠損【中】までなら自動で回復する。
ステータス (9倍)【3倍+攻撃、防御実数値の6倍】
攻撃力 5 (45+54:B)【165+198:A】
防御力 6 (54+45:B)【198+165:A】
体力 4 (36:D)【108:A】
魔力 16 (144:A)【432:S】
知力 12 (108:A)【324:A】
運 30:A
妹 武蔵 冬和
身長 168cm 体重 シークレット
趣味 バレーボール
特技 魔法少女の声真似
作者)妹の名前書くの忘れてた……(;''∀'')