【Logos】
受け入れられた少女は、リーダーに向かって声を発する。
少女は何度も同じ響きの音を繰り返しリーダーに向かって発音する。
少女の不思議な行動にリーダーは首を傾げるばかりで、全く理解が出来なかった。諦めたように少女は立ち上がりリーダーに近づくと、そっとリーダーに抱き着く。
「A㈠=0≉≭Av」
その時、リーダーはその音の連続が感謝を意味するものだという事に気が付く。
〝〚あーあ。想定外の事が起きちゃったなぁ。〛〟
天上で何者かがそう呟き、口角を歪めて嗤う。
〝〚少し疲れるが、、、面白そうだから、まあいいか。〛〟
そう言って彼は立ち上がるのだった。
地上に突如として大きな変化が訪れる。
今まで星々が輝いていた夜空が急に明るくなり、雲一つない青空が広がる。
洞窟に籠っていたホモ・サピエンス達は何事かと洞窟の外へと出てくる。唯一、何者かの少女だけは何が起きたのか理解できない様子でキョトンとした表情を浮かべる。
ホモ・サピエンス達の頭上に巨大な光の輪が現れる。
人間達は目の前で起きている現象の意味を理解する。
そして祈る。
我らにも互いに分かり合う術を!!
これまで成し得なかった完全な理解を我が手に!!
光輪は人間達の視界を奪うほどに強く輝き、消滅する。
人間達が堪らず閉じた眼を開けると、頭上には星空が広がっていた。
人間達が洞窟に戻ると、ネアンデルタール人の少女が1人中で待っていた。
「何があったの?」
そう呟く少女の言葉をリーダーは理解する。
人間達は互いを見合い、そして感謝する。自分達に与えられた物と、天に存在する主に。
「神様が我らの願いを叶えて下さったのだよ。」
少女は突然ホモ・サピエンス達が自分達の言葉を発したことに驚く。
「かみさま?なにそれ?」
「我らを見守って下さっている方だよ。」
「よくわからないけれど、、、それよりも!! 私の言葉が分かるようになったのね!!」
「ああ、ありがたいことだ。これで君とも、仲間とも分かり合うことができるよ。」
ネアンデルタール人の少女とホモ・サピエンスのリーダーが楽しげに言葉を交わし、それに他の仲間たちも加わる。
ただのメロディだった歌に意味が加わり、夜の宴は続いていく。
この日、地上にいる全てのホモ・サピエンスが言語を授けられた。地上にその姿を現した何者かは天上に戻ると、疲れたよな表情を浮かべる。そのまま彼は横になり、転寝を始めるのだった。