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策略

「レイ、パーティーには入っていないのか」


「そっちこそ」


「入ってると思うか?」


「思わない。じゃあいつも通りやろうか」


「ああ―――いつもと言うには、まだ短いがな」



 二人は草原の、冒険者の集団内に。

 少し離れた場所には、もう魔物共の姿が見えている。



「さて再戦だけど、覚悟は?」


「この地に来た時点で終えていよう?」


「違いないな」



 辺りの冒険者が、武器を取り出し始める。

 魔物も進行を続け、もう矢が届く位置だ。



「攻撃―――開始ッ!」



 声が上がったと同時、冒険者達の雄叫びが上がった。

 そして走りだす。



「ロムニス、お先に失礼するとしようか」


「ああ」



 瞬間、二人は魔物共のいる位置上空へと転移。

 即座に、攻撃に移る。



群雷(ぐんらい )!」


豪炎球( ごうえんきゅう)!」



 叫んだ途端、天天羅蘇使用時の様な巨大な炎の球と、雨の様な落雷が降り注ぐ。


 小さな魔物達の叫び声が響き渡る。

 多少の強さがある魔物は攻撃を回避するか弾くかなどして対応。


 そして二人の、遥か背後を見据えている。



「レイ、来るぞ」


「ああ、やろうか」



 地上では冒険者と魔物の衝突が開始。

 そして上空では、炎噴射で飛ぶレイと、足元に磁力を発生させて飛ぶロムニスに対して飛来する生物が現れた。


 そう、飛竜だ。

 一撃目とは違う、ちゃんとした戦闘相手、レイはちゃんと、戦う準備を整える



「炎剣―――さて、行くぞ」




 ●●●●●●




 後方、対策本部。

 ロッソや国兵の上層部が集まって、戦況を見定めている。


 そのテントへ、一人の兵が入ってきた。



「戦闘開始―――現在は初撃から敵へと大きなダメージを与え、両軍の衝突後も戦況は良好。大方初期の想定通りであります!」


「ありがとう。もう下がって良いよ」


「はっ! 失礼しました!」


「ありがとね〜」



 兵がテントから出ると、ロッソが珈琲を一口で飲み干す。

 息と共に熱を吐き出してから、言葉を発する。



「始まってしまったが、ここまでは君達の想定通りかい? 騎士団長様と、公爵様や」


「想定通りとは、何のことだ? 幸先が良い事は喜ばしい事ではないのか?」


「援軍、物資なんかの到着が遅れているのは知っているよ? 騎士団長、君の一声で僕への報告を遅らせたみたいだけど、何の意図があるんだい? 五年前の王位争奪戦で僅差で負けたからと、多くの国民を巻き込んで戦争でも起こす気かい?」


「さあな………今更弟の取った王位になど、まるで興味が無いな」


「都合のいい事言っちゃって―――良いかい? 君が何に拘ろうと興味は無いが、それでギルドの人員を巻き込まないでよ」


「巻き込んだら、どうする? 何が出来る?」


「勿論、潰すさ」



 力を込めて、ロッソが言った。

 その言葉は騎士団長、キルケーに向けてのものであり、隣で黙りこくる公爵、カインズに対してのものでもある。


 脅しではない―――様々な魔法を預かり、中には返先が死亡して完全に自分のものとなった魔法もあるロッソからすれば、騎士団の戦力は手の届く位置となっているのだ。


 魔術師の中でも優秀な者は、単独で街一つ落とす程度の戦力を保有している。

 魔法複数持ちとなれば、対騎士団、更には国を相手する事もある。



「大人しく通行整備でもしてなよ。君達の仕事の国防は、僕がしておくからさ」

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@QkVI9tm2r3NG9we(Twitter)

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