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31,急転直下





イリーナさんが大丈夫と太鼓判を押し、攻略を進める事になった一行。

特に待ち伏せされている事も無くスムーズに進む。


「……何も起きないじゃない。警戒するだけ無駄だったわね」


―――とか、さりげなく嫌味を言う奴がいて私の気分は最悪です。

今すぐ耳をシャットアウトしてモフモフの世界にダイブしたい気分だ。



……と、まぁ冗談は置いておいて、真面目に警戒する私。

現在の編成は先頭にイリーナ、次にトモちゃんと私、藤堂さん、カミラさん、問題児2人、アゼフの順だ。問題児二人をロマノフのハンターに挟んでもらい、極力言葉を交わさない編成ともいえる。


それにしても本当に何も起きない。

魔蟻の生態について少しは調べてきたが、こんな状況は知らない。もしかして本当に蟻が少ない?


そんな事を歩いていると先頭に立っていたイリーナさんの足が遅くなる。

何かあるのか警戒して近づくと、私もその変化に気づいた。


「……なにか明るくなってきたような?」


「地上?」


「いや、これは……」


手に持っていた明かりが少しずつと大きくなるような錯覚がする。

まるで導かれるように歩き、一行はその部屋の前で止まる。


「うわぁ……」



誰かが息をのむ。

いや、誰かではなく皆がその光景に息をのんだ。



「―――魔力を含んだ水晶?いえ……ダイヤモンド?」


「ダイヤモンドの鉱山とはいっても、こんな……こんな量のダイヤモンドがあるなんて」


一面に広がるダイヤモンド、光を反射し、あるいは魔力によって発光している。

燐光するダイヤモンドなんて初めて見た。それも一つ一つがかなりの大きさだ。


これは蟻の体内で生産された宝石だ。


魔蟻は体内で食べたモノを種類別に分けて排泄する。

これにより純度100%の金属やダイヤモンド、魔力を含んだ新しい金属がうまれる。


炭素を食べたらダイヤモンドができる……なんて事は無く、できるのは鉛筆の芯だ。

だからダイヤモンドが出る鉱山でしかうまれない拳ほどの大きさのダイヤモンドはとても貴重で高い。そして、魔力を含んでいるなら更に……。


「す、すごい……!」


「おぉ……」


その宝物に引き寄せられ、一歩踏み出そうとした瞬間……私の五感が危険を知らせる。

まるで部屋全体から感じる危険。それが何なのか分からず叫ぶ。


「ッ……みんな、下がって!」


私は危険を感じて一歩飛び退く。

私の声に反応したハンターは咄嗟に下がるが、反応できなかった2人のハンターは一歩進んでしまった。

たった一歩……その瞬間、地面が割れる。


「ッ……!」


割れた地面から次々と現れるハサミ。

逃げ遅れた勇人ハンターとカミラさんはハサミを避けようと魔法を使う。


やっぱり罠だった。

でも、私の感じた危険はそれではない。


何かあると感じて盾を構える。


「――『ファイア』ッ!」


「――『風を……」


先に魔法を使ったのは勇人ハンター……その瞬間、光が視界を遮る。



 ドゴッ



大きな爆発音と揺れ、そして高温が通り抜ける。

風に押され背中に衝撃を受け……私は意識を失った。









「ゥッグ……」


意識が戻った瞬間、全身から痛みを感じる。

直前で何が起きたか思い出そうとして、目も前の状況を理解した。


「ゲホッゲホッ」


「ナツキ、立てる?」


「立てる、わ。それよりどれくらい気絶してたか分かる?」


「10分くらいね」


口の中に溜まっていた血を吐き出して立ち上がる。

目の前にはイリーナさんがいて、顔に血と泥が付いていて服がボロボロだ。腕と足を負傷しているようで、足を引きずりながらこちらに来る。


最大戦力のイリーナさんが負傷、周りを見るとトモちゃんと藤堂さん、そして真紀ハンターが倒れていた。さっと見た感じ傷が無いので、気を失っているだけだと思う。


爆発の時、確かアゼフさんもいたはず……。


「アゼフは外に行ってる。2人を探してるけど……」


たぶん見つからない。言外にそう言っている。


危険を感じて風の盾を構えたが、それでも気絶するほどの威力だった。

その中心地にいた2人が無事でいられるはずがない。見つかっても全身火傷などで助からない可能性が高いだろう。


「……そう」


「4人は守ったけど、ナツキは前にいて届かなかった。傷大丈夫?」


「私は回復系の技能があるから……それよりイリーナこそ怪我してるじゃない。大丈夫なの?」


「大丈夫じゃ無いけど大丈夫。奥の手がある」


倒れている3人に傷が無いのはイリーナさんが守ったかららしい。

奥の手が何か知らないけど、それを使えばすぐに回復できるらしい。ただ、まだ使うつもりは無いようだ。

たぶん、降臨系の強力な技能で温存しておくつもりなのだろう。


ポーションは飲んだようだが、傷が治っていないのを見る限りかなりの重症だったのだろう。


「あの爆発、原因は分かる?」


「可燃性のガスか物質だと思うわ」


「……その後は?」


「私とアゼフは意識があった。爆発で地面と天井が崩れて、縦穴ができた感じね。土魔法で岩を作ったけど、蟻が来たらヤバめよ。早く移動したいわ」


怪我をしたイリーナさんでは4人を運べず、ここで籠城していた。

土魔法で囲まれた場所を出ると結構広めの空間ができていて、爆発の威力を物語っている。罠を張っていた蟻のほうもあの爆発に巻き込まれて死んだようだ。


私1人で3人を担げるけど、その状態で上に登れるか不明。登れたとしても道があるかも分からない。

