高校野球部のおっさんプレイヤー~マスターズリーグの還暦ピッチャーと還暦スラッガーが高校野球の監督じゃなくて選手として活躍する物語!
いよいよ高校野球のシーズン!!
しかし、俺たちの学校は甲子園の本戦までは勝ち進むものの、組み合わせ抽選では一回戦でいきなり優勝候補と当たってしまい、結局負けてしまったというのが去年の話だ。
その前も、その前の前も、そのさらに前は地方大会の一回戦で負けていた弱小チーム、『三重野西高校』。
その三重野西高校のエースピッチャーで、さらにサードも兼任しているのが俺、黒川城兵衛だ。
ある日、監督から話があって、部員全員集められた。
「今日は、お前たちとともに野球をする、新たな仲間が入ることになった。」
いったいどんなヤツなんだろうと最初は思った。
「紹介する。この2人だ。入ってこい。」
そこに入ってきたのは、なんと見た感じ60歳過ぎの白髪混じりのおっさん2人だった。
「この2人は、マスターズリーグの『大日レンジャーズOBチーム』で活躍している、
桑木大輔投手と、それからもう1人、松下弘喜外野手だ。」
監督から説明され、初めて事の真相を悟った。
俺から説明すると、まず『大日レンジャーズ』とはプロ野球のチームで、『マスターズリーグ』とは、そのプロ野球を引退したOBたちのためのリーグだという。
その中でも名選手として活躍したという2人だが、さしずめ、助監督とかピッチングコーチ、打撃コーチという形で入ってくるんだろうと、普通は思うよな。
ところがなんと、この2人は、選手として俺たち高校生といっしょにプレイするんだそうだ。
「選手!?その年齢【とし】で!?」
俺は思わず言ってしまったが、よくよく考えたらこの2人はマスターズリーグでは現役選手としてやってたんだからな。
となると、このレジェンドの選手たちとともに、レギュラー争いをすることになるのか!そいつは大変だ!俺たちも負けないように練習しないとな!




