表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/35

なんだかすごくゲームみたい

私が、

シャルロッテに言われるがままにネックレスを拾うと、

ネックレスがやたらめったら光りだした。


眩しくて目を閉じてしまう。


恐る恐る目を開けると、

そうかなと思ってたけど、

やはり妖精さんがいらっしゃった。


妖精さんは、小さいイメージがあるけど、

人間と同じサイズの、それはそれは美しい少女だった。


うわーめっちゃゲームの中みたい。

清浄な空気の中の美しい妖精さんは、

まるでこの世のものではないみたいだ。


シャルロッテはあれ?って顔をしている。

「どうしたの?」コソコソシャルロッテに聞く。


「ゲームに出てきた妖精さんじゃないの。ゲームはもっと小さいし、男の子なの……」

シャルロッテが言う。すごく動揺している。


え?こんなにむしろゲームぽいのに?

って思うけど、

プレイしたシャルロッテがいうならそうなんだろう。


でもここまでもゲームと同じようでいて若干違ってたりするし、

もうやってみて無理だったらその時はその時ではないかな?と思う。


悔いが残らないようにやって、

ゲームの通り聖女になれなかったとしても、しょうがないんじゃない?って思う。


まぁ大丈夫だと思うんだけど。

サーム先生でもキースでも自死を止めるように頑張って、

バッドエンド回避したらいいし、

私も頑丈魔法(もとい体力増強魔法)がうまく効くみたいだからかけてもらったらあっという間になおるかもだし。


どうにかなるんじゃない?

と思う。


前世で長く生きて思うのは、

正解は一つじゃないし、

最良は最善じゃないこともある。ってこと。


間違えたからってもうバッドエンドですなんて、

困る。

ゲームの世界に転生や転移したかもだけど、

ここで私たちは生きてるんだし。


このようにアラフォーまで生きた年の功のおかげで、

私は多少のアクシデントでも狼狽えずにいけるが、

中身は14歳であるシャルロッテの狼狽えっぷりは相当だった。


サーム先生が死んじゃうって思ったのかもしれない。


いやそうだよな、と思う。

産もうと思ったら私シャルロッテくらいの子産めるんだよなぁ。

なんてそう思う。

そりゃ狼狽えてしまうよね。


前世では20歳以上も年の離れた小さな女の子。

急に死んでしまって、ここにきてしまって、

きっと辛かったよね。

一人でよく、頑張ったね。


なんかちょっと想像してウルっとしてしまった。

オバさんこういうのダメで!

(だめ、自分でオバさんっていうの無し無し!)


狼狽えまくっているシャルロッテと、

それを見てウルウルしている私に向かって、

美しい妖精が話しかけてきた。


「いやちょっとなんかないの?」

 

ズコーって心の中でコケる。(すぐアラフォー出てくる)

なんか神々しい見た目なのに、

妖精さん、めっちゃ普通に話しかけてきた。


シャルロッテは狼狽えてて、私には何かよくわからないことを喋ってる。

ゲームのことかなー?


いや妖精さんも全然わからないっぽい。

うん、わからないよね。


なので僭越ながら私が話すことにした。

いや、なんで言おう。


いや、考えても、全然いい言葉が見つからない。もうコレでいいか?

「聖女の力ください!」


「え?」と目の前の神々しい妖精さんは、

目を丸くした。


さすがに直球すぎたかな?


いやでも私はゲームの世界しらないし、

ゲームの内容知ってるはずのシャルロッテも妖精さんが違うって言ってるし、

しかも狼狽えて何言ってるかわからないし。


もう普通に話しするのが一番いいんじゃない?

と思う。結局のところ。


なので、もう言うことにした。

「私今幽体なんですけど、実は本体の方死にかけてまして。

どうやらその結果いかんで、知人が自死を選びそうな予感がしまして。自分で自分を治せたらなと思いまして、こちらに、来させていただきました」

と言った。うまくまとめたと思う。


「なるほど」と妖精さんはおっしゃる。


彼女が動くたびに、

フワフワのまつ毛が揺れる。

そのまつげに彩られたおめめはキランキラン(語彙力)まさに妖精であるなと思う。

会話より顔に集中しちゃいそう。美しすぎて。


「フーン。そうなんだ。それならちょっと手伝ってほしいな」

美しい顔がちょっといたずらっ子みたいにくしゃっと笑った。

そういう顔も美しい。


「いいんですか!ぜひ手伝わせてください!」


私は二つ返事で答えた。


※※※


「コレって一体何ー?」

私はいま、丸太の上にいる。


こっちが混乱である。


私の前にはようやくゲームの筋に戻って落ち着いたシャルロッテが、

「これ覚えがあるんだけど、多分ミニゲームだと思う」

という。


シャルロッテの話から察するに、

聖女の力を与えられるまでにミニゲームを何個かこなす必要があるらしい。


ゲームらしい感じに戻ってきてなんだか私はなんだかなぁ、

と思ってしまうが、

こういうゲームらしい感じになると、シャルロッテは落ち着くみたいで、(2度目まして状態だからかな?)

かなりの戦力になる。


このゲームは丸太の上にスノーボード?みたいに乗って障害物を避けつつゴールまで目指すというゲームのようだ。


一応設定なのか、

私の大事な妖精さんたちが見えなくなっちゃったの、

探してくれる?と言って始まったのがこのミニゲームであった。


シャルロッテがいうには、本来はこの美しい妖精さんを探してほしいと、小さな男の子の妖精に言われるらしいので、

ちょっと逆みたい。


無事聖女のお力をいただけるに越したことはないけど、

この丸太に乗るの、幽体だからどうにかなってるけど、

じゃなかったら無理だったと思う。


それにシャルロッテと二人で乗ってるんだけど、

シャルロッテが思った以上に動体視力に優れ、俊敏性を兼ね備えてくれていて、

すごくスムーズにゲームが進んでいる。

(ゲームじゃなくて現実だけど、でもなんか、遊園地のアトラクションみたいだ)

私はなんかシャルロッテに捕まってるだけって感じだ。


私たちはゴールとかかれた場所に辿り着き、

丸太に乗るミニゲームはどうやらクリアできたようだった。


そのあと周りが妙な空気になった。


雨が降るみたいな感じで、

急に風が吹いて、周りが少し暗くなって。


「これもミニゲーム?」

シャルロッテに聞くと違うらしい。


シャルロッテが知ってるからスムーズに行くと期待していたけど、違うみたい……。


どうか、無事に帰れますように。私は、そう思った。

ゲームみたいなのが好きなシャルロッテと、苦手なミリー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