表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/35

夏祭りでの分岐イベント?

私は、とにかく必死でメモをとりながら、

ガブリエラ様に話を聞いている。


きっと今までの感じから言って、

割とゲームっぽくなってしまうのは、もう間違いないだろう。

多少は知識をいれておきたいところだ。


私は知らないんだし、もうゲームぽくしないでほしいんだけど、難しいんだろうな。


とにかく卒業式がエンディングということだったので、

とにかくそれまで乗り切りたい。


「キースルートでは、キース様が、お母様を守ろうとなさって怪我をするイベントがあって、それで聖女の力が覚醒していないと怪我が治せなくて、バッドエンドに向かっちゃうんです」


「え、キースが怪我?!」


「ええ、お母様を守ろうとなさるんです。キース様はいわゆるマザコンキャラでいらっしゃるので、お母様とまず仲良くならないと決して攻略できないんですよね。イベントもお母様がよく絡んでますし。ミリー様はお母様と仲良くなられましたか?」


「キースが怪我をするのは嫌です。どうにかならないんでしょうか? キースのお母様には良くしてもらっていますが……」

その怪我は絶対しちゃうのかな?

しってるんだからどうにか守れないのかな?


でもキースって、マザコンキャラだったんだ。可愛いかも。


「そのキースが怪我をするイベントっていつなのかしら?」


「それは卒業間近のデートでだったと思います。」

ガブリエラが、さらに真剣な顔で続ける。


「あ、一つ注意してもらいたいのは、夏祭りのイベントでの分岐点です。キース様とはぐれてしまって会えないで帰ってしまうと、その聖女の力があれば助かるはずの怪我で、亡くなってしまって、バッドエンド確定になってしまうんです」


ガブリエラ様は続ける。


「アイドルグループの攻略は結構簡単なんですけど、隠しキャラに進むと微妙にハードなんですよね。失敗すると大抵死んでしまうし。キースルート、ぜひ、がんばってください!」


「 私今週末、夏祭りに行くんだけど……」


「いよいよ夏祭りイベントが始まるんですね! はぐれないようにしてくださいね! キース様に、『ミリーどうしようか?』って言われましたら、『私キースと手を繋ぎたいです』とおっしゃってくださればはぐれないと思います」

ガブリエラ様、本当にゲームたくさんやりこんでらっしゃったみたい。

すごくありがたい。

私キースと手を繋ぎたいです、ね! メモメモ。


「万が一ですが、はぐれてしまったら、

三つ選択肢があって、公園、教会、イベント会場の3つのうち、公園だけが正解です!」


「なるほど! 正解があるのね。よかった……。ありがとう!」

とりあえずはキースとはぐれないようにして、万が一はぐれたら公園、か。

思ったより簡単かもしれない。


とりあえず、夏まつりではぐれた時のために、

公園で待ち合わせしようね、

とかそういうの決めておくしかないかもしれない。


ゲーム、もう嫌だけど、やるしかない。

そもそも聖女の力は覚醒するのかも謎だしなぁ。


大丈夫なのかな、不安しかないのだけど。


「キースルートのこと、かなりお話できたと思うんですけど、また何か聞きたくなったり、わからないことありましたらご連絡くださいね! 応援していますね!」

ガブリエラ様は、そう言って微笑んた。


笑顔がとても美しい。

ガブリエラ様、私にとって本当に天使様のようだわ。


ヒロインに転生できて、

素敵なキースと婚約できたのは嬉しいけれど、

ガブリエラ様のようにモブ? というキャラクターで、楽しめたらもっと良かったと少し思ってしまう。


いや、よく考えたら、ガブリエラ様も私が助けなかったら大変だったと思う。

とてつもない強制力を発揮する、ゲームの力に怖くなる。


とはいえ、ガブリエラ様にお会いできて、本当によかった。

まさに神の思し召しね。


「ガブリエラ様、わざわざ来てくださってありがとうございます。何かまたお礼させてくださいね……!」

「いえいえ……私が助けていただいたんですから!」


あぁ、シャルロッテの時も思ったけど、

この前世っぽい感覚……! 安心するなぁ。


そしてガブリエラ様はお帰りになられた。


一気に情報が入り、

とても疲れてしまう。


楽しみにしていたはずの、

週末の夏祭りが一気に行きたくなくなってしまった。


このために沢山課題頑張ったのになぁ。


いえ、イベントはイベントだもの。

これはこれ、それはそれ、で。

せっかくの夏祭りのデートは楽しみたい。

その上で、キースのとバッドエンドを回避するんだ。


ふと思ったのだけど、

キースやキースのお母様にも、

私がいただいたような魔法石のお守りのようなものを持ってもらえないだろうか。


卒業間近のイベントまでに、何かいいプレゼントする理由を適当にこじつけよう。


キースはうまく渡せてもさすがにキースのお母様は難しそう。受け取ってもらたとしても、常には身につけてもらえそうにないもの。


※※※


そして、週末の夏祭りの日がやってきた。


朝昼はフリーマーケットをやっていて、

夕方からお祭りが始まるそう。


キースは、今日は午前中はお仕事なのだそうだ、


私はというと、

エイミーが、ミリー様の久しぶりのデートなのだからと、

エステみたいなのをはりきってやってくれている。


とってもきもちいい!エステが自宅でできるなんてなんて素敵なんだろう。

エイミーはエステティシャンもできるのね。

まさに侍女のプロフェッショナル!


あぁ、エイミー私の侍女でいてくれて、本当にありがとう。


貴族の御令嬢というのはなかなか本当に素晴らしい生活だと思う。

ゲームの強制力がなければ、もっと良いのだけどね。


念の為、エステが終わったら、

先に少し行ってみて、夏祭りの場所と、公園の行き方をみにいくつもりだ。


ちなみに前世みたいな精巧な地図はないが、ザックリした街の地図は手に入れたから、下調べさえすれば、

壊滅的方向音痴のミリーでも大丈夫なはずだ。


大丈夫。必ずキースは死なせないし、怪我もさせない。

私が守ってみせる。


不安だけど、大丈夫、大丈夫と何度も自分に言い聞かせる。


どうか、今日が無事におわりますように…。

私は必死で祈ったのだった。

楽しいはずの夏祭りが不安なものになってしまいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