土魔法で階段を作れば登れるけど、それほど魔力が残っているのか……。


『イリーナ!来てくれ』


「アゼフが呼んでるわ。ちょっと行ってくるから、ここで待ってて」


「分かった」


イリーナさんが声のした方へ向かう。

足を怪我しているので手伝った方がいいかと考えたが、待っててと言われたので大人しく待つことにする。

現状を整理するという意味でも、今は1人で考える方がいいだろう。


構えていた盾はその役割をこなし、ボコボコになっても私を守ってくれた。

ボコボコになったのはたぶん爆発でとんできたダイヤモンドとかを防いだからだろう。イリーナさんの怪我も、そういった飛来物にぶつかってできた傷だろう。


天井も崩れたというし、あのダイヤは地面の下という事だ。



……人が2人も亡くなったかもしれないというのに、俗物的な思考だ。

ハンターだからなんて言葉で言い表せない心情。私はすでに壊れているのかもしれない。


「はぁー、2人か……」


これまでも結構な数のハンターの死を見てきた。

いつか自分もそうなるかもと思うが、そうなったら仕方ないとしか思っていない。人の死を数で見ている私には、倫理感とかが欠如しているのだろう。



―――まぁ、死ぬなら死んでもいいとハンターを始めたのだから、私はそういう人間なのかもしれない。


すこしサイコパス的な思考に傾いた気がしないでもないが、思考を切り替える。

とりあえず、方針を決める必要がある。上に登るか、他の道を通るか……。他の道は少々危険だが、登っても道がない可能性もあるんだ。

問題は戦力、6人でイリーナさんが怪我をし、+火を使うのは躊躇われる。


やはり登ってきた道を戻るのが一番安全だろう。



どれくらいの深さに落ちたか壁を眺めていると、気配が複数近づいてくる。

そこにはイリーナさんとアゼフさん、そして2人の人が……。


「……って、生きてんじゃん」


「死んでないが正解よ。瀕死だった」


見るとイリーナさんの腕の中にはカミラさんが、アゼフさんは勇人ハンターを抱えていた。


勇人ハンターは重症で片腕が無く、足も本来の形をしていない。

全身火傷をしているのを見るに、生きているのが奇跡とかそういうレベル。


そしてカミラさんはボロボロだけど……。


「まさか、特級のポーションでも使ったの?」


近くで見ると血がべっとりついているのに怪我が無い。

ついた血の量から勇人ハンターと同じくらいの怪我をしていてもおかしくないと思ったが、怪我が見当たらない。欠損すら治すポーションは特級のポーションくらいだろう。


「まぁそんなところよ。彼には上級のポーションを掛けたけど、気休め程度ね」


「……そっか。上級ポーションは800万でいい?後で払うわ」


「いいわよ別に。そもそも、進むと決めたのは私だもの。それに、請求するなら彼にするわ」


「ありがとう」


上級ポーションは高い。

特級や超級なんてレベルのポーションはあるけどほとんど出回らない。だから上級がポーションの中では最上と言える。


本来ならイリーナさんが上級ポーションを使う必要は無いのだ。

悪い言い方になるが、もう助からないと諦めてポーションを温存することだってできる。これから帰還する上でその選択肢もあっただろう。

というか、私なら見捨てていた。


それなのに、重症を負って助かるか分からない相手に上級ポーションを使ったのだ。

なんやかんや言いつつ、イリーナさんは優しい。


「どうする?上まで行って帰還するのが良いと思うんだけど」


「上は無理ね。アゼフが元の穴が分からないって言ってた」


「……無作為に歩くのは御免よ」


「分かっているわ。方角は分かるし、坑道に続きそうな道も見つけてある。後は運になるけど、ナツキは準備してきたでしょ?」


「そうね。食料と水、8人でも1週間は持つ。でも勇人ハンターが持たないわ」


アイテムバックには食料と水が15㎏ずつ入っている。水に関しては魔法でも生成できるので15㎏でも少ないという事は無いだろう。

こうなる事も想定して食料やポーション、暖房器具なども用意しているが……問題は蟻の巣の中で1週間も生きていられるかという事。

毎日、時間など関係なく蟻が襲ってくることを想定すれば、休める時間など無いに等しい。


帰る事ばかり考えていたが、ここに籠城して助けを待つという選択肢もある。

知らない道を進むより生きるという選択肢としてはこちらの方が正しいだろう。ただ、そちらの場合勇人ハンターは助からない。


傷は塞がったとはいえ失った血は戻らない。

火傷で皮膚の細胞が死滅していた場合、体温の調整もできない可能性がある。


今日明日くらいなら問題ないだろうけど、何日生きていられるか私にはわからない。


「……はぁー、運任せね。でも、他に道も無いしイリーナの案でいくわ」


結構な範囲で崩落が起きている。

来た道も崩落で塞がってるかもしれないし、今山の中に空洞がある形だ。このままここに居たら山が沈んで生き埋めになる可能性もある。


「……蟻が現れないのは不気味ね」


大きな崩落があったのに蟻が現れないのは……本当に数が減って少なくなっている?

あるいは、ここが重要では無い可能性だが……。


「何階層くらい落ちた?」


「たぶん4。上からも落ちてきたから正確には分からないわ」


元々攻略していたのが4階層付近だから……現在8階層?

崩落した土もあるから6階層くらいか?


8階層想定の巣なら最奥近くが崩落し、敵が上にいる状況。

やっぱり蟻がいないのはおかしいと思うのだが、私の考え過ぎだろか?


