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出会い

 この街にいると、よく思い出す。

 あの戦いを、あの地獄を。


 四年前、レイはふらりとこの地に訪れた。


 魔物の数が増えたとヴァイオレットに教えられて、腕試しに良いと思ったのだ。

 来ては見たが、そういえば故郷の村がすぐ側だななどと考えながら、兵に追加として戦力を集う冒険者ギルドへと向かった。


 手続きを済ませると、安い宿屋を探す。

 しばらく分の金を払って荷物を置いたら、少し街を練り歩く事にした。


 戦いに参加しに来た、レイのような冒険者を狙ってか、街はどこか活気付いている。



「あ、美味しい匂い」



 思わず呟いた。

 鼻の奥を突いた匂いのする煙を追うと、その先には牛串焼きの屋台。


 レイは腰の銭袋から小銭をいくつか取り出した。



「「店主、それを一つ」」



 レイが言った言葉が、なぜか二重に聞こえた。

 もう一つの声が聞こえた方向を向くと、一人褐色の男がレイと同じように視線を向けていた。



「すまない、己は他を行く故に、案ずるな」


「いや、何本もあるし、一本ずつなら…………」



 おかしな人一人称と、古風な喋り方を少し面白く思いながらも、レイは言葉を返す。

 男はそうかと言って、小銭を払い串焼きを一つ買って行った。


 背負っている旅荷物からして、自分と同じ戦いへの参加者だろうかと考えながら自分も小銭を払うと、それを食い終えて辺りを見渡して、他に何か面白い店はないものかと探す。


 しばらく歩くも何もないので、ひとまず宿屋へ帰った。




 ●●●●●●




 日も落ちて、すっかり空には星々だけが輝く様に。

 月明かりと、自分の少し前を浮いて進む炎だけを頼りにして、レイは歩く。


 増えた魔物はどのようなものか事前に知りたく、魔物も大人しく寝ているであろう夜に街近くの森を訪れた。


 昔買った安物の剣を握って進むと、自分の他に落ち葉を踏む音が聞こえた。

 その男を聞くために立ち止まると、相手もほぼ同時に停止。


 動物ではなく、知性のある相手だと判断した。



「誰だ! 人なら出てこい!」


「その声…………昼の男が」



 木の影から、一人の男。

 火を増やして辺りを明るくして見ると、牛串焼きの店であった男だ。



「貴殿も魔物の様子見か?」


「ああ、戦う数やらを見たくて」


「そうか、良い判断だな―――普通に考えれば不可欠な行動だが、案外見にこない者が多い」


「気が合いそうだな、この後少しどうだ?」


「いいだろう、昼間にうまい店を見つけた。貴殿はどこかあるか?」


「いや、任せるよ。アンタの舌が確かなのは、昼に分かってる」


「あの串焼きか、あれは確かに美味かった」



 二人は早速意気投合。

 夕飯の約束まで取り付けてしまった。



「俺はレイ、レイ・イグニスだ。よろしく」


「己はロムニス・ロッチェロだ」



 この後二人は共に魔物を探して、確かに他より遭遇率が高い事を確認。

 仲睦まじく言葉を交わしながら街へと戻った。


 ――――――この二人が、(のち )にただの魔物との衝突を戦争と呼べるものまで拡大させ、それを終戦へと導く事になる。

学業が忙しくなりますので、不定期更新にして、中身を多くするor毎日更新を続けるけど少し中身少なめ。

しばらくはこのどちらかになると思います。

感想、またはTwitterのアンケートなどに意見を貰えると、大変助かります。



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@QkVI9tm2r3NG9we(Twitter)

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