しばらくぶり
三日ほど、ロムニスが姿を表さなくなった。
泊まっている宿屋を聞いておけば良かったなと思いながら、レイは冒険者ギルドへと寄せられた依頼をこなして日銭を稼ぐ。
貯蓄はあるが、それは怪我などで働けなくなったとき様。
普段は時間があれば依頼をこなして金を集める生活だ。
「マーサルさん、ここにあるので全部ですか?!」
「ああ、そうだよ! 頼んだよ!」
今日は、腰を悪くした老人、マーサルの代わりに薪割りをしに来た。
冒険者ギルドへと寄せられる依頼は戦闘だけでなく、力仕事や話の聞き相手なんかも。
命も賭ける、何でも屋だ。
ここの家で借りた斧で、次々と薪を割る。
ある程度割ったら、指定された位置へと運んで、また新しい薪を割り続ける。
「っしょ! 結構こたえますね、これ」
「そうだろう、お陰で腰をやってもうたわ」
マーサルは腰を摩るレイへと向けて、面白そうに言う。
多少の言葉を交わしながらも、レイは順調に薪割りを続け、小一時間程で用意された薪を全て割り終えた。
マーサルの好意で昼食を共に食べたら、金を受け取って宿屋へと戻る。
まだ明るいので、もう一つ簡単な依頼を受けようかと考えたが、腰が痛いので諦めた。
●●●●●●
「………………暇だ」
宿屋に戻ってしばらくしてから意味もなく、横になった状態で態々口に出して言った。
何かないものかと窓から外を眺めると、そこには見慣れた姿が。
「おい、ロムニス!」
「レイか、久しいな」
「久しいって、会ったの最後三日前だよ。今そっち行くから、ちと待って!」
「あい分かった、急ぐなよ」
そうは言われたものの、退屈が終わる予感にレイは急がざるを得なかった。
銭袋を持って、腰に剣をぶら下げ外へ出る。
そこには、一歩も動かず待っていたロムニス。
「今日は既に、何か仕事を終えたようだな」
「ああ、マーサルの爺さんの家で薪割りを」
「あれか…………あの仕事を受ける男は、この街でお前だけだろう」
「まあね。でも、昼食貰えたし」
「そうか。ならば悪くはないのかも知れないな」
「ああ、美味しかった…………ロムニスは今日、何かあるのか?」
「? まさか、知らないのか?」
レイの言葉を聞いて、不思議そうにロムニスは応えた。
レイはどこかへ出かけるような予定は今日無いと思っていたので、何かあったかと焦っていると、ロムニスが一つ溜息を溢して言う。
「どうやら、遂に魔物討伐の参加者が集まったようだ。今から説明だ、行くか?」
「え、知らなかった。行く、超行く」
「ならば急げ。遅れると、少々面倒だ」
レイが思った通り、退屈は終わった。
この街にやってきた本来の目的が、始まろうとしている。
学業が忙しくなりますので、不定期更新にして、中身を多くするor毎日更新を続けるけど少し中身少なめ。
しばらくはこのどちらかになると思います。
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