「とりあえず移動しましょう。6階層なら魔女チームが攻略しているはず。そこに合流するのが一番だけど無理なら探索済みのルートを探す。目印もあるだろうし……」


次はどのルートで行くか、それを聞く前に私の耳が音を拾う。


「ナツキ……何か来る」


「ええ。迎撃の準備をしましょう。私が前衛、イリーナは援護をお願い。危険な気配はしないけど、まだ爆発物があるかもしれないし魔剣はあまり出さないで」


「わかった。気を付けて」


足音を立てないように移動して、音のする近くの瓦礫に隠れる。

人なら問題ないが……。


足音は一つ。

だんだんと近づいてくる。


ハンターチームなら1人で先行させるメリットが少ない。

蟻の斥候の可能性が高いだろう。


今更になって蟻が来るか?と思うが戦闘の準備を始める。

敵の斥候なら素早く倒さなければならない。


一応ポーションを口に含み、敵が来るのを待つ。


横穴から大きくなる足音。

ガチャガチャと金属音も聞こえる。



金属音という事は鎧や武器、蟻も武器を使うが人の可能性が高い。

なぜ1人で先行したのか分からないが、大きな音に反応して見にきたのだと予想する。


洞窟から出てきた鎧を見て警戒を解いて―――悪寒がする―――構えていた重盾で、その人型の何かに攻撃する。



現れた鎧には頭が無かった。

足は宙を浮き、ぶらぶらとぶら下がっていた。


そしてその後ろで鎧を掴んでいる人型の何か……魔蟻で人型なのは近衛蟻と女王蟻―――そして王蟻だ。


盾を空いている手で防がれる。

昆虫の細い腕でいとも簡単に止められ、蟻の顔が動き目があう。


「kyuuiiuuui!!」


「……ッ」


首の無い鎧が迫る。

避ける為に蟻の胴体を蹴り、その場を離れイリーナさんの近くに着地する。



「こいつ、王蟻よ」


「まずいわ。近衛兵を呼ばれたかも」


「どこかのチームが負けたみたいね。鎧だからドラゴンハントか野良のどこかだと思うけど、さすがに誰かまでは分からないわね」



さすがにAランクのハンターがいて負けるとは思えないけど、私たちが罠に嵌まったみたいに危険な状況で襲われた可能性もある。

現に今、動けるのが3人で襲われている。


攻撃してみたところ、そこまで力の差は感じなかった。

イリーナさん次第でどうにでもなるけど、近衛蟻を呼ばれたなら数で負けるかもしれない。


「ナツキ見て。あの蟻怪我してる」


「やっぱりどこかと戦った後だったのかも」


王蟻だけだと考えると逃げてきたって事になるけど、それならハンターの死体を持ってくる意味が分からない。

でも、さっきの叫び声で蟻がくる気配もないし……どこかのハンターが足止めしているのか?


