表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/35

犯人が判明したのだが…(キース視点2)


 抱きしめたミリーは熱い。

 かなり高熱が出ているようだ。


 本当になかなか回復しないような気がするが、あのサーム先生に会うたびに、ミリーの回復が早すぎると嬉しそうで、

調べたいというのはすごく嫌なのだが、早く回復していると聞くと、すごく安心している自分がいる。


 ミリーのご両親もそうだと言っていた。


 だが、今の時点で辛そうなのに、ミリーの予後が悪かった可能性を思うと、本当によかった。


 「ありがとうございます……。なんか今日長いこと座れるようになったから……、調子乗っちゃったみたいで……」

 呼吸を荒くしながら、ミリーが俺の腕の中で言う。


 そして、ぐったり力なく垂れ下がっていたミリーの腕が熱を持って、俺の首にまわされる。


 そのまま俺の目をうっとり見て

 (熱に浮かされてるからだろうが)

 「キース……会いたかった……」

 ハァハァと苦しそうに、そして熱で頬を赤くしてミリーが囁く。


 それはだめなやつだ、ミリー!


 腕の中で俺の目をじっと見るミリーの目は潤んでいる。

自分を必死で抑えながら、ミリーと唇をどうにか優しく重ねると、もう限界で、激しく舌を入れてしまった。


 「っん……」

 ミリーの口からすごく可愛い声がした。


 もっと聞きたい。


 舌をかきまわすと、どんどんミリーから可愛い声が漏れ出て、自分の欲望が止められない。


 だが、本当にミリーの口内が熱すぎる。


 前回目が覚めたときキスしたときや抱きしめたときも、熱があったのだがそれ以上だ。


 起きたばかりと思うが……何か無理したのか?


 どうにか自分を抑えて、ミリーから口を離し、

 「ミリー、口の中、すごく熱いんだけど……今日無理したよな、何かあった?」


 無理したことより、誰か男が来てないだろうかが気になる自分は、なかなか心の狭い男だと思う。

 このミリーは誰にも見せたくない。


 そう思ったら、強い口調で言ってしまった。


 「あの……今日はサーム先生の診察と……クローディア様が来てくれて……」

 ミリーが息苦しそうに話す。


 サーム先生は嫌だがしょうがない。

 だがクローディア様? ラインハルト様といつも一緒だよな?


 「ラインハルト様は来てない?」

 なんて聞いてしまう。

 ラインハルト様にこのミリーを見せたくない。


 「王太子様は……きてない……でっっ」

 ときてないことを確認するともうまた我慢ができなくなって、ミリーの口を塞いでしまう。


 本当に可愛い。

 ミリーを絶対離したくない。

 婚約者にはなったが、まだ結婚できてないのが辛い。

 早く自分のものにしてしまいたい、そう思った。


 ようやく落ち着き、口を離して早々、

 「ミリー、絶対他の男と会わないでね」

 と言ってしまった俺は、やっぱり心が狭い男だ。


 ミリーは熱に浮かされた瞳でこちらを見ながら頷いた。


 さらに調子悪くなっているようで、ちょっと激しくキスしすぎてしまったかも。


 高熱の人にする所業じゃないよな。

 少し悪いと思っていると。


 「あ! キース。これフローレス夫人にいただいたルームウェアなんです……。可愛くて嬉しくて……。お礼いっておいていただけませんか?あと……可愛いからキースに見てもらいたかったんです……」

 なんて言う。


 ミリーが俺に、見て欲しかったなんて嬉しい!

 しかし、その体のラインがすごく出るいやらしいルームウェアは我が母のセレクトだったのか。


 一見清楚に見えるのにセクシーなんていうのは本当にやめてほしい。

 いや、俺の好みではあるが。


 これを他の男が見ると思ったらどうしようもないので、母には体のラインがでないルームウェアをまたプレゼントするように伝えようと決意した。


 「なんかハァハァしてて恥ずかしい……」

 ハァハァ言いながらそう言うミリーはもう、我慢できなくなるから、本当にやめてほしい。


 「熱が高いんだからしょうがないよ。その服、すごく似合ってると思ってた。母の選んだ物だったのか。伝えておくね」

 まぁその服は自分の会う時だけ限定にしてもらい、体のラインのでない新しいやつを送ってくれと伝えるつもりだが。


 もうさすがにキスをしたら壊れてしまいそうだと思う。


 抱きしめることだけどうにか許してほしい。


 伝わるミリーの体があまりに熱く、寝かせてあげたいとも思うが、俺はどうしても、離したくなかった。


 「明日休みもらったから朝から来るよ。昨日もきたけどずっと寝てて…大丈夫かと心配だった。今日も辛そうだけど起きていてくれてほっとした」

 まだ一緒にいたいが、遅くなってきたし、そろそろ出ないといけない。

 エイミーがドアを少し開けてそろそろだよと合図してくるのだから。

 いい侍女についてもらっているな、と思う。


 「ちょっと認識阻害魔法の犯人について進展があったんだけど、今日はあまりに辛そうだから明日話そう。本当に早く元気になってね。そうそう、ようやく書類が申請されて、

正式に婚約が結ばれたんだ。どうか、これからもよろしく、ミリー」

 もう今日は流石に聞けないだろう。


 いや、もっと自分がやってはいけないことをしてしまった気もするが。


 可愛いミリーが悪いんだ、と思った。




※※※



 

 朝、早く会いたくて、少し早すぎると思いつつ、朝早くミリーのところへ向かうと、みんながバタバタしていた。

 明け方、ミリーが急変して、今も意識がないらしい。


 慌ててミリーのところへ向かうと、すでにサーム先生がいた。


 「明け方、おそらく再度あの魔法がかけられたようだな。むしろ逆に魔法にかかってしまってくれていたら、体調がもどってからまた解除すればよかったのだが。本人の体に耐性ができてしまって、魔法を跳ね返したのはいいのだが、それでさらにかなり体力を消耗してしまったようで」

 とサーム先生が医者らしく淡々と説明してくれ、自分の狼狽えまくってた気持ちをすこし落ち着かせてくれる。


 「ミリーさんがすごく痛がるので、痛み止めの魔法をかけたから眠っているが。とりあえずあとは本人の体力や気力にかけるしかないな。でも私はミリーさんなら大丈夫じゃないか、と思っているんだよ。ここまで気力も体力もある人はなかなかいないんだよ」

 とサーム先生なりの優しさを見せてくれた。

 ミリーのご両親も慰められただろう。


 しかし、ミリーってそうは全然みえないけど、そんなに頑丈なのか?

 前世の記憶とやらがそうさせているのか?

 

 今日が、休みでよかった。

 できる限りミリーについていてあげよう、そう思った。


 そうだ、ミリーの目を覚ましたら、ミリーの前世の話ももっと聞いてみたい。


 魔法で眠らされて落ち着いているように見えるミリーを見て、そう思った。


ミリーの頑丈の秘密があきらかに?


キース母はキースの好みを知り尽くしていました笑

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