表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/45

17,新・強化技能





【魔女狩り】2回目配信【今日から本気出す】 Live


武蔵 夏輝/Musashi Natsuki Ch 登録者11人 視聴者21人



:配信始まった。

:まだ始まってない。

:開始の挨拶あったっけ?

:急に始まる戦闘風景、R15です。

:こいつだろ?能力強化したって釣りの宣伝してたやつ

:↑ 釣られてるじゃん

桐島:お前うちの組織入れ

:17でBランクとか低評価押すわ



急に始まりました、第2回Live配信。

実況は私、武蔵夏輝でお送りします。


魔法陣から解放され空に向かおうとするスカイビーを、上から盾で地面に叩きつける。地面にぶつかり潰れてそのままアイテムに変わり、私も地面に落ちる。


とりあえず前回の配信で行った2層までをクリアし配信機材の場所に戻る。


「上位のダンジョンで配信は無謀らしい。Liveは特殊なダンジョンだけでする。あとは撮った奴を上げる方針」


と言うのも、配信機材が壊れやすいのだ。

そしてダンジョン用の道具はどれも高い。今左耳に付けているイヤフォンやマイク、撮っている機材はどれも100万円以上の値段だ。

壊れないように魔物の素材を使っていたり、撮影機材は外と通信する接続機器などの費用も掛かって来る。


魔物に壊されればそれだけの損をするのだ。


だからLive配信は難しく、人気がある。

デジカメなどで撮影して編集、投稿する動画もあるがLiveの方が臨場感があり人気なのだ。



:いや、挨拶しろよ

:方針決めたの偉い!

:配信者が決めた、よし!

:ちゃんと成長したな

:えぇ?


「次の層はゴーレムいっぱい。でも大丈夫、秘密兵器の出番」


:そういやマンドラ使わなかったな

:なんか配信始まったら蜂と女が落ちてた

:親方、空からミノ姫が!

:秘密兵器ってなに?マンドラ?


「とりあえず次行くね」


前回と反対の魔法陣に乗り、次の階層にワープする。


中央で1体のゴーレムが魔法陣に囲まれて守られている。

全長3mのゴーレムだがあれは本体で、魔法陣から解放された瞬間に地面の砂を集め巨大化し、仲間を生成する。

一番厄介な所は、その硬さである。砂を集める前に倒せれば楽だが、倒せないとかなり時間が掛かる敵なのだ。


「秘密兵器『召喚――バルバトス』」


前の私なら長時間耐久をして、敵の活動限界まで待つ必要があった。

だが、今回の私は違う―――と言ってみたものの、秘密兵器は初使用である。



召喚されたのは10mを超える巨人。

腕は2本でその手には魔剣であろう黒い剣を持っている。



ゴーレムの魔法陣が崩れる。

その瞬間砂をかき集め―――ゴーレムは真っ二つに切り裂かれた。


「……?」


真っ二つになりアイテムになるゴーレム。

用は済んだと私の支持なしに消えるバルバトス。


そもそも攻撃命令を出していないのに勝手に動いたバルバトスを見て固まる私。


:は?

:は?

:召喚……は?

桐島:は?

西:え?

:あsdfghjkl!?

瀬戸:おー、いいもの見れたな



「つ、次の階層に行くよ」


:おおい

:秘密兵器の小改正

:↑紹介せいね。

:なーにをやっとるんだね君は!?

桐島:おいおいおい、冗談じゃねぇぞ。あのジジイ後で覚えとけ

:技能が強化?されとるんね。それが本来の姿とかじゃなく?

:明王本来の姿はテレビで流れたやつだぞ




―――先日、瀬戸さんとの話し合いで、この技能を公表する事にしたのだが……早まったかもしれない。

てか、配信止めれば済む話じゃん。何やってんの私……。


強くなってるのは聞いてたけど、まさかここまでとは思ってなかった。

何故確認してから配信をしないんだ私は……。


「秘密兵器は秘密だから」


:何言ってんのこいつ?

:見せてんじゃん

:こいつ、さては脳筋だな!?

