野暮用
この過去編は、私が串焼きを食べたくて書いている話です。
「よお、ロムニス」
「レイか―――暇か? 暇ならどうだ、また森にでも行くか?」
「今日はダンジョンに行こうと思って。少し行ったところにあるらしい」
「ならば、己も同行しよう」
「丁度誘おうと思ってた。もうすぐダンジョンに向かう馬車が出るらしいから、乗せてもらおう」
言って、ギルドを出た。
あの晩から二人は、よく共に戦うようになった。
森の増え続ける魔物を摘む程度に駆除したり、共にダンジョンに潜ったり。
力量が限りなく近かった二人は、生きも合い、互いに互いをフォローし合えるようなペアだった。
しばらく移動すると、ダンジョンに到着。
移動で疲れはしなかったので、休むこなく攻略を始める。
浅い位置では雑談の片手間にトレントを狩り、深い位置では最低限の言葉で互いの動きを見て合わせて、出会って数日と言っても誰も信じないであろう程のコンビネーションを見せる。
深い階に現れる魔物は、灰を固めて狼にしたような魔物、群灰犬だ。
基本として群れ行動であり、更に一体一体の戦闘力が高く、単独で撃破するには難しい相手だ。
「レイ、少し逸れろ!」
「そっちもッ!」
言って、レイは炎を放った。
炎はロムニスの顔のすぐ横を通過。
そしてレイの顔のすぐ横を同じように、ロムニスの放った雷撃が通過した。
それぞれが互いの背後から襲いかかる群灰犬を撃ち穿ち、破壊。
死骸はただの灰のようになり、それを畑に撒くと、秘められた魔力が野菜に良いと評判だ。
それぞれ、二十を超える群灰犬を討伐すると、他のは敵わないと理解したのか、少しずつ後退りで逃亡。
必要な分の灰は取れたので、レイ達はそれ以上追わなかった。
「はい、仕事達成。どうするロムニス、もう少し進むか?」
「いや、もう充分だろう。地上へ戻ろう」
「そうだな。この後どうする? 一度帰って夜にどっか行くか?」
「すまないが、今晩は野暮用があってな。また今度埋め合わせをしよう、許せ」
一つ息をついて、ロムニスは言った。
今日は少し、時間を気にしているようだった。
「大丈夫大丈夫、それじゃあまた今度にして、今日は戻って解散か」
「ああ、すまない」
「いいって。そんなに言うなら、今度あの串一本な」
「了解した―――責任を持って奢らせてもらおう」
ロムニスは小さく笑って、楽しそうに言った。
後を思えば作り笑顔だったのかも知れないが、このときレイは、初めて心の底からの、濁りないロムニスの笑顔を見た気がした。
「頼んだよ、相棒」
学業が忙しくなりますので、不定期更新にして、中身を多くするor毎日更新を続けるけど少し中身少なめ。
しばらくはこのどちらかになると思います。
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