「考えるのは後。まずはあれを倒さないと」


「全力で行くわ。爆発したらごめんなさい」


「……頑張って盾で防ぐわ」


イリーナさんが魔剣を召喚する。

そして―――。


「――『ブレイブ』」


その魔剣を体に取り込んだ。





――――――――――――――――――――





それは生まれながらに王であった。

だが、生まれた時に理解した。自身は特別な存在では無いと。


女王が群れの頂点に立つ社会で、王の役目は巣の防衛。

最高戦力であり外敵を排除することが王の役目であったが―――新たな王は偉大な王の子でありながら特別では無かった。


代わりに特別な存在として生まれた女王がその力を使い特別な兵隊を用意した。

結果、王と同等の力を持つ将校蟻と、王以上の力を持つ近衛蟻が生まれた。この時点で王の役目は無くなったのだ。


ただ玉座に座り報告を受ける。

自分より強い側近を数多く持ち、自身の役目もその側近を強化するだけ。だが、その強化もこれまで役目が回ってくることは無かった。

何故ならそれらが一番に守るのは女王であり、卵なのだから。王の能力は敵が最奥まで攻めてこない限り役に立たない能力だった。


そうして幾何かの時間が過ぎ、ようやく役目が回ってきた。

それは巣の最奥が攻められている事を示しているが、王にとってようやく待ち望んだ瞬間でもある。


特別な兵の中でもさらに特別な、女王と王を守る側近たち。その特別な兵を率いて戦うのだ。もちろん王にも将校蟻並の戦力が備わっている。

負けるはずがない……そう思っていた。





最初の敵は弱かった。

4匹のグループでどれも小さく弱かった。妨害のような能力を使い我々の意思を操ろうとしたようだが、近衛蟻には効かず倒された。

その死体は献上品として王と女王に送られる。


王はそれを喰い、自身の能力が強化されるのを感じた。

そして見つけた―――自身が特別になれる可能性を。


すぐに残り2匹に手をつけ最後の1匹を喰おうとした時、近衛蟻に止められる。

これは女王への献上品だと、そう意思が伝わってくる。


……あぁ、口惜しい。

何故特別な存在に渡さねばならないのか……。だが、女王が頂点だ。たとえ王でも女王が献上品を要求するならば従わねばなるまい。


―――それに、この巣にはまだ多く残っている。



献上品1匹を残して、他の獲物を探す。

そして見つけた。5匹のグループを。


さっきのより1匹多いが問題ないだろう。

どれも小さく奴らの種族がそういった特徴なのだと理解する。


さっきと同様に、近衛蟻を強化し指示を出す。


―――あれらを倒し献上せよ。


近衛兵が動き出し、すぐに倒せると思っていた。

だが、次の瞬間ありえない光景を目にする。


小さい存在が近衛蟻を次々と倒していくのだ。

つぎつぎと意識が消えていく。死んだのだとすぐに理解する。


負ける―――そう理解した時には遅かった。

すでに特別な軍隊はその大半を失い。敵が王の前に迫っていた。


王は理解した。

アレは特別な存在だ。小さい存在の中でも特別な存在だ。


なぜ自分たち以外に特別な存在が生まれないと勘違いしていたのか。


勝てない……そう思って逃げようとした時にはそれが持つ槍が目前まで迫っていた。


側近が間に入る。


たった一突きで側近が倒される。

王よりも強い側近が。


戦闘の衝撃だけで王の体には無数の傷ができる。

王を守る為に側近も近衛兵も束になってかかるが、一振りでそれらを薙ぎ払う。


……あぁ、勝てる訳がない。

こんな存在に勝てる訳が―――そして王は逃げ出した。


大きな音と衝撃が響き、敵の注意がそれた瞬間に隙を突いて逃げだした。



献上品を持って逃げ出した。

