陽動作戦
バビロニアでティアマト倒してたら遅くなりました。
すみません。
28話 陽動作戦 修正
「千年前―――まさかイルマーニ様は、千年前の…………」
「いや、登場我は存在はしていたはいたのだがな、お前のような機械人間などが投下された戦争には興味が湧かず、この神域に籠っておったわ―――だから我の代わりに、あの戦争に居た者を呼ぼう」
それを聞いたアリスは、納得したような表情を見せる。
「レイ、機械娘との情報共有は済ませたか?」
「待っている間に」
「分かった。では絵の入手のそちらのタイミングに任せて良いな?」
「そっちの方が動きやすい。そうだな…………アリスの調子も見て、三日後には動く」
「そうか―――ならば暫しの間、この城で休め」
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アルマーニ教国の中心都市、ピルグリム。
この街には、世界最大の教会が存在する。
名を、グトゥス。
神アルマーニの使う力に由来した名だ。
今、そのグトゥスにて一つの儀式が行われていた。
アルマーニ再臨の儀。
熱心な信者百名を贄として―――教皇、アルマーニ教指定の聖人の二人が儀式を行う。
三日月の夜、三時にグトゥスの扉は固く封じられて、儀式は開始。
百人分の心臓を全て十字架で貫き、山のように積む。
その作業が終われば、二人で心臓を挟むような形で立って、聖書を読み上げるのだ。
儀式の事は、この二人以外誰一人として知らない。
その為、街の中ではいつも通り、宗教の教えに基づいて管理された平和な夜三時が流れている。
それも、今日までだ。
●●●●●●
神域を出て、まず何をするか。
それは決まっていた。
真っ先に、近隣の街を落とす。
アリス達がいた街、ミルガンを。
「基本的に攻撃はしない―――恐怖で一時的に支配するんだ。その役は俺がやるから、アリスには絵を持ってくる役割を頼みたい」
「分かりました、マスター」
アルスとイルマーニは、あまり戦力にならないので神域にて待機。
イルマーニは少しは戦えるし、逃走手段もあるが、また杭を打たれて弱体化させられてはたまったものじゃない。
街への移動は、簡単だ。
この神域の入り口は森の中のレイ達が入った場所しかないが、出口はアルマーニ教国の中ならばどこにでも出せるのだ。
それを利用して最初から絵の前に出ようとも思いはしたが、突然包囲網の中心に放り出される可能性もあり得る。
ここは慎重に、街の外から攻めるが吉だ。
「それじゃあイルマーニ、お願い」
「頼んだぞ」
神域に入ってから三日目の深夜、レイ達はミルガンの外へと出る。
即刻行動開始だ。
「炎とは再生の兆し。炎とは繁栄の証。炎とは希望の灯し。暗がり暴くは我が涯の御手。聖火、百景、獄炎―――千の伊吹を妬いては身を焦がし、錬の合間に静閉ざす。賽は投じられた―――我が身投じ、熱筋を導こう。超級魔法、天天羅蘇」
レイの人生史上、二番目に静かな詠唱。
見張りの兵がいないタイミングを見計らい、天天羅蘇を発動。
静かに飛び上がって、街壁を登り切ると、そこから街中を見て、壁際で最も人目が少ないであろう位置を探す。
見つけ次第火の糸を壁外のアリスへと伸ばして、それでアリスを案内。
レーザーで静かに壁を破壊して、潜入完了だ。
「獄炎球―――|後光六道輪連華《 ごこうろくどうりんれんか》」
背の側に円と炎の玉。
即刻目立つのならばこのままでも良いが、まだ早い。
「六道―――モデル・アサシン」
天天羅蘇の炎が全て右手へと収束。
炎はモデル・ガンナーの弾丸の様に固まり、光を発さない、赤の鎧へと変わる。
右手だけとはいえど、その硬度は凄まじい。
目立つ要素が無くなったレイは、見回り兵以外の人か出歩いてはいない街へと、壁に右手の指をめり込ませながら降りる。
静かに着地して、辺りを音で探る。
足音が二つ。
見回りだ。
静かに背後から寄って、硬い硬い右手で二人の首を殴打。
意識を失わせてから先へと進む。
街の大通りへと出て、地面へと手を当てる。
目立つならば、今だ。
「モデル・アサシン―――解放」
瞬間―――右手へと凝縮された炎が、地面に向けて破裂した。
凄まじい爆音を鳴らした爆発と共に放たれた手の炎は、元の六道の形へと戻る。
聖騎士達が大量にやって来た。
恐らく街中から集まって来ている。
「やっぱこの国、気持ち悪いな…………」
聖騎士はこれでもかというほど現れたが、街の住民は誰一人として現れない。
家の明かりがつく事も、物音一つでも起きる事も無いのだ。
レイは飛び上がる。
掌を空へと翳して、夜空には無いはずの太陽を小さくも作り出す。
聖騎士はアリスの時同様に槍に電気を纏わせて投擲するが、レイはその炎を放って、槍は空中で、地上では聖騎士を溶かした。
炎の光は街を照らして、夜を昼間と錯覚させる程。
にも関わらず、やはり誰一人として街の住民は目を覚さない。
警戒している、用心深いにしてもこれはおかしい。
怪しく思っていると、突然レイの首元を、レーザーが通過した。
事前に決めていた、異常事態の合図。
レイのいる方向へと、レーザーを放つと決めていた。
「ズレたら死ぬってっ!」
そう言いながら、アリスの元、絵のある建物へと飛んだ。
そろそろ夏休みが終わるので、基本一日1話更新へとなります。




