表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/35

イベントって?


 私は覚悟をしたのだが、今現在、私はそもそも、このようにふよふよ漂ってる。


 イベントをこの状態でできるんだろうか?


 シャルロッテさん、何か考えがありそうなんだけど、不安でしょうがない。


 シャルロッテさんが頼りなんだから、サーム先生は私がベッドでこの先過ごしても自死を選ばないだろうなんて口が裂けてもいえないな。

 そもそも解除したのキースだしな。


 え? ちょっと待って。キースが解除した、ってことは、

キースが自死を選んでしまうって可能性もあるんでは?


 どうなるかなんてわからないけど、絶対ではないけど。


 イベントとやらをやるしか、ない!


 「で、そのイベントなんですが、どうしたらいいんですか?」

 私は、シャルロッテさんに聞く。


 「ていうか、そろそろ敬語やめてほしいな。普通にシャルロッテでもいいし。私ミリーをプレイしたこともあるんだからさ!」

 シャルロッテさんはそう言う。


 いや早くイベントの話して欲しいんだけど、とも思うも、シャルロッテさんがずっと馴れ馴れしい感じの理由がわかった。

 私のこと、分身みたいに思ってくれてるのかも?


 まぁゲームって分身みたいな感じだもんね。


 「わかった。シャルロッテ! イベントの内容、教えて? 私、どうしたらいいのかな? あなたが頼りなの!」

 私は言う。もう普通でいいよね。


 「了解!」

 シャルロッテはツインテールをピョンと揺らしてニッと笑った。

 いちいち可愛いな!


 シャルロッテが言うには、イベントの発生は、クラスのみんなでやるドッヂボール大会からだった。


 ……ドッヂボール大会とか、あったかな?


 「いやアナタ見てたけど、誘われてたの全部スルーしてたよ」

 ジトっとした目で、シャルロッテが言う。


 あれかな? やたら休み時間にドッヂしようよ、って誘われてたあれかな?


 私休み時間にはドッヂボールとかやりたくない派だったから断り続けてたのに、やたら誘うよなーしつこいなーって思ってたんだ。


 イベントだったのね。ゲームの強制力、怖い。

 認識阻害魔法はそこは阻害されなかったんだね。


 憶測でしかないけど、まぁまぁ大事なイベントだったのかもね。


 シャルロッテ曰く、ドッヂボール大会で張り切ったミリーは頭をぶつけて倒れ、今のような幽体になって帰れなくなる、というのがイベントの始まりらしい。


 えっソレ怖い。

 予備知識なくて、それになるのめっちゃ怖い。


 ドッヂボール断っててよかった……。

 ってダメかしら。


 で、選択肢が三つでてくるらしい。

 妖精の森にいくパターンと、自分ちに帰るパターンと、図書館に行くパターンがあって、ここは妖精の森、が正解らしい。


 「いや、妖精の森ってどこ?」

 シャルロッテにつっこむ。

 そんなところあるの? 私、知らないし。


 「フッフッフ! それがわかるんです! テリー商会の出来る部下に探させたんだー」

 シャルロッテが可愛くいう。


 シャルロッテが地図を出してきて、妖精の森の場所を教えてくれる。


 そこは、私たちは、サラマンドラの森と呼んでいる森で、

危険なところで、行ってはいけないよっていわれてるところだった。


 絶対その選択肢選ばないわ。

 そうなったら家帰りそうだな。私。

 あー聖女になれなかったね。


 幽体とはいえこんな森にいくのめっちゃ怖い。


 「ねぇシャルロッテ、ついてきてよ」

 私はダメ元で言ってみる。


 「えっなんで?」

 シャルロッテは、ポカーンとこっちみる。


 「え、だってシャルロッテ自分にもこの幽体にするみたいな魔法使えるんだよね? 一緒にきてよ。万が一私が聖女になれなかったとき、シャルロッテがなれる可能性もなきにしもあらずじゃない?」

 聖女になれるかもしれないって言ったら来てくれるかもと思って言ってみる。


 絶対一人でいきたくない。無理。

 別に聖女になるのは私じゃなくてもいいし。

 シャルロッテの可能性にもかけたい。

 数うちゃあたるかもだし。可能性は多い方がいい。


 めっちゃお願いしたら、

 「しょうがないなー」

 って言ってくれた。


 良かった……。


 ということで、シャルロッテと私は幽体になって(私はすでに幽体だったが)イベント開始に乗り出した。


 ふよふよしかできなかった私は、シャルロッテに楽に移動するのこうやるんだよ! って教えてもらって自分の操縦方法を教えてもらう。


 コツさえつかめば、割と早く移動できるし、なんか思うように動けるようになったら空飛んでるみたいでちょっと面白い。


 シャルロッテと離れてしまわないよう手を繋ぐ。

 なんだか、友達みたい。


 ゲームがどうのこうのとかじゃなくて、初めから友達になりたかったなぁ。


 ゲームの知識も少しは必要だったな、と思ったりする。


 いきなりイベントとか聖女とか、そこそこ楽しく今世を謳歌してたのに、急にゲームみたいになって若干怖いのだけど。


 とりあえず無事につつがなくイベントが終わって、無事キースと会いたいな。




※※※




 私たちは、シャルロッテがサクサク連れていってくれたお陰で、サラマンドラの森にあっという間についた。


 なんか、ここ、割となんていうんだろう。

 神社?みたいな澄んだ空気。


 清浄な場所、って感じなんだけど、どうしてここが危険って言われてるんだろう?


 「ここね、妖精さんたちが住んでる森なの。なので危険ってことになってて、人間たちが来れないようになってたみたい」

 シャルロッテが私の疑問に応えるように話してくれる。


 シャルロッテが、キョロキョロする。

 何か探してる感じ?


 「あった!」

 シャルロッテが指さしたのは、ありえない感じで道の真ん中にドーンと置かれたデカイ宝石のついたネックレスだった。


 「なんか、イベントっぽい……」

 って私が呟くと、

 「はい!ミリー早く拾う!」とか言われる。


 なんかそれに反応してつい拾ってしまう。

 命令されると動いてしまうよね。


 よく考えたら私幽体なのになんで拾えるのか? って感じだけど、拾えた。


 これがゲームの、イベントというものなのね……。


 すると、ネックレスがピカーって光って、まさかまさかの妖精が現れたのだった。

ゲームにどんどん巻き込まれていくミリーでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