もしかしたらこれを喰えば父王のような特別な存在になれるかもしれない。そしたら、特別なアレにも勝てたかもしれない。


だが、女王の献上品だ。王が喰うわけにはいかない。



アレから逃げ、とにかく距離を取ろうとして違和感に気づく。

いくつもの道が崩落して塞がっているのだ。


そして、逃げる前に起きた大きな音と振動……王は嫌な予感がした。


最下層であるここで道が塞がるほどの衝撃、いったいどこで起きたのか……その答えはすぐに気づいた。



女王の住まう最奥へ続く道。

その途中にある卵の場所。


そこが土で埋もれ消えていた。



そして現れる小さい敵。

その1匹が炎の剣を取り出し、危険度が上昇していく。


生物としての本能がそれが先ほどのアレと同じくらい危険で特別な存在だと警告してくる。

今、攻撃しなければ……そう思って近づき攻撃するが、その間にもう1匹が入ってきて邪魔をする。


あの程度の鉱物なら貫けるはずの王の手が、何か見えない力で弾かれる。

早く倒さなければならない敵がいるのに、弱い存在が邪魔をする。


本能が叫ぶ。

これは恐怖だ。特別な存在の理不尽さに恐怖した。ここが死地に変わっていく感覚に恐怖した。



早く倒さなければ……いくつもの攻撃をすべてはじき返され、王は理解した。

触れた瞬間に弾かれている事を。


同程度の硬度なら競り合う。それが起きないという事は……。


勝てる……対処法を思いついた時には遅かった。

いつの間にか胸を炎の剣が3本貫き、王は意識を失った。






【魔蟻(近衛〈進化〉)】 第一世代

危険度 A

全長4m 人型 物理型、魔法型に別れる。


技能  (魔法型のみ)


【軍隊行動】

【特級士官】 命令行動補正100%

【近衛】 上位個体が存在する時、能力値1.2倍

【甲殻武器化】 甲殻を武器にし(変形可能な武器のみ)、その武器の『補正(下級)』を持つ。

【甲殻強化】 甲殻を固くする

【甲殻鎧化】 新たな甲殻を纏う

【斬耐性(上級)】 斬ダメージ60%減

【打耐性(上級)】

【突耐性(上級)】

【毒、麻痺、睡眠耐性(上級)】

【種族――虫】

【種族特性――蟻】

(土魔法)

(砂塵魔法)

(並列思考)


ステータス(物理型)【魔法型】


攻撃力 (150:A)【60:B】

防御力 (120:A)【120:A】

体力   (80:B)【60:B】

魔力   (60:B)【150:A】

知力   (60:B)【150:A】



【王蟻〈通常〉】 第四世代

危険度 B~A

全長4m 人型

世代能力上昇値 4:1.5倍


技能


【軍隊行動】

【王の命令】 命令補正80%

【揮官】 味方へのバフ1.2倍

【軍隊命令(上級)】 【軍隊行動】を持つ味方への命令時、全能力を1.2倍にする。

【軍隊士気向上】

【甲殻武器化】

【甲殻強化】

【甲殻鎧化】

【斬耐性(上級)】

【打耐性(上級)】

【突耐性(上級)】

【毒、麻痺、催眠耐性(上級)】

【種族――虫】

【種族特性――蟻】


ステータス(第四世代1.5倍)


攻撃力 60:B(90:B)

防御力 60:B(90:B)

体力  60:B(90:B)

知力  60:B(90:B)

魔力  60:B(90:B)



王蟻がいる場合近衛蟻は全能力値が1.2倍になり、王蟻のバフで全能力が2.16倍になる。

同名技能でのバフは一番強い能力のみ効果を発揮する。


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― 新着の感想 ―
[一言] おや? 王蟻、女王に切り捨てられた?
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