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24,雑談配信





再度お風呂に入り、体を温めて出る。

髪が少し長くなり、洗う時間もそれに伴って長くなってきた。髪を切ろうかも考えたんだけど、妹に止められているため整える程度で止めている。


お風呂から上がり、さっき準備した服を着る。

薄いピンク色のパジャマだ。


これから配信する事になったけど、上に何か羽織れば普通に私服のような格好になるだろう。


「上がったわよ……って、また人の荷物を」


「ナツキ!……エッチね」


「何言ってるのよ」


最近新しくしたカメラを配信用のパソコンに取り付け配信の準備はしている。ただ、時間が余ったのか私の荷物を散らかしていた。


「散らかしてないわ!出しただけよ」


「ケースの中を全部ベッドの上に出したら、それは散らかしているっていうのよ」


とりあえず、配信の前に片付けから始めよう。





【ゲリラ配信】雑談配信する。質問も答えるよ【ゲストもいるよ】 Live


武蔵 夏輝/Musashi Natsuki Ch 登録者428人 視聴者4人



:なんか始まった

:ゲリラ配信、集まるかな?

:通知が来たから来てみたら……雑談配信

:なんか私服エロくない?てかパジャマじゃね


「はい。雑談配信を始めます。いつもはコメントを聞くだけだったけど、今日はDMダイレクトメッセージも見ていこうと思います」


:え、まじ?

:まじでDM開いてる

:送るなら今だぞ


部屋の片付けが終わり、配信を始める。

開始20分前に告知をしたので少しづつ視聴者が増えている。現在は6人、今の時間は日本だと深夜だから集まる人は限られるだろう。


イリーナさんとは流れを話し合っている。


:カメラ壊れてから配信してなかったよね?

:ゲストって誰?


「ちなみに今外国にいます。どこにいるでしょう?」


:マジ?

:もしかしてミノちゃんロマノフ行ってる?

:あー、例のあの国ね


「正解。ロマノフ聖国にいます。蟻さんのスプラッター映像は乗せられないので、かわりに雑談枠を建てます。定期的にするので参加してね」


:氾濫した魔物は血が出るから

:なんでゲートの中だと血が出ないんだ?

:知らんggr


「絶対当てられないと思うのでゲストを予想してください」


:なんか急に質問形式に……西ハンター

:分かった!攻略そっちのけで桐島ハンターだ!

:藤堂妹

:早乙女ハンター

:無難に西ハンター


当てられないのは分かっていたけど、リスナーのコメントを見るだけなのに意外と楽しい。


「じゃあゲストに登場してもらいます。どうぞ」


「ハロー皆さん。私のこと知ってる?Aランクハンターのイリーナよ」


:は?

:え、マジじゃん

:誰?Aランクってマ?

:せめて最初のゲストは日本人にしてよ。当てられる訳ないじゃん


「ロマノフ側から参加してくれてるハンターだよ。という事でイリーナと一緒に質問を見ていくから、彼女にも質問してもいいよ」


じゃあまず1つ目。



□勝手に名前をミノ姫に決めましたが、本人はどう思ってますか?あと我々にも名前つけて


「ミノヒメって?」


「私の呼び名。リスナーの呼び名ね……どうせならミノ姫に関係する名前がいいわ。複製とか?」


:複製は無い

:見てるのが自分だけとか何だよ

:ミノタウロスに付属するのと言ったら?


「迷宮」


:だから、そんな名前で本当に良いと思ってるのか?

:さすが脳筋


「私賢いぞ」


「ミノヒメのミノはミノタウロスなのね。確かに戦い方、ミノタウロスみたいね」


:盾持って突っ込むとかМかな?

:なら俺らS?


「複製S」


:まずそこから離れて

:ポセイドンで良くね?それか海神

:俺らがミノ姫にした?我々TSポーションだった件


「じゃあ海神Sに決まりね」


一つ目のDMを消して次を張る。

次はバルバトスに関しての質問だ。



□バルバトスの性能教えて


「Aランク上位の魔物レベルかな?イリーナはどう思う?」


:まだ決まってないぞ

:何かってに決めてるんだよ。俺らに聞けよ


「コメントが決まってないって」


「いいのいいの。うちのリスナーはぞんざいに扱われるのが好きだから……お前らMじゃん」


:なんか言い出したぞこいつ

:ミノ姫、バルバトスにも名前付けよう


「バルバトスの性能ね……私はSあると思う」


「リスナーが?」


「性能って言ってるでしょ。バルバトスのスキル教えなさい」


「あ、そう言えばイリーナに聞きたかったんだけどスタックって何か知ってる?鑑定結果にスタックが5って書いてあって」


イリーナさんに言われバルバトスの鑑定結果を思い出していた。

その中に知らない項目があって、スタック5と表記されていた。トライデントメンバーは誰も知らないようだったし、イリーナさんも知らないかも……と思って聞いていなかった。


「スタックは命よ。復活する数」


「え、じゃあ5回死んだら使えなくなるの?」


「……どうかしら?時間で回復するものもあれば、道具だと消える事もあったわ」


イリーナさん曰く、スタック表記があるのは使用回数に制限があるアイテムや技能なんだとか。

召喚系で見るのは初めてだそうだけど、たぶん復活する回数だとイリーナさんが教えてくれる。


:性能Sランクって

:あれ召喚出来たらAランクのダンジョンでも攻略できるでしょ

:でも、あの巨体だと蟻の巣には入れないような……


「そうね。今回の蟻の巣では使い道が無いわ。あるとしたら地上に溢れた時だけど……」


「反発持ちなのよね」


反発は使用者の命令を無視する技能だ。

これがあるせいで、私以外の人を召喚した瞬間に攻撃してしまった。あれは本当にびっくりして、消すのが少し遅れた。被害は無かったけど、他のメンバーを危険にさらすところだった。


:反発持ちね。ソロ特化だな

:今北。何やってるの?

:DMで質問募集。雑談で答える


「バルバトスの名前も募集してる。ちな私の案はバルちゃん。イリーナも名前考えて」


「わ、分かったわ。バルちゃんは無いと思うけど……ミノちゃんに由来する方がいいと思うわ」


「なら海神M」


「それは無い。……姫なら騎士が必要だと思うの、悪魔騎士でどう?」


:どっちも無い。というか、マジで俺らの名前海神Sなの?

:え、どういう事?

:大魔王はどう?

:じゃあ第六天魔王またはノブ


「お前らもセンス無いよ」


「悪魔由来だと思うから……公爵?」


:悪魔公爵?

:悪魔卿

:地獄公

:巨悪魔


どれもしっくりこない名前が羅列される。

というか、これは名前なのだろうか?どちらかと言えば役割のような気がしてきた。名前と言えばやっぱりバルちゃんみたいなのが普通だと思うんだけど、なんかバルちゃんは不人気だし……。


これは保留と言う事で次に行こう。



□次のゲストは?


「気が早い。次」



□本当に女の子ですか?女の子な所見せて(肌)


「きゃー変態」


「私、見たよ!」


「言わなくていい、言わなくていいから。次」


:ふぁ!?

:裸体見た?

:寝たのか!?百合なのか!!

:まさかのエロ主人公だった?

:見たのはイリーナハンターの方なんだよな。つまり見せたがり

:この見た目で痴女だと!?

:混浴で見た可能性微レ存……いや待てよロマノフの文化と言ったら



□あんた、高校の単位は大丈夫なの?ハンター活動ばかりして……お母さん留年なんて許さないんだから!


「留年の心配は無いね。うちの高校試験で単位くれるから。その代わりテストは7割以上取れないと補習」


:まだ話は終わってませんよ!さっきの事についてkwsk

:おかんだ

:うぅ単位

:泣くな、男だろ?


特に言う事も無いので次に行く。



□イリーナハンターは魔法系ですか?物理系ですか?


「イリーナに質問だって」


「私は魔法がメインの魔法剣士ね」


「へー、魔法の方が得意なんだ。剣使ってるからそっちがメインだと思ってた」


「剣も強いわよ。でも広い範囲で攻撃する方が得意なの。蟻の巣は苦手ね」


魔法はどうしても範囲が広くなる。

仲間がいると攻撃する場所や被害も想定しないといけないし、乱戦では使いにくい場合も多い。そんなときでも剣や他の武器が使えるなら戦闘でお荷物にならないのだ。


女性の場合男性よりも筋肉がつき難く、魔法をメインにする人が多い。

私は盾をメインに戦っているが、いずれは魔法をメインにして戦いたいと思っている。


:まあ魔法系だよな。むしろ剣が使えるのが意外

:蟻の氾濫とか、マジあの国いらん事しかせんな

:やっぱ女の子は魔法系だよな……ミノ姫?あの子は脳筋です


「私もいずれ魔法使いになる」


:つまり30歳まで処……ん?誰か来た。何を――!?

:悪は滅びた

:ブーメランなんだよな


変なコメントは消して、はい次。



□お二人は仲がいいですね。そういう関係ですか?


「違います」


「そうよ。私たちはライバルなの!」


:恋の?

:ライバルなんて懐かしい言葉だな~


「イリーナは日本の漫画に毒され過ぎ」


「でも私たち仲がいいじゃない?書いてある事を否定するのはツンデレと言う奴かしら?」


「あのね、このDMは恋人なのかって質問なの」


「ファ!?」


:仲がいい(一方通行だった)

:なるほど、イリーナハンターは日本の文化に疎い、あるいは偏りがある

:ふぁ!?可愛い


イリーナさんが顔を真っ赤にして否定する。

なんか気まずくなるのでこのDMは消去して、次の質問に行く。



□こんな遅くまで配信してて大丈夫ですか?


「それは大丈夫。明日は休みなのよ。……明日も配信しようかしら?」


ハンターは精神に異常をきたす事が多い。その為、攻略後は数日休みを設けるのが普通だ。

とくに現実に現れた魔物は血が流れるし死体も残る。サイコパス的な人間を生み出さないようハンター協会の規定にも、攻略日数に応じて決められた日数の休日を用意することが推奨されている。


まぁ、そうは言っても人によっては休めない事情があったり、ブラックな会社だとハンターを酷使する事が普通なんだけど。


;配信求む

:配信して!

:明日もイリーナハンターがいい


「じゃあ次で最後ね。この後イリーナとトランプ対決するから興味があったら続きも見てね。トランプなんてって思うかもしれないけど、現役ハンターの反射速度は凄いわよ」


「おー!やっと勝負ね」



□パンツの色教えて


「ピンク!」


「なんでイリーナが答えるのよ」


「私のパンツじゃないわよ。ナツキのパンツがピンクだったの。しかもフリフリが付いてるやつ」


「私の下着かい……と言うか、なんで情報を追加した?」


:やっぱりお二人はそういう関係

:ピンクっと( ..)φメモメモ

:女の子してるな






トランプ回はしません


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