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バッドエンド進行中だったようです

ちょっとみやすく変更しました。

 

 なぜ私が呼ばれたのか、そして、私は生きているのか。

 その二つのことをききたいのだが、どうしても目の前の可愛いはずの少女が怖くてきけない。


 ここまできてなかなかヘタレだなと思う。


 うん、まぁもうわかんないしね、いいよね、よし、聞こう。


 私はようやく意を決し、口を開く。


 「「あの」」

 まさかのシャルロッテさんと思いっきりかぶってしまった。


 私、「あ、お先にどうぞどうぞ」と言う。


 「あ、そちらこそどうぞどうぞ」

 シャルロッテさんがそう言ってくれる。


 なんか前世では、こんなのよくやったよなぁ。

 懐かしい気分。


 「あ、そうですか? それならお先に……。あの、私って生きてます?」

 私は、結局のところ一番聞きたいことをまず、聞いた。


 すると、シャルロッテさんはニッコリといった。

 「生きてるわよ!!!」


 私は脱力する。

 私、いきているのね、よかった……。


 シャルロッテさんの話では、シャルロッテさんはゲームをプレイして、ゲームのシャルロッテさんが、ミリーを魔法で幽体にして呼ぶというシーンがあったとかで、それを真似して、私を呼んでくれたようなのだ。


 「どうして私を呼んでくださったんですか?」

 聞きたい2点目を、話の流れ的にスムーズにきけて私はほっとする。


 「ゲームの中でも特に大事なイベントをあなたが取りこぼしてるから教えてあげようって思ったの」

 シャルロッテさんが可愛く言う。


 「大事なイベント?」

 私はハテナマークがいっぱいだ。


 シャルロッテさんは話をつづける。


 どうやら、ゲーム上では、サーム先生ルートに入ってしまった場合、シャルロッテは、そもそも、ミリーに認識阻害魔法をかけるというストーリーになるそうな。


 その時に、その魔法を、サーム先生が解除してくれる流れだったそうだ。


 私の場合、サーム先生は治療に来てくれただけで、

キースが魔法石で解除してくれたから少し違う。


 「私、1回目も、2回目も、かけた時は、ミリーがサームルートに行かないようって思ってかけただけで、こうなるなんて思ってなかったの。でも、コレって、結局イベントと同じようになってるなって」


 「そもそもコレ、ゲームのイベントみたいな感じなんですか?」

 ついつい、私はシャルロッテさんの話の途中で割り込んでしまった。

 合いの手忘れて、ついついやっちゃうんだよね。

 気をぬいてしまった。


 だが、シャルロッテさんは気を悪くした様子もなく普通に返事してくれる。

「ええ、イベントだと思う。他のルートはやってないから知らないけど。途中までの選択肢的にはずっとサームルートだから、少し違うけど、大筋は割とサームルートのイベントが起こってるかも」


 むむ? シャルロッテさん、もしかして、変な人や怖い人じゃないのかな? ただ、いわゆる、ただのゲームを知ってて変になっちゃってる人?


 ゲームをしってるのって、憶測で知ってたら辛いだろうなんて思ってたけど、コレはコレでなかなか楽しそうかも?

 ま、別の意味で大変か。


 シャルロッテさんはどんどん話してくれる。


 「ていうか聞いてよ! めっちゃきいてよ! ミリー! 私さぁ、せっかくサーム先生のために他の二人どちらとも婚約しないようにたのに! なのに、勝手にオリヴァーともジャスティンともいい関係なんて噂になっちゃって、なんで? って感じなのよーー! あの二人別に婚約者もできたのに私に会いにきちゃうし。逃げても逃げてもゲームがやってくる感じ。てかあいつら婚約者いるのに私のイメージめっちゃ悪くない?」

 シャルロッテさんは縦ロールのツインテールを可愛く揺らし、憤慨している。

 なんかシャルロッテさんて可愛いかも。


 そういえば、井戸端会議でその名をきいたような。

 ゲームのせいだったんだ。

 お若いからお盛んってわけではなかったのね。


 「ちなみにキース、マイロルートはクローディアだからね」

 サラリと重要なことを言う。


 キースが、もしあの可愛いクローディアに誘惑されたとしたら、どうしよう。速攻私なんか負けちゃうと思うよ。


 ラインハルト様、頼む。クローディアを捕まえておいてよー!


 ふよふよと幽体でアレだけど、ラインハルト様に念を送ってみた。(送れてるかは謎だけど)

 気持ち気持ち。


 シャルロッテさんがまた話を続ける。

 「で、ゲームのイベントでは、シャルロッテのかけた魔法をサーム先生が解除した過程で、死にかけて。イベントで授けてもらえた聖女の能力を使って、自分で自分を治癒するっていうっていう話になるの」

 シャルロッテさんがそんなことを言う。


 それか! さっきイベント取りこぼしてるからって言ってたのは。


 ていうか、聖女なんて、魔法のある今世でも、本当にきかない稀な能力で、絵本の世界しかないと思ってた。


 まさかの自分がそんなすごい能力を、イベントをこなすともらえてたなんて全く知らなかった。


 私もゲームをやってたら、知ってたらよかったなぁって少し思ってしまった。


 私が知っていたら、今みたいな、ここまで大変なことにはならなかったかもしれないし。


 ゲームなら文字であっという間だったのかもだけど、現実は死にかけるってキツいよね。


 そして、私はイベントをやってない。

 聖女ではもちろん、ない。


 「あの、聖女の能力なかったらどうなりますかね?」

 私は聞く。


 「あのね、バッドエンドになっちゃうの。ミリーは一生ベッドの上で、サーム先生はミリーを治せないことに自分を許せなくなって自死を選ぶっていう」


 愕然とする。私、バッドエンドにすすんでるってこと?


 今のところ見てる限り、サーム先生は、私がベッドの生活を余儀なくされても、自死とか私のために選ぶかな?って感じだけど、私、一生ベッドの上はちょっと……つらい、かも。


 「ま、私それで呼んだのよ。取りこぼした、イベントやってもらおうと思って! 私はサーム先生を助けたいの!」


 シャルロッテさんは、フヨフヨ漂ってる私をみて、堂々と、そう言った。


 「えっ今からできるんですか? やれるならぜひやりたいです!」

 もうここまできたら、頼みの綱はシャルロッテさんのみ。

 てかサーム先生の自死は大丈夫そうだけどさ。


 このことはシャルロッテさんには言わなくていいよね。


 なんでもやってやる!

 私は、そう覚悟を決めた。

ここまでようやくかけました…

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