:クンクン……ポンの香りがする

桐島:ジジイ早く囲んで来い

:釣り動画乙

:↑ Liveなんだよな


「次の階層は秘密兵器無しで戦う」


:あれはまさに兵器だった

:人型巨大ロボ

:ロボにすんな



転移して4階層。敵はマジシャン・リッチ。

魔法系の骸骨では上位に位置する魔物だ。


魔法陣から出てきたマジシャン・リッチは空中に浮かび、地面からは骸骨兵が呼び起こされる。

骸骨兵が私に向かう中、マジシャン・リッチは魔法陣を展開していく。


空を飛ぶ敵と私はい相性が悪い。

近接メインの私では攻撃範囲に敵がいないのだ。


バルバトスを出せば今回も簡単に倒せるだろうけど、今回は違う技を使う。


走り出した私は、跳躍するように足に力をこめて跳ぶ。

そして、一匹の骸骨兵を土台にさらにジャンプした時―――


「『ゼロカウンター』」


まるでミサイルのように行きたい方向へ体が飛んでいく。


この技はスカイビーで試した。

地面を蹴って飛ぶのは前もできたし、スカイビーを打ち落とすときにも試した。


結果、前以上に自由に操れることが分かった。

前は自動で今は手動みたいな感じ。


骸骨を蹴った威力が跳躍に乗り、すべての力の方向を上に向ける。

空中5mの高さで魔法陣を形成する敵に一瞬で肉薄し、そのまま盾で突撃する。


もともと骸骨系は打撃に弱く、ぶつかった瞬間に体がバラバラに吹き飛ばされ、そのままアイテムに変わった。

召喚された骸骨兵もマジシャン・リッチがアイテムに変わると同時に、糸が切れた人形のように地面に崩れ落ちる。


アイテムは『リッチの骨』―――5000円。


:空を飛んだ!

:親方、空を少女が!

:だから、上位のハンターは化物だってあれほど……

:ここって不人気なん?

五十嵐:都内の外れだからちょっと攻略には不向き。それに6体しかいないから収入が運

西:桐島ハンターが収入2万円だった話知ってる?

桐島:西ハンターが収入10万円だった話する?

:他のハンターを出すのは荒らしなんで止めましょう


「私も今日は収入少ないかも。まだ50万円くらい」


最初のオーガで中級のポーションが落ちたけど、スカイビーは『毒針』――ー1万円だった。

前回のは運が良かっただけだ。


「すでに桐島ハンターと西ハンターの収入は超えた。よし」


:よし!

:あの二人は運が無いから

:比べるのも失礼だよ。桐島ハンターは金スライムで1円にもならないアイテムを連続50回落とすギネス保持者だぞ

:↑ そんなギネスありません

:最近倒さないけど、心折れたのかな?

桐島:社長に止められたらしいぞ。知らんけど

五十嵐:会社の損失でもあり、社会の損失でもある、レアアイテム落とす金スライムを倒させるのはもったいない。

:アイテムが運って本当なん?


「本当だよ。人によってドロップ運もアイテム運も違うらしい。私は良いほう」


その運で私は先日3位になった。

この運についてはいろいろ考察されていて、ダンジョン産の物全般に作用すると考えられている。


技能書や宝箱などだ。


:次の階も骸骨の上位だろ?

:強さ変わんないし瞬殺

:問題はボスだけ。魔女はランク詐欺だから。

:しかもボス補正がある。


転移陣に乗り5階層。

敵はナイト・リッチ、槍を持った骸骨で鎧も着ている。


骸骨系は打撃に弱いが鎧が体を守る為、鎧の無い部分以外はダメージが効きにくい。

その為、骸骨系のもう一つの弱点である火の魔法が有効だ。


もちろん私はそんな魔法を習得していない。


解放されたナイト・リッチは私の動向を探るように槍を構えて待つ。

魔法が無いのだからいつも通り戦うしかないが、私が盾を構え突撃するとその衝撃を槍で受け流される。


突撃を流されたが、相手の次の攻撃よりも私の足の方が速く走り抜ける。

最初とは反対の位置で睨み合い、もう一度突撃する。



:普通に受け流されたな

:ナイト・リッチは知能ある魔物に分類されるからな。武術の心得があるらしい

:無暗に突っ込んでるけど、ごり押しだな

:瞬殺すると思ってた。侮ってごめん



槍補正持ちのナイト・リッチは私の攻撃を容易く流す。

最小の動きで逸らされる為、ゼロカウンターなどの技能は意味がない。あの技能は強い力ほど利用しやすいからだ。


例をあげるなら、スカイビーみたいにいっきに空に上がる敵は落としやすい。上がった力がそのまま下に作用するからだ。

逆に、マジシャン・リッチはプカプカ浮き上がる。そのまま下にしてもプカプカ落ちるだけ。敵は浮く力を重ね掛けすれば空中を維持でき、さらに重ねればまたプカプカ浮き始める。



