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14、私配信者になりました





はい。と言う事でやってきました魔女のダンジョン。


あれ、お茶会は?

3人が楽しくお話しして解散しましたよ。


そしてその3人が結託していつの間にやら動画サイトのチャンネルが出来上がり……今こうして配信をしている。

……私配信者になりました。





【Cランクゲート孤毒の魔女】初めましてTSしました【まだ狩らない】 Live


武蔵 夏輝/Musashi Natsuki Ch 登録者3人 視聴者8人





「まずはTSしたので体を慣らしていきます」



桐島:TSするって聞いたけどマジか。つか、活動再開早すぎだろ

:偽物じゃない?

:めっちゃ美人じゃね?

:本物ですか?


チャットを読みながらダンジョンを進む。

本物か聞かれたので、とりあえず装備を見せる。技能を見せる事も考えたが、配信前に試した時技能が発動しなかった。

どうも強化されて技能が変わったらしい。


今度技能を調べる必要がある。


「とりあえず、装備は初心者防具と風神の盾、重盾だよ」


:とりあえず自己紹介からじゃない?

:まあ、昨日のテレビ見てない層もいるだろうし

:なんでもう動けんだよ。

桐島:他の連中にも見せてくる


「TSしてその日には動けるようになったよ。でも、まだ慣れてないかな」


:TSってそんなすぐ動けたっけ?

:まあ長くて2週間くらい動けなくなるらしいけど、早いと数日……その日にって例は知らない

五十嵐:回復系の技能があれば慣れるのに早いと研究結果があったよ。

:↑有識者現る

:俺ら自称ハンターとは違うな

:自己紹介まだ?


「へー、そうなんだ。あ、自己紹介ね。武蔵夏輝と申します。先日報酬で手に入れたTSポーションを使い女性になりました。前身は武蔵小五郎です」


:本物なんか

:自己紹介短い

桐島:怪我には気をつけろよ

西:可愛いっす!

:ダンジョン説明ヨロ


「ダンジョン説明ね。Cランクゲート【孤毒の魔女】、魔女シリーズの1体で8階層の闘技場型ダンジョンだよ。特徴は全階層に敵が1体づつ現れるのと、敵が普通のよりちょっと強い感じかな」


:特殊個体?

:いや、ダンジョンの効果らしい。

五十嵐:ダンジョン効果【蟲毒】。敵が1体の代わりに強化されるらしい。特殊個体並には強いよ。

:↑孤毒と蟲毒?

五十嵐:いや、孤独と蟲毒で孤毒


「説明ありがと。ここのダンジョンは制限ダンジョンだから、Bランク以上のハンターしか入れないんだ。せっかくBランクに上がったしって事でここを選びました」


:いや、普通レベル低いダンジョンを選ぶでしょ

:体慣らしに制限ダンジョン、脳筋かな?



制限ダンジョンとは国が制限をかけたダンジョンの事だ。

だいたいはランク以上に敵が強く、死傷者が多いダンジョンが指定される。ただ強いだけのダンジョンならクリアしてしまえばいいのだが、利益が大きいダンジョンはクリアせずに解放されるのだ。



「1体目はオーガ。Cランクでも強めの魔物」


闘技場真ん中の魔法陣に囚われている1体の【オーガ】。その魔法陣が起動しバリアが無くなる。

解放されたオーガは闘技場を震わせるほど大きな雄たけびを上げる。



能力はミノタウロスの下位互換である。

技能は攻撃力強化がメイン。


:ここってなんで制限されてるの?

:あれだろ、魔女のダンジョンだから

:報酬が良いのはそうなんだけど、死亡率の高さからBランクに格上げされたんだよ

:あと、倒したらクールタイムがあるからだな。



オーガが大きな剣を突き立て、地面を飛ばす。

石礫は弾丸のように早く鋭く飛んでくる。当たれば少なくないダメージになるが、すべて風除けに弾かれた。


:機材に当たらなくてよかったな

:普通誰か撮る人がいるんだけどな。置いて撮ってるから仕方ない

:これ魔法飛んで来たら吹っ飛ばされるよな


そのまま突っ込んでくるオーガ。

俊敏な動きで私の前に立ち、その大きな剣を振り下ろす。


それをまるでスローモーションのように見て避ける。

やはり身体能力以外の能力も上がっているようだ。


何度も繰り返し振られる剣を避け、顔を蹴り上げて距離を取る。

ただの蹴りだがオーガを後退させる程の威力があったらしい。


:こいつ……脳筋だッ!

:早くて見えねぇ

:低速にすれば見えるぞ



開いた距離で助走をつけ盾を構えてオーガに突撃する。

オーガも迎え撃とうと剣を構えたが間に合わず、衝突した瞬間私の上を通り過ぎて吹き飛ばされる。


ミノタウロスと違い、相手が押し負けたのだ。


:強化されてるオーガ(笑)

:何が起こったか説明プリーズ

:今起こった事をありのまま話すぜ。倍以上大きなオーガと武蔵ハンターが衝突した瞬間、オーガはガードできず盾に轢かれた。まるでトラックに衝突した車のような姿だったぜ。何を言ってるか俺でも分からねえ。

桐島:強くなってんな。

:トラックと車が衝突してトラックが飛ばされてったぞ


振りかえるとオーガは地面に衝突し、光になってアイテムに変わる。

やっぱり前より強化されているようだ。


敵がいなくなり、次のステージに行く魔法陣と帰る魔法陣が出現する。

まだ体が慣れていないから、当然次のステージに行く。


五十嵐:技能強化された?