敵から攻撃してきたならその力を利用できるが、ナイト・リッチには最初以外攻撃の意思がない。

隙を突く以外は守りに徹しているのだ。


「……ッ」


6回突進を繰り返し、すべて逸らされ痛くないが一撃を貰った。

流石に強化されている個体だけあって、ブラックゲートの魔物よりも厄介で強い。


このまま体力勝負でも勝てない事は無いけど、対人経験にもなる敵に突撃だけだと勿体ない。

風神の盾を仕舞い、重盾を取り出す。


:なんか槍で突かれたな

:槍で突く……卑猥だぞ

:怒って本来の武器を取り出した?

:↑ そんな訳ないって



傷はすでに無いし痛くも無かったけど、ナイト・リッチは顔を狙ってきた。

女の顔を狙ったのだ、痛くなくても許せない。



:そういや、重盾より風神盾の方が高いよね?性能は重盾の方がいいの?

:風神盾は汎用性とセット効果。人気が高いから高い

:重盾は純タンク装備で高水準。タンクが居ないから不人気。

五十嵐:重盾は剣で換算するなら10億クラス。風神盾はそのまま4億かな。重盾は重いし硬い。盾の重いは攻撃力。風神盾は硬いけど軽い。

:つまり重盾の方が攻撃が高いって事?



盾を構え突進するではなく飛ぶ。

人外の脚力で一気に距離を詰め、斜め上から押し潰すように迫る。


さっきと同じように槍で受け流そうとする敵に、盾の技能を使う。


――『重盾』――『不動』


途端に重くなる盾。

槍とぶつかった瞬間、受け流す事ができず、槍を抑えて敵が目の前にいる。


この距離では槍を引くことができず、槍を離さない限り距離を取る事も出来ない。

ナイト・リッチの弱点、槍が無いとただの骸骨になる事。


槍を離す判断が遅く、相手が動くよりも早く私は拳を振りぬく。

狙いは頭。兜は無く骸骨の顔に目掛けて一撃。


打撃に弱い骸骨には致命的なダメージとなり、その瞬間槍だけを残して消える。


「よし、500万の槍ゲット」


:おお!

:よし!

桐島:馬鹿な……前回に引き続きだと!?

:素手で行くとか修羅の人かな?

:やはりミノ姫、脳筋である。


槍を仕舞い次の階層に向かう。

次が本番、本当のボス戦だ。すでに予習はしてきたし、さっき使った秘密兵器が私にはある。むしろバルバトスが一瞬で攻略する可能性もあるが、気を引き締めて行こう。






あくまで参考程度


ゴーレム (強化) ランクC上位


ステータス【強化】

攻撃力 40:D【80:B】

防御力 40:B【80:B】

体力  30:D【60:B】

魔力  30:D【60:B】

知力  30:D【60:B】



マジシャン・リッチ (強化) ランクC上位


ステータス【強化】


攻撃力 10:F【20:E】

防御力 10:F【20:E】

体力  10:F【20:E】

魔力  50:B【100:A】

知力  50:B【100:A】



ナイト・リッチ (強化) ランクC上位


ステータス【強化】

攻撃力 50:B【100:A】

防御力 50:B【100:A】

体力  30:D【60:B】

魔力  5:G【10:F】

知力  5:G【10:F】


技能

【死者の病】 一定時間に1度10%の確率で腐敗【小】を付与、同じ確率で自分にも付与  

【背徳】 状態異常の確率が10%上昇、自身の状態異常耐性10%減少

【恐怖の伝染】 一定時間に1度10%の確率で恐怖【小】を付与、同じ確率で自分にも付与

槍補正【中】

【種族――骨】打撃、火、光、酸に弱くなる。それ以外の攻撃は少しづつ回復し、酸以外の状態異常耐性(100%)を得る。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