:普通は女体化すると運動能力が下がって魔法系が上がる。前より強いなんてありえない。つまりこいつは偽物

:いや、本物だろ。盾で戦うハンターなんてそうそういないぞ

桐島:おいおい、強化直後は技能の発動言語知らねえと使えねえぞ

:技能の強化ってマジなん?都市伝説と思ってた


「前より強くなったけど、技能使えないんだよね。技能強化はあるよ、方法は言わない」


:まあ人の口には戸が立てられないからな。都市伝説のどれかが正解なんだろ

:こいつは偽物。知名度目当てで盾使ってるだけ

:強化されてるオーガ君を轢き殺す。バーサーカーかな?


「今度、技能のトリガー調べてもらう」


桐島:普通調べてから活動再開するだろ。馬鹿だろお前

:俺らであだ名考えようぜ

:そういうのは本人から提案してからだろ

:いや、どう考えても配信初心者だぞこいつ。撮り方が雑

:まあね。置いて撮るのはいいけど、奥で戦うと小さくて分からん


2階層目、2体目の敵が現れる。

【スカイビー】、巨大な蜂だ。


:で、名前は?

:脳筋

桐島:ゴリラ姫

:ミノ姫で良くね



魔法陣のバリアは攻撃を防ぐので、バリアが壊れるまで待つ。


空を飛ぶ敵は厄介で、普通はチームで役割を決めるのだが、私は1人だからできない。

空で回復されたら戦闘が長引くだろう。まあその対策は準備してきたが。


バリアが壊れた瞬間、スカイビーが天井まで飛んでいく。

10m以上の天井付近にいる敵は空から毒の針を降らす。それらを盾で防ぎながらある物を取り出す。


「ギョギョォアァォォァ‼‼」


アイテム【マンドラゴラ】である。


効果は3つで【挑発】【呪い】【固定ダメージ】


ちなみに私にも呪いと固定ダメージが入る。


:ぐあー

:ぐえー

:ぐぎゃー

:使うなら使うと言えよ。俺らにはダメージ無くても様式美があるんだよ


「呪いはレジストできたけど、固定ダメージは痛いね。頭痛がする」


:いや、頭痛だけかよ

:高ランクはこれだから化物扱いされるんだよ。普通の人はあの叫びで意識無くなるから

:Cランクの呪物


スカイビーも呪いにかかり、ふらふらと落下してくる。

毒の針も狙いが定まらず闘技場のあちこちに刺さる。


:いくら強化されても、所詮はCランク。呪物には勝てん

五十嵐:特に虫系は呪いの耐性がありませんからね

:あーあ、今回も轢き殺されたよ


落ちてきたところを盾で突撃し、吹き飛ばされたスカイビーは光に変わりアイテムを落とす。


「お、レアアイテムゲット。『毒の耐性(偽)ポーション』ね」


お値段なんと500万円。


桐島:運良いな

五十嵐:もともと制限ダンジョンなのでドロップアイテムも良いはずですよ

:いいなー

:オーガの時は剣だっけ?制限ダンジョンって良いな


「今日はここまで。帰るからバイバイ」


そう言って配信を切り、帰還用の魔法陣に乗る。


:あ、終わった

:うーん、正直配信としては微妙だけど、高ランクの配信者は珍しいからな

:成長を期待する。って事でもう少し配信者の知識教えてやれ。(俺は知らん)

:高ランクのハンターって配信よりも攻略する方が儲かるから

:女の子の配信者っていいよね。(脳筋だけど)

:結局ミノ姫でいいの?

桐島:まあミノ姫でいいだろ

:議論した結果だな。誰も名前で呼ばないのなんでなん?

:次俺らの名前決めようぜ






※)ステータスは本編と関係ありません。


オーガ (強化) ランクC上位


ステータス【強化後】


攻撃力 40:C 【80:B】

防御力 20:E 【40:C】

体力  30:D 【60:B】

魔力  10:F 【20:E】

知力  10:F 【20:E】



スカイ・ビー (強化) ランクC上位


ステータス 【強化】


攻撃力 30:D 【60:B】

防御力 10:F 【20:E】

体力  20:E 【40:C】

魔力  40:C 【80:B】

知力  30:D 【60:B】


技能

【毒針】 毒(中)を持つ針を飛ばす

【空中機動】 空中であらゆる軌道が可能。停止も可能

【毒耐性(上)】 毒の耐性を持つ (80%)

【種族――虫】 呪い、火の耐性ダウン。斬撃、突き、打撃の耐性アップ


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